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【W杯2026】同じ家族なのに別々の代表へ! 兄弟で異なる国を背負う4組の選手たち

  • 2026.6.27
Juan Manuel Serrano Arce / Getty Images

現在開催中のFIFAワールドカップ2026では、同じ家族に生まれながら、それぞれ異なる国の代表ユニフォームを選んだ兄弟が4組出場。スペインとガーナ、フランスとコートジボワールなど、ルーツや生い立ち、キャリアの選択が交差する背景には、現代サッカーならではの多様性が映し出されている。なぜ彼らは別々の国を選んだのか? 世界中のファンを魅了する、もうひとつのワールドカップの見どころをご紹介!

ゲラ・ドゥエ(コートジボワール)とデジレ・ドゥエ(フランス)

2025年10月、ストラスブール対パリ・サンジェルマンの試合でドリブルするゲラ(手前)と左から近づいているデジレ。 Xavier Laine / Getty Images

フランス北西部アンジェ生まれのゲラ&デジレ・ドゥエ兄弟。21歳の弟デジレ・ドゥエはフランス代表のウイングで、パリ・サンジェルマンに所属しUEFAチャンピオンズリーグ連覇を経験している。

一方、ストラスブールで右サイドバックとしてプレーする兄のゲラ・ドゥエ(23歳)は父のルーツであるコートジボワール代表。ゲラは2023年にコートジボワールU-23代表に招集され、翌年にはA代表入りを果たした。父の祖国を代表するという思い以外に、彼はこの決断について公に多くを語っていない。

ワールドカップ前のフランス対コートジボワールの親善試合後、肩を寄せ合うドゥエ兄弟(右)。 FRANCK FIFE / Getty Images

2人は現在、ともにリーグ・アン(フランス1部)でプレーしているため、このリストの兄弟の中では最も対戦機会が多い。彼らは同じスタッド・レンヌの下部組織でキャリアをスタートさせ、その後デジレが2024年に5,000万ユーロ(約81億円)規模の移籍金でパリ・サンジェルマンへ移籍した。

大会直前の親善試合でも兄弟は顔を合わせており、その試合ではゲラが先制点を決め、コートジボワールがフランスを2-1で下した。試合後、ゲラは記者の取材に答え、「試合前には少しからかい合いましたが結局は家族ですし、お互いにとても喜んでいます」と語っている。

イニャキ・ウィリアムズ(ガーナ)とニコ・ウィリアムズ(スペイン)

2025年8月、セビージャとのクラブ戦を前にウォーミングアップをするニコ(左)とイニャキ(右)。 Europa Press Sports / Getty Images

スペイン北部のバスク地方で生まれたイニャキ・ウィリアムズとニコ・ウィリアムズの兄弟は、ともにラ・リーガ(スペイン1部)のアスレティック・ビルバオに所属するプロサッカー選手だが、国際舞台では異なる代表チームのユニフォームを身にまとっている。兄のイニャキ・ウィリアムズ(32歳)は、父の祖国であるガーナ代表のフォワードとして出場。一方、弟のニコ・ウィリアムズ(23歳)はスペイン代表を選択した。

イニャキはスペインの世代別代表でプレーし、2016年にはA代表デビューも果たしていた。しかし、その後は継続的な招集に恵まれず、ガーナサッカー協会からのアプローチが転機に。2022年ワールドカップを前にガーナ代表入りを決断した。祖父にその思いを相談すると、「ガーナ代表のユニフォームを着る姿を見るのが夢だ」と言われ、その言葉が背中を押したという。

「両親に相談したら、とても喜んでくれました。そこは両親の祖国であり、愛されていると感じる場所で、家族もいる国だからです。この選択によって、自分のルーツや文化、両親が教えてくれたものに近づくことができました。自分が見ているもの、経験しているもの、そして彼らの国を代表していることを誇りに思っています。この決断をして本当に良かったと思います」

弟ニコは2024年の欧州選手権でスペインの優勝に大きく貢献。イングランドとの決勝ではマン・オブ・ザ・マッチにも選ばれている。

デリック・ルカッセン(ガーナ)とブライアン・ブロビー(オランダ)

ブライアンは3月に行われたノルウェーとの試合で、オランダ代表として出場。 DeFodi Images / Getty Images

24歳のブライアン・ブロビーはオランダ代表のストライカーで、イングランド・プレミアリーグのサンダーランドに所属している。

3月に行われたドイツとの親善試合でのデリック。 DeFodi Images / Getty Images

一方、異父兄のデリック・ルカッセン(30歳)は、キプロスのパフォスでプレーするセンターバックで、負傷者の代替としてガーナ代表に追加招集されたと報じられている。2人は母親が同じで父親が異なり、ともにアムステルダム生まれ。姓が違うため兄弟関係は見えにくいが、同じサッカー一家に育った。

デリックはユース時代はオランダ代表としてプレーしていたが、A代表ではガーナを選択。今年、オーストリア戦とドイツ戦に向けた親善試合のメンバーに招集された。父のルーツを持つ国を代表するという理由に加え、ガーナサッカー協会からスカウトがあったと伝えられている。

ジョン・サウター(スコットランド)とハリー・サウター(オーストラリア)

2023年にレスター・シティの一員としてアーセナルとの試合に出場したハリー・サウター。 NurPhoto / Getty Images

兄弟そろってスコットランドのアバディーンで生まれ、ダンディー・ユナイテッドの育成組織でサッカー選手としての基礎を築いたサウター兄弟。現在はそれぞれ異なる国の代表としてワールドカップの舞台に立っている。

兄のジョン・サウター(29歳)はスコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド1部)のレンジャーズでプレーし、スコットランド代表としても活躍。一方、弟のハリー・サウター(27歳)はEFLリーグ1(イングランド3部)のレスター・シティに所属し、オーストラリア代表のセンターバックとして出場する。

ジョンは6月にニュージャージー州で行われたワールドカップ前の対ボリビア戦でスコットランド代表として出場した。 Andrew Milligan - PA Images / Getty Images

ハリーがオーストラリア代表を選んだ背景には、スコットランド代表とのすれ違いがあった。年代別代表を含め、スコットランドから招集を受ける機会に恵まれなかった時期に、オーストラリア代表から声がかかったのだ。西オーストラリア州出身の母を持つハリーには、オーストラリア代表としてプレーする資格があった。2019年、ハリーは「サンデー・ポスト」紙の取材で、その経緯を次のように振り返っている。

「スコットランドから招集の声がかからなかった時期に、オーストラリアの関係者と会いました。『母国を見捨てた』と言われることもありましたが、実際にはどの年代別代表にも呼ばれていなかったんです。オーストラリアから『代表でプレーする気はあるか?』と聞かれ、『もちろん』と答えました。母や家族を誇らしい気持ちにできましたし、自分にとって正しい決断だったと思っています」

W杯史上唯一の“兄弟対決”

2014年6月21日、FIFAワールドカップ、グループGのドイツ対ガーナ戦に先立ち、ガーナ代表のケビン・プリンス(左)とドイツ代表のジェローム(右)の兄弟が抱き合う。 picture alliance / Getty Images

過去にワールドカップで兄弟同士が異なる代表として直接対戦した唯一の例が、異母兄弟であるジェローム・ボアテングとケビン=プリンス・ボアテングだ。兄のケビン=プリンスはガーナ代表、弟のジェロームはドイツ代表として出場。2人は2010年、2014年と2大会連続でピッチ上で相まみえた。

最初の対戦となった2010年大会のグループリーグでは、ドイツが1-0で勝利。一方、2014年大会での再戦は2-2の引き分けに終わった。兄弟でありながら、それぞれ異なる国の誇りを胸にワールドカップの舞台で激突したこの対戦は、今なお大会史を象徴する名シーンのひとつとして語り継がれている。

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