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「ママ友付き合いは自分の境界線を保ついい学びの機会」【吉川ひなの】大人になってよかったこと

  • 2026.6.14

今回の吉川ひなのさん連載はスペシャル対談をお届け。オトナミューズ界隈における“頼れるお姉さん”な風間ゆみえさんが登場!

「ゆみえちゃん、大人になるっていいよね」

Yumie Kazama

スタイリスト・植物療法士

スタイリストとして圧倒的な支持を集める一方、体調不良を機に植物療法を学び、東洋医学や陰陽五行の知見をもとに独自のメソッドを確立。現在は企業コンサルやプロダクト開発にも携わり、ウェルネスコミュニティ「ROOMYS」を主宰。

「若いころには戻りたくない」とふたりが口を揃える。40代を超えてからのほうが、断然楽しくて、面白い。年齢を重ねることへの不安も正直に話しながら、それでも今が一番いい、と笑い合う。ときに脱線しつつも、ふたりの言葉には人生のヒントが詰まっていました。

魔法が使えても過去には戻らない

──今回は、ゲストにスタイリストの風間ゆみえさんを迎えての特別編になります。それぞれの歩みを重ねながら、人生を自分らしく味わってきたおふたりですが、「大人になってよかったこと」について語ってもらえたら。
 
ひなの 年齢を重ねてよかったことのほうが圧倒的に多いのは絶対にそう。けれど、「ここだけは若返りたいな」という部分も正直にいえばあったりするの(笑)。ゆみえちゃんはどう? 昔に戻りたいって思う?
 
ゆみえ 私は全然戻りたくない! 1日たりとも(笑)。ふとした会話の流れで、「時間を戻してあげる」と魔法使いに言われたら、何歳って答える? なんて話になることがあるけれど、戻りたいとは答えない。それよりも、「背を伸ばしてください」「外国語を話せるようにして」と別のお願いをしたいくらい。せっかくここまで経験を積み重ねてきて、上手く生きられるようになったのに、なんで今さら戻らなきゃいけないのって思うの。
 
ひなの わたしも戻りたくない派。でもね、今はそう思えているけれど、5年後、10年後もずっとそう思えてるのかなって、漠然とした不安がもやっとあったりするんだよね。突き詰めると「今のまま楽しくいられるのかな」という無意識の怯えがあるんだと思う。でも、ゆみえちゃんみたいに、すごくキラキラして、楽しそうに生きているお姉さんがいてくれると、未来は明るいと思えるからありがたくて。みんなに光を与えてくれる存在なの。
 
ゆみえ ありがとう。じゃあ、ひなのちゃんに月に一回くらい褒めてもらおうかしら。私の自己肯定感を上げるために。
 
ひなの ゆみえちゃんの自己肯定感、それ以上は上がらないくらい高いじゃん(笑)。
 
ゆみえ 世の中の人が思ってるほど高くなくて、私は意外とリアリストなの。「過去に戻りたくない」と言ったのも、ただ今が楽しいからじゃなくて、しっかり考えた上での答え。学びも知識も得たままの状態で、若い自分に遡ったとしても……たぶん周りの人たちを見下してしまうと思う(笑)。「何、言ってんの」ってなっちゃうから、楽しい恋愛もできなさそう。
 
ひなの それでいうと、わたしは今の自分のほうが楽しい恋愛できる気がする。昔はなんであんな人と付き合ったんだろう……というのもあって。今の性格や思考で過去に戻れたなら、出会う人も付き合い方も何もかもが変わっていたと思うんだよね。
 
ゆみえ そこは考え方が違うのかもね。私は、ひなのちゃんほど破天荒な恋愛してきてないから(笑)。でもね、全部の経験があって今の自分があるから、それがなくなったら違う自分になってしまうとも思うんだよね。
 
ひなの 振り返ったとき、いい恋愛が多かったなって思う?
 
ゆみえ うーん……結局はみんな別れているわけだから、本当の意味で「よかった」とは違うのかもしれないけれど、思い返したときに不思議と嫌な記憶があんまり浮かばないんだよね。これは私の「過去を美化し過ぎるクセ」もあるかもしれないんだけど(笑)。ケンカしたり、嫌だったことって、突き詰めると自分のダメな部分も混ざっている。ふたりのエネルギーで起きていることだから、どちらか一方だけが悪いなんてことはなくて、自分も半分悪い。そう思うと、自然と嫌なシーンより、楽しかったことのほうが鮮明に残っているのかも。
 
ひなの ゆみえちゃんが過去の恋愛をいい思い出にできていることが、すごく豊かに見える。

相手の機嫌は、自分の責任じゃない

──大人になるにつれて、人付き合いは変わりましたか? 昔より上手になれた、と感じる部分はありますか?
 
ひなの 最近ね、自分の思ってないことを言わないように気をつけているの。人間って、人間関係を円滑にしようとするから、相手のテンションに引きずられがちじゃない。絵文字いっぱいのLINEが来たら、こっちもなんとなく絵文字多めで返してみたり。でも、それって本当にわたしが言いたいことじゃない、って気づいてきて。「この人、ノリ悪いな」と思われてもいいや、って思い始めたところ。
 
ゆみえ “気を使う”って、まさにエネルギーを使うことなの。人は気によって動かされているから、気が使えないのは死んでいるのと同じこと。だから、自分が楽しく気を使えているなら全然いい。でも、疲れてしまう気の使い方なら使わないほうがいいと思う。要は、気の使い方にもセンスがあるんだよね。
 
ひなの わたしは、昔から相手の機嫌を取っちゃう癖があって、機嫌なんて取りたくないし、「あなたの機嫌はあなたで取ってよ」と思いながらも。でも、実際に不機嫌アピールをされると、自分のせいかもと責任を感じてしまう。誰かの不機嫌とわたしはまったく関係がないのに、全部自分の責任として引き受けてきちゃった。脳の回路としてでき上がってたんだよね。
 
ゆみえ 刷り込まれてきたものを、この年齢になって手放せているって、すごいことだよ。
 
ひなの やっと、やっと。今は、ママ友付き合いが自分にとっていい学びの機会だなと思ってるの。相手のペースに巻き込まれず、自分の境界線を保ちながら、本音でいられるように。子どもたちが幸せで、楽しくコミュニケーションできるのが何より大切だから、わたしの苦しさを持ち込まないようにしたい。ある意味、トレーニングをしている感覚かも。

心とからだは、絶対つながってる

──自分の機嫌や感情のコントロールについては? 何か意識していることはありますか?
 
ゆみえ 大人になって、自分自身を俯瞰して見られるようになったことが一番大きくて。いろんなことの対応が上手になる。その土台になっているのが心とからだのバランス。運動ができてない時期は、やっぱり軸がぶれてくる。忙しくてヨガに行けてないとき、ケガをした昨年……胸のあたりがモヤモヤすっきりしなくて。でも今は、知識と経験がリンクしているから、バランスが崩れそうになる前に分かるし、今は爆発させる前に上手に流せる。それに、自分のよくないエネルギーを他人にぶつけると、その人の波動を乱すし、地球は丸いから、投げたものは自分に戻ってくる。だから、自分のために自分を整えるの。
 
ひなの めっちゃ分かる。わたしが遠回りしながら言いたかったこと、それだった。ゆみえちゃんの言葉がめちゃくちゃ分かりやすい。
 
ゆみえ 54歳ですから(笑)。女性って、女性ホルモンにすごく左右されるじゃない? しかも、その一生分がたったのティースプーン一杯くらいの量だといわれていて。その少量で、生理があって、おっぱいを作って、子どもを産んで育てるところまで担っているんだから、翻弄されるのはもう人間の性だよね。でも、そういう仕組みなんだって分かっているだけで、対処の仕方は変わってくると思うの。結婚していたときも、「今日はちょっと見逃してほしい、今は全然余裕がないから」って、伝えるようにしていたし(笑)。
 
ひなの そんなふうに言われたら、可愛過ぎて許しちゃうでしょ。
 
ゆみえ でも、度が過ぎるとだめ。あるとき「ゆみえちゃん、いい加減にして」と怒られたことがあったの。ケンカしてるとき、愛犬はいつもわたしの味方でそばに来てくれたのに、そのときだけはピタッと夫の横に座ったわけ。犬にも伝わってたのね。

自分のエネルギーを上手に循環

──おふたりとも、そもそものエネルギーがとても強い方だと思います。
 
ゆみえ クリエイターが持つエネルギーの強さって、怒りのエネルギーと同じなんだよね。でも怒りをそのまま爆発させるのは、ただ「放出」しているだけで、循環とは違うと思うの。
 
ひなの 子どもに対して、怒りそうで怒らずにいられたときって、すごく気持ちいいの。その感覚と似ているのかな?
 
ゆみえ そうそう。怒るのを我慢しているんじゃなくて、そのエネルギーを上手に回せている状態。例えば危険物とか爆発物だって、扱い方を知っていれば社会の役に立つものになるし、ガソリンも同じようなもの。私たちのエネルギーもそれと一緒で、影響力がある分だけ「取り扱い注意」なの(笑)。悪気なく、誰かを傷つけてしまう可能性もあるからこそ、どう循環させるかが大事。
 
ひなの 植物みたいに、ただそこにいるだけで場が和む人っているじゃないですか。理想をいえば、ちょっとそうなりたいと思ってて。
 
ゆみえ 分かる、私も憧れる(笑)。でも気がついたら、ギャーって感情が溢れて、ハグしてるからね。これはもうDNAだよね。でも、ひなのちゃんがそれを求めるのは、クリエイターとしての欲張りさだと思う。自分にないものを求めてしまう。それって本当の自分を分かった上での欲張りだから、すごく素敵だよ。

まず、ラジオ体操からでいい

──最後に、よりよく生きるヒントを。何から始めてみるといいですか?
 
ゆみえ やっぱり生活習慣を整えるのがとても大事で、私がよく言うのはラジオ体操の第一・第二を習慣にする。1回6分ちょっとで終わります。それを朝と夜やるだけで人生変わるよ、って本気で伝えています。からだって動かさないでいると、動くことを拒絶するんだけど、動かし始めるとドーパミンが出て「気持ちいい!」となる。それを脳に覚えさせると、勝手にやりたくなる。2週間だけ続けてみてほしい。朝起きてお湯を沸かしてる間にやって、終わったらお白湯を飲む。1日にたった6分が割けない人なんていないから。
 
ひなの からだって動かすことに慣れると、毎日動けるようになるしね。わたしもヨガをやらないと気持ち悪いもん。
 
ゆみえ 食も、甘いものと揚げ物・お肉を、極端に行き来している人って、からだの陰陽のバランスが乱れやすいの。そのバランスが崩れるとからだも乱れるし、感情も揺れやすくなる。怒りっぽい人、人に当たっちゃう人って、実は本人の性格ではなくて食や運動の問題だったりする。私もお酒が好きだけど、飲むならなるべく早い時間に楽しむ。夕方5〜6時に美味しく飲んで、温かいものと一緒にいただいて、からだを冷やさない。4時間あけてから寝る。それだけで全然違う。好きなものを「よくないもの」として飲むと、それがよくないものになるから(笑)。量子力学的にね。上手に付き合うことが大切なのよ。
 
ひなの 好きなものを否定しない、大事にするっていう考え方すごく素敵。わたしもそうしていきたい。幸せって自分で作れるものなんだって、大人になるほど実感しているの。これからが本当に楽しみで仕方ないよね。

interview: HAZUKI NAGAMINE [YUMIE]photograph:KENTARO OTSUKA hair:SHOTARO[SENSE OF HUMOUR] make-up:CHIHIRO YAMADA

otona MUSE 2026年7月号より

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