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性格特性が「音楽の聴き方」に影響していた

  • 2026.7.14
Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

音楽は人類が普遍的に愛する娯楽ですが、その楽しみ方は人それぞれです。

イヤホンをして一人きりで楽しみたい人もいれば、友人と爆音で一緒に楽しみたい人もいます。

そして、こうした違いには、私たちの「性格特性」が深く関係しているのかもしれません。

フィンランド・ユヴァスキュラ大学(UJ)の最新研究で、それぞれの人の性格特性が「音楽の聴き方」に関連していることが判明しました。

ここでは主に、性格特性の「ビッグファイブ」と「音楽の聴き方」との関連性が明らかにされました。

研究の詳細は2026年2月21日付で学術誌『Personality and Individual Differences』に掲載されています。

目次

  • 音楽の聴き方には「独立した2つの軸」がある
  • 性格特性の「ビッグファイブ」と「音楽の聴き方」の関連性

音楽の聴き方には「独立した2つの軸」がある

音楽には、気分を落ち着かせたり、自分の感情を整理したりする個人的な役割があります。

その一方で、ライブ会場で一体感を味わったり、友人とお気に入りの曲を共有したりするように、人と人を結びつける役割もあります。

しかしこれまで、「一人で聴くこと」「誰かと一緒に聴くこと」のどちらを好むかを、直接測定する心理尺度はありませんでした。

そこで研究チームは、音楽心理学の専門家による質問項目の審査を経て、調査のための新尺度「個人的・社会的音楽聴取尺度(ISMUS-LI)」を作成。

それをもとに、数百名の被験者を対象にして調べた結果、音楽の聴き方には「個人的聴取」と「社会的聴取」という2つの因子があることが認められました。

個人的聴取には、「一人で聴くと強い感情が湧く」「一人で聴くと音楽と一つになったように感じる」といった特徴が含まれます。

社会的聴取には、「友人と一緒に聴くと楽しさが増す」「音楽が生み出す人とのつながりを大切にする」といった特徴が含まれます。

興味深いのは、これらが単純な表裏関係ではなかったことです。

つまり、人は必ずしも「一人派」か「みんな派」のどちらかに分かれるわけではありません。

一人でも深く音楽を味わいながら、誰かと共有することも同じように楽しむ人もいました。

では具体的に、「性格特性」と「音楽の聴き方」の関連性の結果を見てみま粗油。

性格特性の「ビッグファイブ」と「音楽の聴き方」の関連性

次の研究では、先の新尺度とビッグファイブと呼ばれる性格特性との関係が調べられました。

Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部

すると、外向性の高い人ほど、予想通り、友人などと一緒に音楽を楽しむ「社会的聴取」の得点が高くなっていました。

人との交流から刺激や楽しさを得やすい外向的な人にとって、音楽もまた共有することで魅力が増す体験なのかもしれません。

一方、神経症傾向の高い人ほど、「個人的聴取」の得点が高くなっていました。

神経症傾向とは病気を意味する言葉ではなく、不安や心配、ストレスなどを感じやすい性格傾向のことです。

こうした人は、一人で音楽に没頭することで感情を整理したり、心を落ち着かせたりしている可能性があります。

また、関連は弱いながらも、

・誠実性の高い人は、一人で音楽を聴くことを好む

・協調性が高い人も、一人での音楽聴取を好む

・開放性が高い人は、複数人での同時視聴を好む

という傾向が示唆されました。

ただし、一人で聴くことを好む人ほど孤独である、という結果は得られていません。

個人的聴取と孤独感の間には有意な関連がなく、一人で音楽を楽しむことは、社会的な孤立とは別のものだと考えられます。

また、他者と聴くことを好む人は、ポップ、ラップ、ダンス、R&Bなどを含む流行性や踊りやすさのある音楽だけでなく、比較的幅広いジャンルを好む傾向も示しました。

一人で音楽を聴くことを好む人では、関連性は弱いながらも、オペラ、クラシック、カントリー、ゴスペルに加えて、パンク、メタル、オルタナティブ、ロックを好む傾向が見られています。

(※ ただし、例えば「一人で聴く人はロック好き」と一般化できるほど強い関連性はなかったとのこと)

音楽を共有する人は、場面や相手に応じてさまざまな曲を楽しむ「音楽的雑食性」を持っている可能性があります。

ただし、この研究は一時点の質問調査であり、性格が音楽の聴き方を直接変化させるという因果関係までは証明していません。

また、参加者は主にヨーロッパのオンライン回答者だったため、日本を含む他の文化でも同じ傾向が見られるかは、今後の検証が必要です。

音楽の好みというと、私たちはつい「何を聴くか」に注目します。

しかし今回の研究は、「誰と、どのように聴くか」にも、その人らしさが表れる可能性を示しました。

イヤホンをつけて自分の世界に入る時間も、誰かと同じ曲を共有する時間も、私たちが音楽に求めているものを映す小さな鏡なのかもしれません。

参考文献

How Your Personality Affects the Way You Listen to Music
https://www.psychologytoday.com/us/blog/fulfillment-at-any-age/202607/how-your-personality-affects-the-way-you-listen-to-music

元論文

Development and validation of the individual and social music listening scale (ISMUS-LI)
https://doi.org/10.1016/j.paid.2026.113736

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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