1. トップ
  2. あえて「がんばらない」のが新しい! “ローエフォート”・ワークアウトのすすめ

あえて「がんばらない」のが新しい! “ローエフォート”・ワークアウトのすすめ

  • 2026.6.11
Getty Images

体が聖域であるならば、ジムとはいわば、魂を癒やすサンクチュアリだ。

今やジムは単に一時間汗を流すだけの場所ではない。カルチャー、ウェルネス、健康、生理学、ファッション、科学、そして肉体と美が交差する、人生の「サードプレイス」へと進化を遂げている。

現代のフィットネスの最前線を徹底解剖し、それが私たちの日常にどれほど深い変革をもたらしているか深堀りしたい。

息が切れるほどの激しいトレーニングで汗を流すことだけが正解ではない。今、海外のセレブリティやウェルネスコンシャスな人たちの間で、あえて「がんばりすぎない」運動スタイル——ローエフォート(低負荷)またはローインパクト(低衝撃)と呼ばれるワークアウト——が静かなブームを巻き起こしている。

ロサンゼルスの「Alo Wellness Club」でチーフ・ピラティストレーナーを務めるローラ・クインによると、このワークアウトの目標は「最大心拍数の50%」に到達すること。クライアントには、ヘイリー・ビーバーやロリ・ハーヴィといった時代のアイコンたちも名を連ねる。「激しい呼吸も急激な心拍数の上昇も必要ありません」とクインは言う。

イメージすべきは、ウエイトを使ったハードな筋トレクラスではなく、ゆったりとしたマットピラティス。熱気の中で行うホット・ヴィンヤサヨガではなく、心身をゆるめる陰(イン)ヨガ。そして、息が上がるインターバルトレーニングではなく、心地よいペースのウォーキングだ。インフルエンサーのミア・リンドが火付け役となった「ホットガールウォーク(前向きな思考を巡らせながら歩くトレンド)」も、まさにこのローエフォート・ワークアウトの好例と言える。

ハードなトレーニングに励む人々からすれば物足りなく映るかもしれない。しかし、一時的にストレスホルモンであるコルチゾールの急激な上昇を招きやすいホットピラティスや高強度インターバルトレーニング(HIIT)とは異なり、多くの低負荷ワークアウトには、むしろこのストレスホルモンを減少させる効果があることが研究で示されている。

ハードな運動に疲弊した人々がこのローインパクトな運動に切り替えた結果、より高い効果を実感するケースは少なくない。疲労からの回復がスムーズになり、自律神経のバランスが整い、神経系にかかるストレスが軽減されるからだ。

ニューヨークのピラティスインストラクター、エリカ・ブルームもそのメリットをこう語る。「ケガや筋肉の断裂を起こすリスクが極めて低いのです。高衝撃なワークアウトの中には、足の骨折や膝の負傷、骨膜炎を引き起こすものもあります」

さらに、体への負担が少ない運動は「継続しやすい」という最大のメリットがある。一見、ほとんど動いていないように見えても、確かな効果は体に表れる。

特に、自重や軽いウエイト、あるいはピラティスリフォーマーのスプリングによる適度なレジスタンスを取り入れたメニューであれば、筋肉量を維持・向上させ、全身に多くの恩恵をもたらす。

「循環器系の健康を維持するためには、心拍数を大幅に上げなければならないという誤解があります。しかし私たちの血流は、手足の末端にある小さなインナーマッスルの働きによっても十分に支えられているのです」とブルームは指摘する。

もちろん、エキスパートたちは「理想的なルーティンには、適度に汗をかく運動も含まれる」と言う。しかし、仕事に、家庭に、日々忙しくストレスにさらされる30〜40代の女性たちにとって、常に100%の力で挑むワークアウトは持続可能とは言えない。

「もっとがんばらなければ」という強迫観念を捨て、心地よさを基準に体を取り戻す。このローエフォートという選択肢こそ、現代の私たちが求めていた真のウェルネスなのかもしれない。

元記事で読む
の記事をもっとみる