1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. 「かえって支出を増やす」お金のプロが警告。節約のつもりが“散財”に…ポイ活での「NG行動」とは?

「かえって支出を増やす」お金のプロが警告。節約のつもりが“散財”に…ポイ活での「NG行動」とは?

  • 2026.7.15
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

手軽な節約術としてすっかり定着した「ポイ活」。しかし、一生懸命ポイントを貯めているはずなのに「思ったようにお金が残らない」「逆に支出が増えている気がする」と悩む人は少なくありません。実は、ポイント獲得自体が目的になってしまい、結果的に余計な買い物をしてしまう“本末転倒”なケースが多いためです。

そこで本記事では、金融機関の現役マネージャーである中川佳人さんの見解をもとに、ポイ活を家計管理の強力な味方にするためのポイントと、陥りがちな落とし穴をわかりやすく解説します。

この記事を通じてポイ活の本質を正しく理解し、ポイントに振り回されない「賢い消費判断」を身につけましょう。

なぜポイ活でお金が貯まらないのか?消費判断のズレが原因

---ポイ活で「お金が貯まらない」「かえって貧乏になる」という悪循環に陥る人には、どのような心理的要因や行動パターンが影響しているのでしょうか?

中川 佳人さん:

「ポイ活でお金が貯まらない人に共通する最大の原因は、ポイントを貯めること自体が目的になり、消費判断の軸がずれてしまう点にあります。本来は節約の手段であるはずのポイ活が、いつの間にか支出を正当化する材料になってしまうのです。結果として、節約しているつもりでも家計全体では逆の動きが起こります。

その理由は、ポイントが付くことで『買わない』という選択肢が心理的に選びにくくなるためです。ポイント還元やキャンペーンを見ると、『今買わないと損』『ポイントを逃したくない』という感情が先に立ちやすくなります。さらに、人は得をした気分になると警戒心が下がりやすく、冷静な判断ができなくなる傾向もあります。その結果、必要性を十分に考えないまま支出が増えてしまうことがあるのです。

この状態が続くと、一つひとつの買い物は少額でも、少しずつ出費が積み重なり、気づかないうちに支出が増えていきます。節約意識があっても、なぜかお金が残らないという状態に陥りやすくなるのです。

ポイ活で失敗しないためには、『ポイントが付くかどうか』ではなく『この支出は本当に必要か』という視点を持つことです。ポイントに気を取られすぎず、家計全体のバランスや毎月の収支を意識することが、安定した家計管理につながります。」

ポイント獲得に振り回されないための行動パターンとは?

---ポイントを貯めるために不要な買い物をしてしまう、ポイント目当てで普段より高い商品を選ぶなど、ポイ活が逆効果になる典型的な行動パターンを教えていただけますか?

中川 佳人さん:

「ポイ活が逆効果になりやすい行動パターンの特徴は、ポイントを得るために買い物の量や単価が増えてしまうことです。節約のつもりでポイントを貯めていても、結果として支出が増えてしまうケースは少なくありません。日常の買い物でこの傾向が積み重なると、家計への影響は大きくなっていきます。

特に多いのは、ポイント付与の条件や還元率に合わせて、予定外の買い物を追加してしまうことです。『あと◯円でポイント付与』『今だけ◯倍』といった表示を見ると、商品の必要性よりもポイント獲得が優先され、冷静な判断が後回しになりやすくなります。

代表的な例として、ポイント◯倍デーに合わせて日用品を過剰にまとめ買いし、使い切れずに無駄にしてしまうケースがあります。また、還元率の高さを理由に、普段より価格の高い商品や上位モデルを選んでしまう行動も典型的です。これらは一回あたりの金額は小さく見えても、積み重なると家計にとって大きな負担になっていきます。

ポイ活を家計の味方にするには、ポイント獲得の条件に合わせて行動しないことが重要です。あらかじめ決めた買い物の範囲や金額の中で消費する意識を持つだけで、無駄な支出は大きく減らしていけます。」

お金を貯める人が実践するポイ活の正しい考え方とは?

---ポイ活で損をしないために、お金が貯まる人が実践している「ポイントとの正しい付き合い方」を、具体的に教えていただけますでしょうか。

中川 佳人さん:

「ポイ活で損をしないために最も大切なのは、ポイントを『必要な消費に付いてくるおまけ』と考えることです。お金を貯めている人ほど、ポイント獲得そのものに振り回されず、収入の範囲内で暮らすという家計管理を優先しています。この考え方が、家計を安定させ貯蓄を増やすことにつながります。

家計が安定するかどうかは、ポイントの多少ではなく『毎月の収入と支出のバランス』で決まります。いくらポイントを多く獲得しても、収入以上にお金を使っていれば、貯蓄は増えません。ポイントは便利ですが、家計の土台を支えるものではないのです。

具体的には、お金が貯まる人は、まず生活費や貯蓄額を決め、その範囲内で日常の買い物をします。そのうえで、普段から必要な支出の支払い方法をポイントが付く決済方法に変える程度にとどめています。ただし、何でもキャッシュレス決済にまとめると「お金を使っている感覚」が薄れて支出がブラックボックス化しやすいため、家計簿アプリなどを活用して「使った総額」を常に可視化しておくことも忘れません。キャンペーンや還元率に合わせて買い物内容を変えることはほとんどありません。こうした姿勢が、家計の安定と貯蓄の積み上げにつながっているのです。

ポイントは上手に使えば家計の助けになりますが、追いかけすぎるとかえって支出を増やす原因になります。『収入の中で暮らす』という基本を守り、その結果としてポイントが付いてくる状態を作ることが、長期的にお金が貯まる人の共通点といえるでしょう。」

ポイントに振り回されず、本当に必要な支出を見極めよう

ポイ活は節約の強い味方となり得ますが、ポイントそのものに踊らされてしまうと逆効果に陥ることが多いことがわかりました。

ポイントを目的化せず、「この支出は本当に必要か」を最優先に判断することが大切です。予定外の買い物を控え、あらかじめ決めた予算の範囲内で消費を抑える意識が家計の安定を支えます。

そして何より、毎月の収入と支出のバランスを重視し、必要な支払いをポイントが付く決済方法で行う程度にとどめることが、長期的にお金を貯める秘訣といえます。読者の皆さんも、ポイントとうまく付き合いながら、賢い消費と堅実な家計管理を心がけてみてください。


監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。
専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ