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乗客「何もしてくれなかった」送迎バスで乗客が“座席を濡らす”トラブル…!運転手の対応へのクレームに「悔しさを覚えた」

  • 2026.7.14
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

今回は、15年ほど前に乗務した高級老人ホームの送迎バスで起きた夏ならではの珍トラブルを紹介します。老人ホーム利用者が起こしたまさかのできごとに、真摯に対応した結果、クレームになってしまったお話です。

送迎バスを利用する方に気持ちよく乗車して欲しいと思った行動の結果、苦情が出たことに、少し理不尽に感じた経験でした。

熱中症対策のアイテム、使い方を知らなかった乗客は・・・

高級老人ホームの送迎バスの運行では、多くの乗客が高齢者のため、乗務の際は常に緊張感を持っていました。

特に、夏は車内の温度にも注意しながら、運行しなければなりません。また、老人ホームでは熱中症対策として、様々なアイテム貸し出しもされていたほどです。

私が乗務した日は、手元で使える保冷剤が配布されていました。叩くと冷える使い捨てタイプの保冷剤でしたが、問題は使い方です。

乗車している高齢者の多くが、使い方を知らなかったようでした。

そんなとき、乗客の1人が何を思ったのか、保冷剤の袋を切ってしまいました。その行動を見ていた複数の乗客も、同じように叩くタイプの保冷剤の袋を切ってしまったようです。

今になって思い返すと、どうやって袋を切ったのか・・・筆者の母親も、「なぜそんなもの持っているの?」と思うほど、カバンにはいろいろな物が入っていますが、当時の乗客も同様だったのかなと不思議な気持ちが広がります。

液が漏れてビショビショになった座席に緊急対応

「運転手さん、ちょっとタオルないかしら?」

服や座席に保冷剤の液がこぼれ、困った乗客の1人が大きめの声で私に呼びかけてきました。

当時の私は、エアブレーキによる車体への振動に注意しつつ、安全運転に集中していました。乗客の声を聞き、何かあったのかと思った私は路肩にバスを止め、乗客のもとへ向かいました。

すると、数人の乗客は服が濡れており、座席にも冷却材が染みついているようでした。私は、慌ててバスの掃除用に置いていたモップで、通路や座席付近を拭きました。

日中の運行だったこともあり、多数の利用者が乗車しています。そのため、空席は見当たりません。しかし、座席が濡れているからといって、高齢者を立たせたまま運行を開始するのは危険です。

迷った私は、苦肉の策で洗車や掃除用に準備していたゴミ袋を出し、座席にかぶせて座っていただくことにしました。

思わぬクレームに困惑

しかし、乗客の服が濡れないようにと機転を利かせたつもりの行動が、クレームに繋がる結果となりました。

「服が濡れたのに何もしてくれなかった」
「バスに乗ったら座席にゴミ袋をかぶせていた」

運行を終え、老人ホームに戻ったときにスタッフの方からクレーム内容を聞いた私は青天霹靂です。

事情を知らない状態ではそう見えてしまうのも無理はないと頭では理解しつつも、自分の責任にされてしまったことには、悔しさを覚えました。

乗客の行動で座席が濡れてしまったため、高齢者が立ったまま乗車すると転倒リスクが高いため袋を被せたのです。

それを全て私の責任にされていることには、違和感を覚えました。

私はスタッフの方に、車内であったことを伝えました。たった15年前の出来事ですが、今のように車内向けのドライブレコーダーは、そこまで普及していませんでした。

だからこそ正確に、かつ丁寧に説明することも、運転士の業務だったのです。

理解ある人たちの勇気に助けられた

私が説明していると、車内で状況を見ていた乗客の方々が来て、私と同じように状況を説明してくれました。

運転士の私だけでなく、他の方の証言があるのは強い味方です。しかし、目立ちたくないと思う人が多い一方で、こうして勇気を出して情報提供してくださった方達には、感謝しかありませんでした。

老人ホームも、その時のクレームには私に一切お咎めをすることなく、クレームには状況を伝えたうえで、私の援護もしてくれました。

私はこの時、「少しの勇気が誰かを救えることもある」と身を持って経験できた良いトラブルだったと思っています。

そして今も忘れることなく、「他人のフリ」をせず必要なときには勇気を出して声を出していこうと毎日を過ごしています。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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