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ある朝、奥歯にピリピリとした痛み→50代男性「虫歯かもしれない」歯科医を受診するが…医師から指摘された“思わぬ原因”

  • 2026.7.11
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。歯科医師の鷹巣多紀です。

奥歯がズキズキすると、「虫歯が進んだのかも」と心配になります。片側だけに痛みが出ると、なおさらその場所の歯が悪いように感じます。

ただ、歯の痛みのように感じていても、数日後に皮膚の変化が出て、別の病気が関係していたと分かることがあります。

今回は、奥歯のズキズキした痛みから、思いもよらない「帯状疱疹」の診断につながった50代男性の事例を見ていきましょう。

 Aさんに起きたこと

Aさんは50代の男性です。ある朝、右上の奥歯のあたりにピリピリした痛みを感じました。

冷たい水がしみるわけではありません。噛んだ瞬間に強く響く感じでもなく、頬の奥から歯茎にかけて、皮膚の内側がひりつくような痛みでした。

Aさんは「虫歯かもしれない」と思い、手元にあった痛み止めで様子を見ることにしました。仕事中は気が紛れるものの、夜になると同じ側の頬まで痛みます。

2日後、歯医者を受診しました。虫歯、歯周病、噛み合わせ、上の奥歯の根の状態を確認しましたが、痛みを説明できる歯の原因ははっきりしません。

診察の中で、顔の皮膚に赤みがないか、同じ側だけピリピリしないかも確認されました。その時点では見た目の変化はありませんでしたが、翌日、右の頬に赤い発疹と小さな水ぶくれが出てきたのです。

Aさんは皮膚科を受診し、帯状疱疹との診断を受けました。「歯の痛み」と思っていたものが、皮膚の変化とつながっていたのです。

 帯状疱疹は痛みが先に出ることがある

帯状疱疹は、体の片側だけの神経に沿って、ピリピリした痛みや違和感が出たあとに赤い発疹や水ぶくれが現れる病気です。この症状は、顔や口の周りに出ることもあります。

特徴的なのは、皮膚に見た目の変化が出る前に、痛みやしびれるような違和感だけが数日から1週間ほど先行して続く点です。そのため、最初は「原因のわからない歯の痛み」として感じられることがあります。

ただし、痛みがあるからといって、すぐに帯状疱疹と決めつけることはできません。片側の奥歯の痛みには、虫歯や歯周病のほかにも、歯のひび、顎の関節のトラブル、神経痛、副鼻腔の炎症など、さまざまな原因が考えられます。

まずは歯科医院で歯や口の中に原因がないかをしっかり調べてもらいつつ、顔の皮膚や感覚にも変化がないか、合わせて観察していくことが大切です。

歯医者で「虫歯がない」と言われたら?

歯医者を受診して「虫歯や歯周病ではない」と言われたのに、片側の痛みが続く場合は、顔や口の周りの変化がないかをよく観察してみてください。

もし、「同じ側だけピリピリする」「触ると痛い」「赤いポツポツや水ぶくれが出てきた」といった変化がある場合は、できるだけ早く皮膚科や内科を受診しましょう。

特に、目の周りに症状が出た場合は、早めの受診がとても重要です。また、皮膚に赤みや発疹が現れたら、「いつから」「どこの場所に」「どう広がったか」をスマホのカメラで撮影して記録しておくと、医師へ状況を説明しやすくなります。

歯科医院を受診する際も、痛む場所(左右どちらか)や始まった時期、発疹の有無、痛み止めを飲んだかどうかなどを伝えると、原因究明の大きなヒントになります。

片側の奥歯痛は皮膚の変化も見る

片側の奥歯が痛むと、どうしても虫歯や歯周病を疑ってしまいますが、実は帯状疱疹の「初期症状」として現れることもあります。ただし、痛みが出ている段階だけでは、何が原因かを自分で見極めるのはとても難しいものです。

もし歯医者を受診して「歯に異常はない」と言われたら、顔の同じ側にピリピリとした違和感や、赤み、水ぶくれが出てこないか気にかけてみてください。受診の際、「実はこんな皮膚の変化もあって」とあわせて相談することで、次にどの診療科に行けばいいのか、正しい判断に早くたどり着きやすくなりますよ。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw・X: https://x.com/kikimama0405

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