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「これ、わたしが編んだの」祖母にプレゼントしたマフラー。8年後、祖母が渡してきた紙袋の中身に絶句

  • 2026.6.23
「これ、わたしが編んだの」祖母にプレゼントしたマフラー。8年後、祖母が渡してきた紙袋の中身に絶句

震える手で編んだマフラー

小学生の冬、私は初めて編み棒を握った。

針の先が何度も滑って、毛糸はあちこちで結び目になった。

それでも大好きな祖母の首に巻いてほしくて、放課後の机に何時間もかじりついた。

毛糸はくすんだ茶色。何度もほどいては編み直したせいで、所々がよれていた。

手のひらにできたまめがじんじん痛んだけれど、完成したマフラーを両手で握りしめると、指先に少しだけ自慢の重みがあった。

正月、私はそれを祖母の家に持っていった。緊張で手のひらが汗ばんでいたのを、今でも覚えている。

畳の部屋に座る祖母の前に、私はおずおずと両手を差し出した。

「おばあちゃん、これ、わたしが編んだの」

祖母はマフラーを受け取って、目を細めた。よれた毛糸をなでる手つきが、とても優しく見えた。

「ありがとう、大事にするね」

そのひと言で、私は誇らしい気持ちになった。きっと毎年これを巻いてくれる。寒い朝にこのマフラーを首に巻く祖母を想像して、私は何度も胸を高鳴らせた。そう信じて疑わなかった。

数年後、渡された荷物の底に

8年後、私は高校生になっていた。祖母の家を片づける用事があって、久しぶりに玄関をくぐった。線香の匂いと、昔と変わらない畳の感触が懐かしかった。

用事を終えて帰ろうとしたとき、祖母が古びた紙袋をひとつ、足元に押し出してきた。

「あんたの荷物だから持っていき」

身に覚えがなかった。首をかしげながら箱を開けると、古い雑誌や色あせた小物に混じって、見覚えのある茶色がちらりと覗いていた。

指でつまんで引き出した瞬間、息が止まった。あちこちがよれた、不格好なマフラー。

私が震える手で何時間もかけて編んだ、あのマフラーだった。

「……これ、わたしがあげたやつだよね」

声がうわずった。祖母は何でもないことのように、台所のほうへ歩いていった。

「そうだっけ。邪魔だから持って帰って」

その横顔には、罪悪感のかけらもなかった。捨てるのも悪いから孫に押し付ける、ただそれだけ。喜んでくれていたと思っていた数年間が、音もなく崩れていく気がした。

あのとき祖母がなでた毛糸の手つきも、目を細めた笑顔も、全部が遠い作りごとに見えた。いつから引き出しの奥にしまわれていたのか。一度でも首に巻いてくれたことがあったのか。

悪気がないからこそ、背筋がすうっと冷たくなった。あの「ありがとう」は、いったい何だったのだろう。冷たい箱を抱えて家路をたどる間、指先がずっと冷たいままだった。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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