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「正直、来ないでほしい」結婚直後から20年の週末婚。定年を迎える夫に『絶対に言えない』妻の本音

  • 2026.6.21

筆者の知人C子は、単身赴任の夫と週末だけ顔を合わせる生活が20年近く続いています。最初は寂しさもありました。でもいつの間にか、平日の静けさが心地よくなっていました。定年が近づき、夫が「帰ったらあれもしたい」と話すたび、笑顔で相槌を打ちながら心の中では全く別のことを考えています。「来ないで」とは言えない、でも正直に言えば、それに近い——そんな本音を抱えたC子の話です。

画像: 「正直、来ないでほしい」結婚直後から20年の週末婚。定年を迎える夫に『絶対に言えない』妻の本音

別々に暮らすことを家族で決めた日

夫が単身赴任を繰り返すようになったのは、結婚してすぐのことでした。転勤のたびについていくのが当然だと思っていた私も、子どもたちが中学に上がるタイミングで、家族全員で話し合いの場を設けました。

「お母さんはどうしたい?」と聞いてきた夫に、私は正直に答えました。
「子どもたちの学校のこともあるし、ここに残ろうと思う」

夫は少し寂しそうな顔をしましたが、「そうだな」とうなずきました。
子どもたちも、それぞれに自分の意見を言いました。家族会議というほど大げさではありませんが、みんなで出した結論でした。

その日から、夫と私の週末婚が始まりました。

「ちょうどいい距離」に気づいたのは

最初の数年は、寂しさもありました。
平日ひとりで子どもたちの送り迎えをこなし、夫が帰ってくる金曜の夜だけ、少し家が賑やかに。それが週に一度のリズムになりました。

気づけば、平日の静けさが心地よくなっていました。

自分のペースで家事をして、見たいテレビを好きな時間に見て、子ども達が外食してくると言えば、友人と夕食に出かけることもあります。
「おかえり」と言う相手が週に一度だからこそ、その言葉に気持ちが込められる気がしました。
四六時中一緒にいたら、果たして同じように言えるだろうか——そんなことを、ふと考えるようになったのはいつ頃だったでしょう。

定年が近づくにつれ、夫の話題が変わってきた

末の子が独立し、家には私ひとりになりました。
それでも生活のリズムは変わりませんでした。
むしろ、自分だけの時間が増えて、気楽さが増したくらいです。

夫はあと数年で定年を迎えます。
最近、週末に帰ってくるたびに「定年したら一緒に旅行しようか」「家庭菜園でもやってみたいな」と話すようになりました。私は笑顔で「いいね」と相槌を打ちます。

でも心の中では、全く別のことを考えています。

毎日ここにいるの? 朝も昼も夜も?

「来ないで」とは言えない

罪悪感はあります。20年間、文句ひとつ言わずに働いて、生活費を送り続けてくれた夫。
子どもたちの行事には、新幹線で駆けつけてくれました。悪い人では、まったくありません。

ただ、正直に言えばこういうことです。

週一の「おかえり」が、ちょうどいい。

「ずっと一緒にいたい」という気持ちが、今の私にはありません。
それは夫への愛情が冷めたのではなく、20年かけて完成した「自分のペース」があるからだと思っています。でもそれを夫に言える日は、たぶん来ません。

定年まであと少し。私は今日も、心の準備ができないまま「おかえり」と言う練習をしています。

【体験者:50代・女性・主婦、回答時期:2026年5月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。

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