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【思春期のスマホ問題】親はどう向き合う?欧米の家庭に学ぶ子どもの「自律心」の育み方

  • 2026.7.2

今や、私たちの生活とは切っても切り離せないスマホやSNS。一方で、子どもたちによる「SNSの乱用」は世界的にも問題視されています。そんな状況で、親が教えるべきスマホやSNSとの適度な付き合い方とは?この記事ではアメリカ在住の作家・ジャーナリストで教育者でもある冷泉彰彦氏の著作『世界の一流は「子ども」に何を教えているのか』(発行:クロスメディア・パブリッシング)の一部を抜粋。思春期の子どものデジタルデバイス利用について、欧米の家庭で行われている取り組みについてお届けします。

世界的にも問題視されている子どもの「SNSの乱用」。欧米の親はどう行動している?

近年、世界的に大きな問題となっているのが、子どもの「SNSの乱用」です。スマホなどのデジタルデバイスは今や私たちの生活とは切っても切り離せないもの。

一方、子どもたちに自由に使わせることで、同年代同士でSNSを通した「いじめ」や「仲間はずれ」が起きたり、子どもたちが匿名の大人とネット空間で接触してしまったりといった問題も起きています。

渡米33年のジャーナリスト・教育者の冷泉彰彦氏は『ヨーロッパなどでは15~16歳未満のSNS参加を禁止する動きも出てきています』とした上で、SNS運営企業の地元でもあるアメリカの取り組みも明かしています。

まず、子どもと匿名の大人が接触してしまう問題については、アメリカでもさまざまな規制が模索されている、とのこと。一方で、子ども同士の問題については親が介入することで、問題のブレーキをかける姿勢が一般的だと言います。

欧米の家庭で多いスマホルールの中身、そして思春期のデジタル教育で最も大切なこととは?

では、具体的にどんな取り組みをしてスマホの問題にブレーキをかけているのでしょうか?冷泉氏によると『欧米の家庭では、思春期の子どものデジタルデバイス利用について、「完全に禁止する」のではなく、自律を育てるための明確なルールを設ける』家庭が増えているそうです。

ルールは「時間」「場所」「目的」の3つを明確にしたもので、冷泉氏は『「screen-free zones(スクリーン禁止区域)」として、ダイニングテーブルや寝室を指定する家庭が多く見られます』と明かします。

例えば、「寝室にスマホを持ち込まない」とのルールを設定している場合は、夜間はリビングなどの共有スペースでスマホを充電し、就寝前30分から1時間はスマホの使用を禁止するのが一般的。実際に寝室での使用に厳しいルールを設けている家庭の方が『思春期の子どもの睡眠時間が長く、学業成績もよい』という研究もあるそうです。

また、「食事中はスマホ禁止」というルールは、子どもだけでなく親も守ることが重要とされています。欧米では「家族の会話を優先する」という厳格なルールを設けている家庭が多く、中にはスマホの使用禁止だけでなく「全員が食べ終わるまで離席しない」ことをルールにしている家庭もあるそうです。

一方、「宿題・家事が終わるまではスマホ禁止」という「順序のルール」も一般的です。『アメリカの親たちの実例でも、「Homework first」「No phone before chorers(家事)」は定番のスローガンで、スマホは「権利」ではなく、「責任」のあとに使うもの』と考えられているからです。

冷泉氏はこうしたルールについて、子どもへの「監視」よりも親子の「信頼」が重視されているとも述べています。

単に制限をかけるだけでなく、子どもの年齢が上がるにつれ少しずつ自主性を渡していく——。高校生になる15歳ぐらいで、ルールを「卒業」させるのが一般的なのだとか。

最終的な目標は、子どもたちが「自分でコントロールできる力」を持つことです。『ルールを守らせること以上に、「なぜ必要なのか」を理解させることが、思春期のデジタル教育では最も大切だ』との考えが浸透しているようです。

2026年6月2日発行『世界の一流は「子ども」に何を教えているのか』

『世界の一流は「子ども」に何を教えているのか』

AIとグローバルの時代に「世界で通用する18歳」を育てるために、親や教師はどんなメッセージを子どもたちに伝えるべきか——。渡米33年、プリンストン在住の作家・ジャーナリストで教育者でもある冷泉彰彦氏が教育と子育ての「世界標準」について解説する一冊です。

現地で3人の子育てを経験。さらにプリンストン日本語学校高等部で、数多くの日本人・日系人の高校生を指導し、アメリカの名門大学に送り出してきた著者。自らの経験なども踏まえつつ、幼児期から思春期に至るまで、年齢に応じた子育ての道筋を具体的に示しています。

著者:冷泉彰彦

1959年東京生まれ。ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部ディレクター。

東京大学文学部卒業後、福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。コロンビア大学大学院修士(日本語教授法)。著書に『自動運転「戦場」ルポ : ウーバー、グーグル、日本勢 ── クルマの近未来』(朝日新書)、『「関係の空気」 「場の空気」』(講談社現代新書)など。

発行:クロスメディア・パブリッシング
発売:インプレス
2026年06月02日発行
ページ数:224ページ
定価:1,815円(本体1,650円+税10%)


(構成・記事:ママテナ編集部書籍チーム)

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