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届いた映画チケットが一枚だけ。「これ、一枚だけ?」と送るまで、私は悪い想像をしていた

  • 2026.6.23
ハウコレ

彼から届いたのは、映画の電子チケットがひとつだけ。誰かと行くつもりなのか、それとも私に一人で行けということなのか。返事を待つあいだ、頭の中ではいくつもの想像がふくらんでいきました。

一名分だけのチケット

彼とは付き合って二年ほどになります。連絡はこまめなほうではなく、用件だけをぽんと送ってくることが多い人でした。

その日も、添えられていたのは「これ、とっておいて」というひとことと、映画の電子チケットだけ。リンクを開くと、チケットは座席番号がひとつ。どう見ても一名分でした。

私が前から観たいと話していた作品で、彼が覚えていてくれたのは嬉しい。でも、なぜ一枚なのか。送り先が私ということは、私に行けということなのか。それとも、自分のぶんを間違えて送ってきたのか。考えるほど、わからなくなっていきました。

ふくらんでいく想像

画面を見つめたまま、私はいくつもの場面を思い浮かべていました。彼が誰か別の人と行く約束をしていて、自分のチケットだけ手元に残すつもりが、間違えて私に送ったのではないか。

あるいは、私を誘うのが面倒で、一人で観てきていいよという意味なのか。普段から、彼は説明をしない人です。理由を言わずに行動だけが先にくる。そのたびに、私は勝手にあれこれ想像して、勝手に落ち込んできました。

今回もまた、同じことをしている自分がいました。聞けばいいだけなのに、聞いて嫌な答えが返ってくるのが怖くて、入力欄にカーソルだけが点滅していました。

ためらいの末に送ったひとこと

どれくらいそうしていたでしょうか。このまま黙っていても、悪い想像がふくらむだけだとわかっていました。私は思いきって、短く打ちました。

「これ、一枚だけ?」

送信してから、また落ち着かない時間が続きました。返事はなかなか来ません。やっぱり聞かないほうがよかったのかもしれない。そう思いはじめたころ、ようやく画面が光りました。彼からの返信と、もう一枚の電子チケット。二つの座席番号は、隣り合っていたのです。

そして...

「ごめん、もう一枚送れてなかった」

彼からのメッセージは、それだけでした。二枚のチケットは、私と彼が並んで座るためのものでした。一人で抱えていた不安は、ただの送信ミスから生まれた勘違いだったのです。

ほっとしたあとに残ったのは、また同じことをしてしまったという思いでした。彼に悪気がないことは、もうわかっています。それでも、ひとこと足りないだけで、私はこんなにも遠回りをしてしまう。

次に同じように一枚だけ届いたら、今度はすぐに聞いてみよう。そう決めて、私は二枚のチケットを並べて保存しました。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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