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「人生の後半戦」に襲ってきた予期せぬトラブル。世帯年収550万・63歳男性が「無知なまま決断することの恐ろしさ」を実感した、ある事情

  • 2026.7.21

定年退職を迎え、これから始まる「人生の後半戦」。穏やかな老後を思い描いていた埼玉県の63歳男性を襲ったのは、予期せぬ家族のトラブルと、自分自身の「無知」が生んだ金銭的な苦境でした。良かれと思って決断したことが、結果的に自分の首を絞めることになってしまったのだとか。男性の老後設計を大きく狂わせた事情を、詳しく教えてもらいました。

回答者のプロフィール

ママテナ編集部マネーチームは2026年4月、インターネット上で「お金にまつわるトラブル」について、エピソードを募集するアンケートを実施しました。今回紹介するエピソードは、そのアンケートに寄せられたものです。回答者である63歳男性のプロフィールは以下の通り。

回答者本人:男性(63歳)
居住地:埼玉県
家族構成:妻(60歳)、長男(32歳)
回答者の職業:会社員(正社員)物流管理事務
配偶者の職業:パート・アルバイト
現在の世帯年収:約550万円
回答者個人の年収:約420万円
住居形態:戸建て(注文住宅)
現在の金融資産状況:貯金約800万円、積立型の生命保険

安易に年金の繰上げ受給を決めたものの、思わぬ物価高で生活は苦しく……

埼玉県内の一戸建てで、妻と長男と3人で暮らす63歳の男性。「現役時代は人並みに稼いでいた」という男性は定年後の再雇用制度を活用し、現在も物流管理事務の正社員として働き続けています。妻のパート収入と合わせた世帯年収は550万円ほどです。

一見、順調に見える男性の生活ですが、実は深く考えずにしてしまったある決断を今も悔やんでいると教えてくれました。

男性は定年を迎えた際、住宅ローンの残債を一括で返済。手元の現金が一気に減ってしまったと言います。さらに、再雇用で雇われるとはいえ、定年前に比べて年収が下がることを懸念した男性。年金受給額が一生涯減らされることの重みを深く考えることなく「安易に62歳から年金の繰上げ受給を開始」することを決断してしまいました。

ところが、フタを開けてみれば物価は高騰し続け、男性夫婦は「日々の生活費だけで手一杯」の状況に。そんな男性夫婦に、さらに追い打ちをかける事態が起こってしまいます。

長男が精神的な不調で離職、その生活費や通院費まで、負担せざるを得ない状況に

その事態とは、突然の長男の離職。都内で働いていた長男が精神的な不調で会社を辞め、物価高に苦しむ夫婦が暮らす実家に、戻ってきたのです。

男性夫婦は長男の生活費や通院費を全て負担することに。結果として「老後のために蓄えていたはずの予備費が毎月数万円ずつ削られていく状況です」と男性。そして、その生活は2年も続いていると言います。

年金の繰り上げ受給という自身の判断ミスと、長男の思わぬ離職。現状について「自分たちが動けなくなった後の長男の生活を守るための資金が全く作れていない」と、男性は吐露します。

男性は「再雇用期間が終われば収入はさらに減るのに、年金は繰上げ受給のために満額もらえず、一生低い水準のままです」と将来を悲観。

長男の再就職の目処も立たない中、「自分たちの医療費や介護費用が必要になったときに、どこからも捻出できないという恐怖に常に晒されています」と切実な悩みを訴えました。

「まさか還暦を過ぎてから息子の生活まで抱え、家計に汲々とするとは思ってもみませんでした」と男性。「自分の判断ミスで年金額を減らしてしまったことへの悔いと、将来が見えない息子への不甲斐なさが混ざり合い、情けない気持ちでいっぱいです」と教えてくれました。

現状を直視し、家族で協力して生活を立て直すことに。同時に長男の自立を専門家とともにサポート

家計も長男の生活も、このままではいけない……そう感じた男性は現状を直視しようと、まずは家計の収支を1円単位で書き出します。

それをもとに家族全員で危機感を共有。今は年金の減額分を補うため、妻のパートの勤務時間を増やしたり、固定費を削ったりと、家族で協力して生活を立て直す努力をしています。

一方、長男の今後については専門機関を頼ることに。「自立支援センターへ相談に行き、就労支援や家族としてどう接すべきかの指導を受けています」と現状を明かす男性。

その結果、「長男が少しずつですが外に出られるようになり、短時間のアルバイトから始めようという意欲を見せ始めた」と明るい兆しが訪れたようです。

「金銭的には依然として厳しい状況に変わりはありませんが、家族で将来のプランを共有したことで、以前のような暗い沈黙は少なくなりました」と男性。家族の関係性にも良い変化が生まれています。

一連の出来事で「無知なまま決断することの恐ろしさ」を実感

一連の出来事を経て、男性は「年金の受給については、目先の数万円に惑わされず、FPなどの専門家にシミュレーションを依頼して長期的な視点で判断」すべきだったと感じているそうです。

また、長男の教育や自立についても「早い段階から本人と向き合い、金銭的な援助の限界を明確に伝えておくべきだったと痛感しています」との後悔が。

今は「人生の後半戦には、予想もしない家族のトラブルや社会情勢の変化が必ず起きるという前提で、余裕を持った資金計画を立てるべきでした」と実感している男性。

「一度決めた公的な手続きは後戻りできないことが多いので、無知なまま決断することの恐ろしさを学びました」との思いとともに、最後にこんな教訓を得たと教えてくれました。

「何歳になっても学び続け、情報を更新することが自分を守る唯一の手段です」。

 

(文:ママテナ編集部マネーチーム)
※この記事は、ママテナ編集部マネーチームが2026年4月、「お金にまつわるトラブル」をテーマに実施したアンケート(インターネット回答)に寄せられたエピソードを元に作成しています。
※写真はイメージで本文とは関係ありません。

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