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マチュー・ブレイジーが紡ぐ「シャネル」の寓話。クチュールが女性を新たな冒険へと誘う

  • 2026.7.9
Virgil CLAISSE / Getty Images

「ガブリエルと豆の木」というタイトルが付けられた今回のコレクションは、ガブリエル・シャネルの成長と苦難、または彼女が思い描いた寓話として描き出している。そして、ガブリエルの人生と同様に、マチュー・ブレイジーの「シャネル」での歩みもまたひとつの童話のようである。「シャネル」のアイコンに新たな息吹を吹き込みながらも、メゾンの伝統に忠実であり続けてきたブレイジー。しかし今回の2026年秋冬オートクチュール コレクションでは、彼自身の物語を紡ぎ始めたようだ。

Peter White / Getty Images

会場のグランパレは、実寸大以上の植物が配された、シュールで没入感のある庭園へと姿を変えた。ガブリエル・シャネルの本棚で一冊の本を見つけたブレイジーは、『ジャックと豆の木』や『3びきのくま』といった寓話のアイデアを取り入れ、そのビジョンを完璧に具現化した。

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ファーストルックを飾ったのは、「シャネル」の象徴でもあるツイードのスカートスーツを解体したルック。シアーで軽やかなシルクモスリンを使用し、透けて見えるブラや切りっぱなしの裾でエッジを利かせたモダンなアレンジが光る。モデルの手には、生地のほつれがサイドに揺れるおそろいのイブニングクラッチが添えられていた。そしてもう一方の手には、ガブリエルが所有していた『Les Fées, Contes des Contes(妖精たち--物語集)』の本が握られた。

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コレクション全体にわたって、新解釈されたアイコニックなカメリアの花が登場した。トゲのあるツルはボタニカルモチーフと交じり合うようにあしらわれている。「童話というのは、人を不安にさせるためにあるものです。『果たして自分は、この本から生きて抜け出せるのだろうか?』と。私はこの危険な花のアイデアが気に入りました。私たちはそれを、ガブリエルの毒花と呼んでいます」。ショー後のバックステージでブレイジーは語った。

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むぎわらのようなほつれ加工やラフィアのあしらいが特徴的な“かかし”風のルックに続いて登場したのは、バイアスカットのなめらかなシルクドレスから、再構築されたリトルブラックドレス、ベージュカラーのワントーンスタイルといった、多彩なアイテム。ブレイジーによるとそれらは“日常の冒険”をカプセルに閉じ込めたかのような服なのだという。

Virgil CLAISSE / Getty Images
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アクセサリーには、思い出を詰め合わせた宝箱のようなアプローチが採用されている。おなじみのフラップバッグに代わって、童話のキャラクターをかたどったメタリックなバニティケースが登場。絡み合ったようなチャームネックレスがツイードジャケットの首元にレイヤードされ、シャラシャラとしたチェーンベルトとともにスタイリングされていた。

Virgil CLAISSE / Getty Images
Stephane Cardinale - Corbis / Getty Images

ブレイジーの手によって新たな命が吹き込まれた「シャネル」のシグネチャーパンプスは、多様な素材とモチーフで登場。金箔があしらわれ、卵や豆の形をしたパール装飾のハイヒールは、コレクターにとって垂涎(すいぜん)のアイテムになることは間違いない。

Virgil CLAISSE / Getty Images
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マチュー・ブレイジーがデュア・リパのブライダルドレスを手掛けたことは記憶に新しい。オートクチュールをウエディングドレスで締めくくるのは「シャネル」の慣習だが、ブレイジーはあえてを別の表現を選んだ。レースのドロップウエストガウンにベール、メッシュシューズを身にまとった花嫁を、フィナーレの数ルック前に登場させたのだ。

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その理由とは? 「それではガブリエルの童話にはならないからです。彼女は一度も結婚しませんでしたから」と彼は語る。その代わりにブレイジーが最後を託したのは、「シャネル」の最も偉大なクリエイションともいえる、リトルブラックドレスだった。

Hearst Owned
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ティルダ・スウィントンやルピタ・ニョンゴ、カトリーヌ・ドヌーヴ、ペドロ・パスカルといった豪華なゲストたちが「シャネル」に身を包んで来場。

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