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父「祖母の入院費、貯金から出す」→「まだ使わない方がいい」と通帳を隠した叔母、通帳を隠していた理由に絶句

  • 2026.7.3

預けた通帳

金遣いの荒かった祖母のお金を、長女である叔母が管理することになった。家族で話し合って決めたことだった。

「通帳はうちで預かるから、心配しないで」

そう言った叔母を、誰も疑わなかった。しっかり者で通っていた人だったからだ。

数か月後、祖母が体調を崩して入院した。まとまった入院費が要る。父が電話で切り出した。

「祖母の入院費、貯金から出す」

ところが返ってきたのは、思いもよらない一言だった。

「まだ使わない方がいい」

理由を聞いても、叔母は同じ言葉を繰り返すばかりだった。

開いた瞬間

父は諦めなかった。何度も電話をかけ、そのたびに叔母ははぐらかした。

「いくらあるのか、通帳を持ってきてくれ」

「今度ね、今度」

いつまで経っても今度は来ない。電話のたびに逃げる叔母に、父の声も次第に険しくなっていった。しびれを切らした父が、叔母の家まで通帳を取りに行った。私も心配で付き添った。

玄関先で渋る叔母を押し切り、居間で通帳を開いた瞬間、父の手が止まった。残高が、記憶とはかけ離れて少ない。何度も引き出された記録が、ページいっぱいに並んでいた。

「これ、どういうことだ」

叔母の顔から血の気が引いた。言い訳を探すように口を開きかけ、そのまま閉じる。やがて絞り出した声は震えていた。

「……主人の商売が、うまくいってなくて」

叔父の借金の穴埋めに、祖母の貯金が消えていた。いつか返すつもりだった、と叔母は目を伏せた。

「いつか、っていつですか。祖母が入院してるのに」

私が問い返しても、叔母はうつむいたまま何も言えなかった。しっかり者で通っていた人の、崩れた横顔がそこにあった。

来なかった椅子

後日、私は叔父にも直接言った。とぼけさせないためだ。

「祖母の貯金、ずいぶん少なくなってましたね」

叔父は視線を合わせず、吐き捨てるように返した。

「わしは知らんぞ」

知らないはずがない。使ったのは叔父の商売なのだ。それでも彼は靴を履き、逃げるように帰っていった。追いかけて呼び止めても、振り返りもしなかった。

通帳はその後、母が預かることになった。残った分をかき集め、なんとか祖母の葬式代は工面できた。

叔母は電話口で何度も謝ったが、叔父からは一言もなかった。

そして葬式の日、叔父の姿はどこにもなかった。並んだ親族の椅子で、一つだけ空いたままの席があった。やはり後ろめたかったのだと、私は確信した。

「来られなかったんじゃない。来られなかったんですよ」

母が小さくそう言った。逃げ続けても、空いた椅子がすべてを語っていた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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