1. トップ
  2. マンガ
  3. 他の人の相談は録音する彼が、私の頼みごとだけ覚えていなかった

他の人の相談は録音する彼が、私の頼みごとだけ覚えていなかった

  • 2026.7.3
ハウコレ

覚えているから残していないだけだと、彼は言いました。それなら、と尋ねた頼みごとに、彼は答えられません。

音楽をかけるために借りた彼の携帯に、日付と名前のついた録音メモが並んでいました。友人、妹、同僚。一覧をたどるほど、そこに私の名前だけがないことが、はっきりしていきました。

彼は人との会話を、録音して残す人でした

彼は誰かと込み入った話をすると、あとで短い録音メモを残す習慣がありました。約束や相談を忘れないためだと、本人から聞いたことがあります。一覧には友人の相談も、妹の進路の話も、同僚の愚痴まで、几帳面に日付が振られていました。それなのに、付き合って二年になる私とのやりとりだけは、ひとつも見当たりませんでした。

「君のことは、覚えてるから」と彼は答えました

携帯を彼に返しながら、思っていたことを口にしました。「他の人との相談は録音してるのに、私のは一回もないんだね」。彼は少し考えて、こう答えました。「君のことは、覚えてるから」。録音しなくても覚えている、という意味なのだろうと頭ではわかります。それでも私には、覚えておく価値もないと言われたように聞こえました。

覚えていると言った彼に、ひとつだけ尋ねました

彼の言葉どおりなら、確かめたいことがありました。先月、転職を迷っていると彼に打ち明けたとき、私は「結果が出たら、いちばんに聞いてほしい」と頼んでいました。結果はもう出ています。彼から尋ねられたことは、一度もありません。「先月お願いしたこと、覚えてる?」。彼は手の中の携帯に目を落としたまま、答えませんでした。

そして...

数日後、彼が録音のことを話してくれました。取り繕わずにいたくて、私との会話だけ消していたのだと。悪気があったわけじゃないと分かって、少し肩の力が抜けました。

それでも、録音に残っていないことが悲しかったわけではないと、今は思えます。悲しかったのは、大切にされていない感じがしたことでした。だから私も、メモのかわりに、ちゃんと聞いてほしいとだけ伝えました。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる