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結婚願望ゼロの30歳女性の前に現れた自称・天使が、結婚相手候補を予言してきた! 恋愛や結婚について考えさせられるちょっと不思議な物語『マリッジランドリー』【書評】

  • 2026.7.2

【漫画】本編を読む

『マリッジランドリー』(タカハシノブユキ/KADOKAWA)は、結婚願望ゼロの女性が、「未来の結婚相手」を突然突きつけられることから始まる恋愛ドラマである。タイトルにある「ランドリー」とは、恋愛や結婚に対する価値観が、洗濯機の中のようにぐるぐるとかき回されていくことを表したもの。コミカルなのに妙にリアルで、笑っていたはずなのに、ふと気づけば「自分はどうなんだろう」と考えさせられる不思議な作品である。

主人公は広告代理店で働く30歳独身の朝日日出。祖母、母、姉、妹の離婚歴を合計すると10回で、修羅場も裏切りも価値観の衝突も散々見てきたため、恋愛にも結婚にもいっさい夢を持てなくなっている女性だ。ある日、そんな彼女の前に宇宙服のような格好をした自称「天使」が現れ、「ブサイクデブ」「借金イケメン」「歳の差既婚者」のうちの誰かと日出が結婚すると予言してきたのだ。

家族の失敗ばかりを見続けたことで、恋愛を最初から「危険物」として扱ってきた日出。しかし天使の予言した結婚相手の候補たちと出会っていくことで、少しずつ「誰かと生きること」の魅力を感じ始め、気持ちが揺らいでいく。

本作で印象的なのは「令和ならではの恋愛観」が漂っているところだ。恋愛至上主義ではなく、無理に結婚をゴールにしない。だけど人とのつながりは完全には諦めていない。その「冷めきれなさ」が妙にリアルで、登場人物たちの少しこじれた距離や、不器用なやり取りの様子が読み手の心に刺さる。天使という設定だけを見るとかなり荒唐無稽なのに、人物の感情描写は驚くほど現実的なのである。

恋愛も結婚も綺麗事だけでは続かない。それでも人は誰かとともに生きることを願う。その面倒くささと愛おしさをユーモアたっぷりに洗い直していく本作。結婚願望ゼロだった日出が最終的に出した答えとは? ぜひその目で確かめていただきたい。

文=七井レコア

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