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医師「無意識にやってしまっている」→実は『がん』を発症させる原因に…注意すべき「4つのNG生活習慣」とは?

  • 2026.7.11
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

日本人の死因トップであり、多くの人が恐れる「がん」。

「健康的な生活を心がけているはずなのに、なぜ発症するのか」と疑問を抱くケースは少なくありません。

その背景には、私たちの「生活習慣」や「ストレス」が密接に関わっています。日常の些細な乱れが、本来体に備わっている防衛機能を低下させている可能性があるのです。

本記事では、全身の管理に精通した麻酔科専門医であり、睡眠コンサルタントでもある松岡雄治氏の解説のもと、がん細胞が体内に定着するメカニズムや現代人が陥りがちなNG行動を紐解きます。後半では、無理なく取り入れられる「がんを遠ざける4つの習慣」もご紹介します。

毎日数千個のがん細胞が生まれている? がんが定着するしくみ

---食事や睡眠に気をつけていても、がんに罹患してしまうケースがあります。そもそも、私たちの体の中でなぜがん細胞ができ、定着してしまうのでしょうか?

松岡雄治さん:

「食事や睡眠のほかに、無意識にやってしまっている「喫煙」「過量な飲酒」「内臓脂肪の蓄積」、ピロリ菌などの「感染の放置」が原因として挙げられます。

特定の生活習慣やウイルスを放置したり、体内で慢性的な炎症が起こっていたりすると、細胞の設計図(DNA)が傷ついてしまいます。細胞がこれを修復する過程で、増殖に関する設計図が書き換えられて、コントロールがきかなくなった細胞ががん細胞です。

実は、健康な人の体の中でも毎日数千個のがん細胞が生まれています。しかし、通常は免疫細胞がパトロールし、これらを見つけて排除し、私たちをがんから守ってくれているのです。

【がん細胞が定着するしくみ】
・タバコやアルコールといった有害物質、ウイルスの放置により、細胞が長期間ダメージを受ける
・細胞がダメージを修復する際、遺伝子の「コピーミス(がん細胞)」が生まれる
・さらに内臓脂肪から炎症物質が出ることで、免疫細胞がその対応に振り回される
・疲弊した免疫細胞は、がん細胞の増殖を見逃してしまう

国立がん研究センターの予防ガイドラインでも、喫煙や肥満、感染症の対策が重要とされています。まずは、これらの習慣が免疫システムの妨げになっていることを知っておいてください。」

睡眠不足とストレスが「免疫のブレーキ」になる理由

---現代人は常にストレスや睡眠不足に悩まされています。「ストレスががんを育てる」と耳にすることもありますが、これは本当なのでしょうか?

松岡雄治さん:

「睡眠不足や過度なストレスは、ホルモンを介して免疫システムを鈍らせてしまうおそれがあります。

ストレスを感じると、これに負けまいと、腎臓の副腎からストレスホルモン(コルチゾール)が大量に分泌されます。このコルチゾールは、ストレスで体がパニックになり、過剰な「炎症」が起きるのを防ぐ(鎮静化する)ために出るホルモンです。

しかし、炎症を抑え込むということは、すなわち免疫の働きにブレーキをかけることなのです。

【ストレスががんを育てるメカニズム】
・睡眠不足や精神的ストレスが長期間続く
・体が緊急事態だと錯覚し、過剰な炎症を抑えるためにコルチゾールを分泌する
・免疫が妨げられて、がんを攻撃する「NK細胞」の働きが鈍る

また、ストレスを発散するため、お酒や喫煙、刺激物や不摂生な食事などのNG行動に走ってしまうケースもあります。

現代社会において、ストレスをゼロにすることは不可能かもしれませんが、ストレス発散は運動で行うなど発散の方法も考えてみるとストレスを減らしつつ、健康増進効果が期待できます。また、忙しい毎日でも睡眠時間を削ることは先の人生を見据えてできる限り避けましょう。

睡眠中は副交感神経が優位になり、免疫細胞が活発にがん細胞を退治する「修復の時間」です。睡眠不足を放置することは、自ら免疫を低下させていることに他ならないのです。」

完璧を目指さない! がんを遠ざける「4つの習慣」

---がんを防ぐために、私たちはどのような対策を心がければよいのでしょうか? 明日から実践できる具体的なアクションを教えてください。

松岡雄治さん:

「がんを遠ざけるための次の4つの習慣をぜひ実践しましょう。

「がんに関連する感染症の検査」「日々の食事温度と塩分の見直し」「適正体重の維持」「お酒とタバコを控える」ことです。
しかし、まず心に留めていただきたいことは、がん予防において、最初から完璧な生活を目指す必要はないということです。
強いストレスを感じずに習慣化できることから始めるのが改善の秘訣です。

・感染症検査
健康診断などの機会に、胃がんの原因となる「ピロリ菌」や、肝臓がんの原因となる「肝炎ウイルス」の検査を必ず受けてください。厚生労働省も「一生に一度は肝炎検査・ピロリ検査を」と推奨しています。陰性であればその後の検査は基本的に不要です。陽性の場合は医療機関で除菌や治療を行いましょう。
※子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)については、定期的ながん検診が望ましいです。

・食事の温度と塩分の調整
熱すぎる飲み物や汁物は、食道や口の粘膜を直接やけどさせ、がん化を促します。少し冷ましてから飲む習慣をつけてください。胃がんリスクを上げる塩辛い食品も控えます。

・BMIの把握と「+10」の運動
【BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)】
上記の式から自身のBMIを計算し、数値を「21〜25(男性は27まで)」を目安にコントロールします。食事を整えつつ、通勤で一駅分歩くなど普段より毎日「10分間だけ」多く体を動かし、内臓脂肪を燃やします。

・お酒とタバコを控える
お酒は「1日1合(ビール中ジョッキ1杯)」までを目安にしましょう。お酒のリスクだけでなくカロリー摂取も抑えられ、寝酒を控えることで睡眠の質の向上も期待できます。喫煙習慣のある方は完全な禁煙を考えましょう。自力での達成は意思が強くても難しいことが知られています。挫折する前にぜひ「禁煙外来」を受診してください。

すべてを一度に実践するのは大変なことです。できそうだと思ったことから順に、体が喜ぶ習慣をぜひ今日から始めてみましょう。」

「できることから少しずつ」が未来の自分を守る鍵

がんを防ぐためには、なによりも私たちの体を守る「免疫細胞」に、本来の力を十分に発揮してもらうことが重要だとわかりました。

忙しい毎日の中で、つい睡眠を削ったり、ストレスを理由に不摂生な行動に走ったりしてしまいがちです。しかし、それが自分の免疫機能にブレーキをかけていると知れば、日々の選択も少しずつ変わってくるはずです。

松岡さんが教えてくれたように、最初から完璧を目指す必要はありません。「少し冷ましたお茶を飲む」「一駅分多く歩く」など、無理なく続けられることから順に取り入れ、体が喜ぶ習慣を今日から始めてみませんか。


監修者:松岡雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。

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