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【巣鴨・中洞】じんわり辛くて食べるほどクセになる、コシなしやわ麺。「肉そぼろ和え麺」のつくり方②(仕上げ編)

  • 2026.6.17

暑いからこそ、パンチの利いたものが食べたくなる! 発売中の「dancyu」夏号では、旨くて辛くて香りがよくて、思わずお腹が鳴るような肉たっぷりの中華を特集しています。今回はその中から、「四川家庭料理 中洞」の看板料理・肉そぼろ和え麺をご紹介します。

【巣鴨・中洞】じんわり辛くて食べるほどクセになる、コシなしやわ麺。「肉そぼろ和え麺」のつくり方②(仕上げ編)

■四川・成都のストリートフード!

四川料理の麺とくれば、日本で真っ先に名前が挙がるのが担担麺だ。ところが本場・四川省成都市では、今や意外と見つけるのが難しい。むしろ、街のあちこちで見かけるのは素椒麺(スージャオメン)。辣油、花椒油、焙煎唐辛子などを合わせたキレのあるたれで、白いストレート麺を和え、わしわしとかき込むのが彼の地の日常だ。

そんな成都の市井の美味を、店主・中洞新司さんの感性で仕立てた「中洞」の“肉そぼろ和え麺”は、開業以来の看板料理。具は潔く、粗挽きの豚肉とゆで野菜のみ。箸で麺をたぐり寄せるたび、ぷんぷんと放たれる麻辣の香りを浴びて、気づけばぺろり。食べ終わるや否や、さらに一杯いけそうな気分になるから困る。

「麺は主役であり脇役」という中洞さんの言葉通り、麺を食べているのに麺の存在を忘れそうになるのは、無かん水のクセのない麺、自家製の香味油、調味料のバランスがなせる業だ。

ポイントは麻と辣の二つの油。花椒はコクと痺れのある赤、柑橘香のある青を合わせ、粗挽きにした直後に油に香りを移す。唐辛子は色、香り、甘味、コクが引き出されるよう、3種類をブレンドしてから油を投入。鮮烈な香りを保つため、「花椒は遮光袋に入れて、冷凍保存が鉄則」で、唐辛子は鮮度のいいうちに使い切る。

さらに味の土台を支えるのが、醤油、黒酢、ねぎ、にんにくなど、身近な調味料で描く「中華の味」。肉そぼろはしっとりと仕上げ、麺となじむ食感にするのが中洞流。「粗挽きなら食べごたえが出て、細挽きなら麺とよくからみます」。

こうして出来上がったたれと麺とを混ぜて混ぜて混ぜまくり、丼の中で渾然一体となったてらてらの麺を見た瞬間、理屈抜きで腹が減る。そして、一心不乱に食べ終えて、軽く汗ばんでから気づくのだ。コク、程よい辛さ、混ぜるほど立ち上る香り、飽きのこない美味しさ。「中洞の四箇条」は、まさにこの一杯のことじゃないか、って。

□肉そぼろ


◇材料 (つくりやすい分量)

豚挽き肉:300g(*)
醤油:大さじ1
中国たまり醤油:大さじ1/2(老抽)


*店では6.5mmの粗挽き肉を使用。肉粒がしっかりとして食べごたえが出る。一般的な挽き肉だと麺とのからみがよりよくなる。

(1)豚肉を炒める
鍋を熱し、ごく強火で豚挽き肉を焦がさないよう炒める。

豚肉を炒める
豚肉を炒める

(2)調味する
豚挽き肉からしみ出た濁った油が透き通ってきたら、醤油と中国たまり醤油を加えて調味する。肉に臭みを感じる場合は紹興酒大さじ1/2(分量外)を加えるとよい。

調味する
調味する

(3)仕上げ
全体に色が回り、豚臭さが消えたら完成。

仕上げ
仕上げ

□肉そぼろ和え麺


◇材料 (1人分)

★ 和え麺だれ:(つくりやすい分量 ※1人分は20gを使用する)
A :
├ 醤油:100g
├ 中国黒酢:20g
├ 中国たまり醤油:20g(老抽)
├ 砂糖:大さじ1
├ 花椒油:10g(下記参照)
└ 焙煎唐辛子粉:小さじ1(煎った唐辛子を粉末にしたもの)
麺:140g(*)
B :
├ 辣油:大さじ1強(下記参照)
├ 辣油の沈殿物:小さじ1/3(下記参照)
├ スープ:大さじ1(水でも可)
├ 芝麻醤:4滴
├ 長ねぎ:小さじ1強(みじん切り)
├ にんにく:ひとつまみ(叩いてからみじん切り)
├ 生姜:ひとつまみ(叩いてからみじん切り)
└ 芽菜:小さじ1/2(ヤーツァイ)
肉そぼろ:大さじ2(上記参照)
キャベツ:適量(チンゲン菜でも可)


*店では、無かん水の特注麺を使用しているが、素麺や冷や麦を使ってもよい。

(1)和え麺だれをつくる
Aを上から順に混ぜ合わせる。

和え麺だれをつくる
和え麺だれをつくる

(2)調味料を混ぜ合わせる。
器に①20gとBを入れて、混ぜ合わせる。

(3)野菜と麺をゆでる
キャベツはさっとゆで、水気をきる。麺をゆでて②の器に盛り、肉そぼろとキャベツをのせれば完成。麺にたれがからむように、熱いうちによく混ぜるのがポイント。

完成
完成

――教える人

「中洞新司 「四川家庭料理 中洞」店主」

調理師学校卒業以来、中華一筋。各店で修業を積み、四川省成都市へ渡航。語学留学を兼ね、本場の味を体に叩き込んだ。帰国後は神楽坂「芝蘭」料理長を経て、自身の店を開いた。



◇店舗情報

「四川家庭料理 中洞」
【住所】東京都文京区千石4‐43‐5
【電話番号】03‐5981‐9494
【営業時間】11:30~13:30(L.O.)、17:30~20:30(L.O.)
【定休日】月曜、火曜(祝日の場合は営業、翌平日休み)
【アクセス】JR・都営地下鉄「巣鴨駅」より7分


文:佐藤貴子 撮影:安彦幸恵

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