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「人としてありえない!」妻が出産後、パチンコ屋の匂いがする夫。だが、問い詰めると夫の態度が一変

  • 2026.6.16

来なかった人

出産の翌日、病室のドアはいつまでも開かなかった。

生まれたばかりの娘を抱いて、私は一人で天井を見ていた。

昼前に夫から電話が来た。

少し申し訳なさそうな、それでいてどこか軽い声だった。

「急に仕事になったんだよ、ごめんな」

その言葉に、指先がすっと冷えた。

夫の会社は、休日に急な呼び出しなどありえない職場だ。

八年付き合って、一度もそんな話は聞いたことがなかった。

「そう。わかった」

声を荒らげはしなかった。

産後の体は、怒る力すら惜しかった。

夕方に開いたドア

夕方遅く、また電話が鳴った。

「今、仕事終わったから。これからそっち向かうな」

しばらくして、病室のドアが開いた。

入ってきた夫を見て、私は言葉を失った。

着ているのは、よれたジャージ。

そして、すれ違いざまにパチンコ店特有の匂いがふわりと届いた。

(人としてありえない!)

「ごめんな、遅くなって。仕事が長引いてさ」

夫は赤ん坊をのぞき込みながら、いつもの調子で笑った。

私は娘を抱き直して、静かに口を開いた。

「ねえ、聞いていい?」

「ん?なんだよ」

「あなたの会社、休みの日に急な呼び出しなんてあった?八年で一度もなかったよね」

夫の笑みが、わずかにこわばった。

崩れた言い訳

「い、いや、今日はたまたま急ぎの案件が」

「その会社、ジャージで出社できるの?スーツじゃなきゃ駄目だって、あなた前に言ってたよね」

「それは……着替える時間がなくて」

「会社に戻ってから、わざわざ着替えてここに来たの?」

夫の喉が、こくりと鳴った。

「仕事帰りなのに、どうしてパチンコ屋の匂いがするの」

三つ目を口にした瞬間、夫は完全に黙り込んだ。

視線が宙をさまよい、開きかけた口が、何も言えないまま閉じる。

言い訳の糸が、一本ずつ切れていくのが見えた。

ちょうど見回りに来た看護師さんが、ドアの前で気まずそうに足を止めた。

その視線に気づいて、夫の顔から血の気が引いていく。

「……ごめん」

夫はその場にしゃがみ込み、床に手をついて頭を下げた。

土下座のような格好だった。

「本当に、ごめん。生まれたばかりなのに、俺…」

私はあえて、優しい言葉はかけなかった。ただ、もう一つだけ事実を告げた。

「あなたのご両親、今日のこと知ってて、私に黙ってたんだよね。それが一番、悲しかった」

夫は顔を上げられなかった。退院の日、夫は何も言わず私の荷物を全部持ち、病院の駐車場まで何度も振り返って娘を気にしていた。

あの日から、夜泣きで先に起きるのは夫になった。立場が入れ替わったのだと、抱っこ紐を装着する不器用な背中を見て思った。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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