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退職金1,000万のうち“240万”を新NISAへ→「必要になったら売ればいい」と思いきや…数ヶ月後、60代男性を襲った“想定外の事態”

  • 2026.7.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、退職金の一部を新NISAで運用した60代Aさんの体験談です。急な出費があり、投資していた240万円分のうち200万円を売却したところ、売った分の非課税枠が戻るのは翌年と知り、その年のうちに非課税で買い直せなかった経緯をご紹介します。

「NISAなら、いつでも売って買い直せる」と思っていた

Aさんは60代の男性。定年で受け取った退職金1,000万円のうち、240万円を新NISAの成長投資枠を使い投資信託の購入にあてました。

預金だけではなかなか増えない時代に、「使う予定のないお金は運用に回そう」と考えたのです。

新NISAは、投資で得た利益に税金がかからない制度です。Aさんは「必要になったら売って、また買い直せばいい」と気軽に考えていたといいます。

急な出費で200万円を売却

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

その年の途中、自宅の修繕で急な出費が必要になり、Aさんは投資信託のうち200万円分を売却しました。出費が落ち着いたら、また同じようにNISAで買い直すつもりでした。

ところが、NISAは、売った分の非課税の枠がその場で戻るわけではありません。売却した分の枠が使えるようになるのは翌年から。その年の投資の枠(成長投資枠は年240万円)は、すでに使い切っていました。Aさんは金融機関に問い合わせて、初めてこの仕組みを知ったといいます。

「売ればすぐ枠が空くと思っていました」

AさんはNISAのことを深く理解せず投資していたのです。

その年は、課税される口座で買うしかなかった

Aさんはその年のうちに買い直したかったものの、非課税で使える枠が残っていませんでした。結局、買い直した分は通常の課税される口座で持つことになり、そこで出た利益には20.315%の税金がかかります。

たとえば、課税される口座で買い直した200万円が1割値上がりして20万円の利益が出ると、税金はおよそ4万円。NISAの枠の中であれば、この税金はかかりませんでした。一度売却したことで、その年は非課税枠を再び利用できず、思わぬ税負担につながったのです。

売り買いのタイミングは、枠の仕組みを踏まえて

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

新NISAは、売った分の非課税枠が翌年に復活し、生涯で1,800万円まで使えます。売却した場合の枠の復活はあくまで翌年から。近いうちに使う予定のあるお金は、NISAとは別に現金で確保しておくと安心です。

今回のAさんの例で言えば、200万円の修繕費を投資信託を売却して用意するのではなく、預金として預けていた残りの退職金から支払えば、非課税のメリットを受け続けることができました。

退職金を受け取ったら、一部を投資に回して運用する方が増えています。インフレが続く中で投資を利用することは悪いことではありません。大切なのは、NISAの制度や投資商品の内容を知ることと、ライフプランを立てて、余剰資金で投資を始めることです。

「当面使わないお金かどうか」を見極めておくことが、NISAの非課税メリットを十分に活かすポイントです。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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