1. トップ
  2. K-POPアイドルから名バイプレーヤーへ!重厚なテーマに効く“抜け感”、『鉄槌教師』で光ったP.Oの存在感

K-POPアイドルから名バイプレーヤーへ!重厚なテーマに効く“抜け感”、『鉄槌教師』で光ったP.Oの存在感

  • 2026.6.28

教育現場の暴力や教権崩壊といった、韓国の教育現場が抱える問題を真正面から描くNetflixドラマ『鉄槌教師』で、主人公の教権保護局監督官ナ・ファジン(演者キム・ムヨル)と並んで視聴者の支持を集めている人物がいる。K-POPアイドルグループBlock B出身のP.Oことピョ・ジフンが演じる、教権保護局の事務官ポン・グンテだ。SNSには、「グンテが登場するとホッとする」という、その存在感を評価する声が多い。

教育現場の暴力、モンスターペアレント、オンラインカジノ問題など、現実社会の闇を映し出す『鉄槌教師』は、毎話のように怒りややるせなさ、緊張感が押し寄せる。現代の教育問題をモチーフにした社会派ドラマだ。毎回やり切れない事件が描かれる中で、視聴者の癒やしとなっているのがP.O演じるグンテである。

(写真=Netflix)

丸く小さな目がチャームポイントのグンテは、劇中でもその目をいじられる愛されキャラ。その童顔ぶりから、高校生に変装して潜入捜査を任されることも少なくない。制服姿も驚くほど自然で、P.Oの実年齢が33歳だと知ると驚かされる。重厚なテーマが続く本作の中で、彼の存在が物語に温かさとユーモアをもたらし、作品に心地よい“抜け感”を与えている。

興味深いのは、グンテが原作漫画には存在しないドラマオリジナルキャラクターだという点だ。制作陣は、重厚なテーマを映像化するうえで、作品に温度を与える人物が必要だと考えたのだろう。そしてその役を任されたのがP.Oだった。

(写真=Netflix)

グンテは普段はオドオドしていて頼りないITオタクなのだが、実はKAIST(韓国科学技術院)を2年で早期卒業した天才事務官で、教権保護局の頭脳として膨大なデータ分析を担う有能な人物だ。頭脳明晰でありながら親しみやすい。この絶妙なバランスが魅力でもある。

特に印象的だったのは第7話だ。拉致監禁現場でグンテを必死に探す同僚監督官のハンリム(演者チン・ギジュ)が「目は小さいけどキラキラしてる。オタクっぽいけど、よく見るとかわいいし、背も高くて賢そう」と表現するシーンがある。別の場所でその話を聞いていたグンテは、後になって、「僕の目は小さくない」と必死に反論する。シリアスな展開の合間にもかかわらず、思わず笑ってしまう名シーンだ。

一方で、ハンリムの暴走をいつもうまく受け止め、彼女に向かって「一生守ってあげます」と告げる場面では、多くの視聴者をときめかせた。恋愛なのか友情なのか、その曖昧な距離感もまた、この凸凹コンビの魅力になっている。

(写真提供=OSEN)

P.Oは2011年に7人組ヒップホップグループBlock Bのメンバーとしてデビューした。マンネながら、ステージでは低音ラップを武器に圧倒的な存在感を放つ。Block Bを象徴するヒット曲『HER』などのMVを見ると、オドオドしたグンテのキャラクターとのギャップに驚くはずだ。

バラエティ番組『新西遊記』や『驚きの土曜日』では愛されキャラとして活躍し、俳優としては『ボーイフレンド』(2018)、『ホテルデルーナ~月明かりの恋人~』(2019)、『ユミの細胞たち2』(2022)、『グッド・パートナー~離婚のお悩み解決します~』(2024)などに出演。俳優デビュー当初は演技への厳しい評価も少なくなかったが、それでも演技の経験を積みながら、少しずつ作品の幅を広げてきた。

有能なのに親しみやすい。
かわいいのに頼もしい。
笑わせるのに、ふと胸を打つ――
そんな相反する魅力を自然に共存させられる俳優は意外と少ない。近年の韓国ドラマ界では、そんな「愛される脇役」の価値がますます高まっている。『鉄槌教師』は、P.Oという俳優の強みを改めて証明した作品だった。

そして最近のインタビューでP.Oは、Block Bの活動について「いつか必ず再び集まる」と断言している。俳優ピョ・ジフンとしての活躍、そしてBlock BのP.Oとしてステージに立つ日――その両方を楽しみに待ちたい。

(文=田名部 知子/Xで気ままなソウルの日常を発信中:@t7joshi)

元記事で読む
の記事をもっとみる