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「うちなんて全然練習してないから、本気出したら違うのよ」と言い訳するママ友。だが、息子が試合で勝ち続けると態度が一変

  • 2026.6.29

慕っていた先輩ママ

子どもが通う剣道道場に、うちの子より3つ年上の、とても上手な子がいた。

その子のお母さんは剣道に詳しく、面の付け方も試合の見方も丁寧に教えてくれる人だった。右も左も分からなかった私は、自然とその人を慕うようになっていた。

「打ち込みはね、足から入るのがコツなのよ」

稽古のあと、彼女はそう言ってうちの子の構えを直してくれた。頼れる先輩ママだと、私は心から思っていた。

変化が出てきたのは、うちの子が少しずつ試合で勝てるようになってからだった。

勝つたびに始まる言い訳

地区の練習試合で、うちの子があの上手な子と当たった。接戦の末、なんとうちの子が一本取って勝った。私は思わず手を叩いた。

ところが、試合場から戻ってきた彼女の顔つきが、それまでと違っていた。

「うちは最近練習出来てなかったから負けただけ」

明るい声を装ってはいたけれど、目は笑っていなかった。私が何か返す前に、彼女は続けた。

「最近うちの子、勉強が忙しくてね。剣道に身が入ってないのよ」

その日から、うちの子が勝つたびに、彼女の言い訳は必ず始まった。「怪我してたから」「体調が悪かったから」。負けを認める言葉は、一度も出てこなかった。

「うちなんて全然練習してないから、本気出したら違うのよ」

毎回そう予防線を張られるたび、私の中にもやもやが積もっていく。せっかく勝ったのに、まるで「たまたま」だと言われているようで、素直に喜べなかった。

結果だけが静かに語った

深入りすれば、こちらの気持ちがすり減るだけだ。そう考えた私は、道場でも一歩引いて、適度な距離を保つことにした。言い返しもしない。ただ、うちの子の稽古だけは、見守り続けた。

子どもは、私の心配をよそに伸びていった。次の試合も、その次の試合も、あの上手な子を相手に勝ち続けたのだ。三度目に勝った日、彼女は道場の隅で、ぽつりとこぼした。

「また勝ったの?」

声に、これまでの勢いはなかった。

「練習してないから」も「怪我してたから」も、もう続かない。三連勝という結果の前では、どんな言い訳も虚しく響くだけだった。彼女は言いかけた口をつぐみ、目を伏せた。

周りで見ていた他のお母さんたちが、うちの子に駆け寄ってきた。

「すごいね、また勝ったの。本当に強くなったね」

そのうなずきの輪に、彼女はもう入ってこなかった。少し離れた場所で、手だけを動かしている。

「ありがとうございます。本人が一番がんばってるので」

私はそれだけ返した。やり込めたわけでも、言い負かしたわけでもない。それでも、言葉ではなく結果が、すべてを静かに証明してくれた。

距離を置いたまま、私の胸のつかえは、いつのまにか消えていた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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