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「喪服くらいレンタルで借りといてよ」実母が亡くなったにも関わらず失礼な態度をとる兄→父の一喝に黙り込んだ瞬間

  • 2026.6.28

葬儀の最中にかかってきた電話

母が亡くなったのは、よく晴れた朝だった。

遠方に住む兄に連絡を入れ、私はすぐに葬儀の手配に追われた。

受付の名簿、親戚への連絡、弔問客へのお茶。やることは山のようにあって、息をつく暇もない。そんな最中に、兄から電話がかかってきた。

「悪いんだけど、喪服を一着、用意しといてくれないか」

「用意って、どういうこと」

「喪服くらいレンタルで借りといてよ」

私は一瞬、言葉が出なかった。実の母を送る席に、喪服をレンタルで済ませる。

それを妹に手配させようとする神経が、まるで理解できなかった。

「自分のことでしょう。自分で手配したら」

そう返すと、兄はしぶしぶ自分で電話をかけ始めた。それでも一段落するまで、何度も着信が鳴り続けた。

代金を払わず帰った兄

葬儀は、なんとか無事に終わった。兄も喪服を着て、神妙な顔で母を見送った。

ところが後日、思わぬことが分かった。兄は借りた喪服の代金を一円も払わず、そのまま自分の家へ帰っていたのだ。

レンタル店からの請求は、なぜか実家に回ってきていた。

「お兄ちゃん、レンタル代まだ払ってないみたいだよ」

「ああ、あれな。誰かが払っとくもんだと思ってた」

悪びれもしない口ぶりに、私は呆れて声も出ない。見かねた父が、自ら兄に電話をかけた。

「自分が着た喪服の代金くらい、自分で払いなさい」

静かだが、有無を言わせない声だった。長年、家族のためにこつこつ働いてきた父の言葉には、重みがあった。

父の一言で立場が変わった

電話の向こうの兄は、最初こそ何か言い返そうとしていた。

「いや、でも母さんの葬式なんだし」

「母さんの葬式だからこそ、けじめはつけるものだ」

父がぴしゃりと言い切ると、兄は黙り込んだ。言い訳の続きは、もう出てこなかった。

電話口の声が、だんだん小さくなっていくのが分かった。

「……分かったよ。送るから」

最後はそう絞り出すように言って、兄は電話を切ったらしい。

数日後、兄から現金書留が届いた。中には、ふてくされたような一筆が添えてあった。

「払えと言われるとは」

それでも、代金はきっちり入っていた。父はその紙を見て、ふっと息を吐いただけだった。

「これでいい。あいつも少しは分かっただろう」

あれだけ人任せだった兄が、自分の払うべきものを自分で払った。たったそれだけのことが、母を見送った私たちには、何より大事なけじめに思えた。次の法事で顔を合わせたとき、兄は前より少しだけ、私たちと目を合わせなくなっていた。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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