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「逆だよ。誕生日まで待ってて」彼女が選んだ品を、僕がこっそり灰色に変えていた理由

  • 2026.6.15
ハウコレ

彼女のセンスを否定したわけではありません。むしろ逆でした。リストに並んだ品を眺めながら、僕はある計画を思いついてしまったのです。それを黙っていたことが、彼女を悩ませているとは知らずに。

彼女の候補が、彼女好みだと気づいて

彼女がリストに並べてくれたのは、マグカップ、革のキーケース、ブランドのボールペン。僕のための候補のはずでした。けれど一つずつ見ていくうちに、妙なことに気づいたのです。どれも、いつか彼女が店先で「これいいな」と足を止めていた品ばかりでした。僕のためを思って選んだつもりでも、本当に心が動いた品は、彼女自身が欲しかったものなのだろう。そう考えると、なんだかおかしくて、そして少し愛おしく感じました。

思いついた、ささやかな計画

それなら、いっそ僕からこの品を彼女に贈ろう。そう思いついて、リストの中の彼女の候補に、一つずつ確保済みのマークをつけていきました。灰色になれば、僕が用意するという合図のつもりでした。しばらくして、彼女が聞いてきました。「私が選んだものだけ、全部グレーになってるよね。私のセンス、そんなに微妙だった?」。僕は「逆だよ。誕生日まで待ってて」とだけ返しました。種明かしをすれば驚きが薄れる。その程度にしか、考えていなかったのです。

当日、紙袋を差し出して

誕生日当日、彼女は丁寧に包まれたセーターを差し出してくれました。うれしさと同時に、隠していた紙袋のことを思い出して、少し緊張しました。僕は足元からそれを取り出し、「これ、受け取ってほしいんだ」と声をかけたのです。今日は自分が贈られる側なのに、と彼女は戸惑っていました。それでも袋の中の品を見たとき、彼女の表情がふっとほどけたのがわかりました。あの灰色のマークの意味が、ようやく伝わった瞬間でした。

そして...

後になって、彼女がぽつりと打ち明けてくれました。灰色のマークを見るたびに、自分の趣味を否定された気がしていた、と。サプライズのことしか頭になかった僕は、その数日間の彼女の気持ちに、まるで気づいていませんでした。驚かせたい一心の計画が、知らないところで彼女を悩ませていた。喜んでほしいなら、まず一言伝えればよかったのです。次は、隠しごとではなく、二人で選ぶ時間そのものを大切にしたい。彼女が並べてくれた候補の意味を、今度はちゃんと聞いてみようと思います。

(20代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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