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忘れられない恋を乗り越えてきた人にこそ響く物語。『サヨナラの引力』が辿る“もしも”

  • 2026.7.3

大人のためのラブストーリー

© 2025 KC VENTURES CO., LTD AND K WAVE MEDIA LTD ALL RIGHTS RESERVED.

誰にでもひとつくらい、ふと思い出してしまう恋があるはず。名前を思い出そうとすると、同時に当時の空気や温度までよみがえってくるような――そんな記憶。

映画『サヨナラの引力』は、2008年の夏に出会い、恋に落ち、そして別れたふたりが、10年後に再会する物語。

この作品が興味深いのは、単なる“初恋の回想”にとどまらないところ。過去と現在は、カラーとモノクロというビジュアルの対比で描かれ、同時に、ゲーム作家を目指すウノ(役/ク・ギョファンさん)と、建築を志すジョンウォン(役/ムン・ガヨンさん)という対照的な夢のあり方も物語に重なっていく。

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また、この映画が描くのは、刺激的な恋でも、ドラマチックな別れでもない。それでも確かに存在した時間を、もう一度なぞるように、ふたりは互いの記憶を辿っていく。実際に本作は韓国で口コミをきっかけに広がり、3週連続で興行ランキング1位を記録するなど大きな支持を集めた。それはきっと、この物語が特別な誰かではなく、“誰のなかにもある記憶”に触れているからだろう。

「あのとき、もし違う選択をしていたら——」

そんな“もしも”は、きっと誰のなかにもある。この作品は、そんな問いを持ちながら、それでも前に進んできた人にこそ響く物語。過去の恋を美化するでもなく、否定するでもなく、そのまま受け止めること。この作品は、その難しさと切なさを、丁寧にすくい上げている。

観終わったあと、きっと誰かの顔が浮かぶ。それはもう戻れない相手かもしれないし、ただすれ違っただけの誰かかもしれない。あなた自身の記憶に、そっと触れてくる一本をぜひ。

【7月3日公開】映画『サヨナラの引力』

© 2025 KC VENTURES CO., LTD AND K WAVE MEDIA LTD ALL RIGHTS RESERVED.

出演/ク・ギョファン、ムン・ガヨン

監督/キム・ドヨン

配給/⽇活/KDDI

※TOHOシネマズ ⽇⽐⾕ほか全国公開

sayonara-inryoku.jp

TEXT=南雲凛子

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