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ナイツ・塙が綴る、自由すぎる「義父」との笑顔あふれる毎日。笑いと優しさが同居するエッセイをコミカライズ!【書評】

  • 2026.6.11

【漫画】本編を読む

『静夫さんと僕』(塙宣之:原作、ちゃず:漫画/KADOKAWA)は、人気漫才コンビ・ナイツの塙宣之氏が、彼が「静夫さん」と呼ぶ義理の父との同居生活を綴ったエッセイのコミカライズだ。血のつながらない相手と家族として暮らすことの難しさとおかしさ、そして温かさを、漫才師ならではのユーモアたっぷりの視点で描き出している。

物語の中心にいる静夫さんは、とにかく自由でマイペース。偏食で生活リズムも独特、思いつきで行動し、周囲を振り回す。拾ってきたねこじゃらしを部屋中に飾ったり、布団の上で食事をしたりと、日常は常に予測不能だ。それでもどこか憎めず、むしろその突飛さが家族の会話や笑いのきっかけになっていく。この「ちょっぴり困った人なのに愛おしい」という距離が絶妙だ。塙氏自身も「血がつながっていないと思うと冷静に優しくなれる」と語っており、家族という関係の本質を考えさせてくれる。

一方で、同居の大変さも描かれる。価値観も生活習慣も異なる相手と日々をともにすることは決して簡単なことではない。それでも、受け入れ、折り合いをつけながら関係を築いていく。その積み重ねの先に、笑いや信頼が生まれていく様子がまっすぐ胸に響くのだ。気を遣ってしまうようなことも、うまく笑いに変えて伝えるのはさすがの一言だ。

嫁姑の対立や二世帯同居など、結婚が生み出す家族の問題を描く作品は数多くあるが、本作が伝えてくれるのは「親との向き合い方に正解はない」ということだ。距離を取るのも、支えるのも、一緒に笑いあうのも、それぞれの家庭の形でいいと、ひとつの例を見せてくれる。

家族とは血のつながりだけではなく、どう関わろうとするかで形づくられていく。本作はそのことを笑いとともにやさしく伝えてくれるのだ。読み手の多くが自身の家族と重ねながら読み進めることだろう。

文=座美山佐須郎

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