1. トップ
  2. 懐かないペット(ニンゲン)とどう向き合えばいいの? 異形の魔人がニンゲンの飼育に悪戦苦闘【書評】

懐かないペット(ニンゲン)とどう向き合えばいいの? 異形の魔人がニンゲンの飼育に悪戦苦闘【書評】

  • 2026.6.7

【漫画】本編を読む

懐かない動物と仲良くなるために必要なことは、無理に近づくことでは決してない。大切なのは、安心できる場所を用意してじっと待つこと。まさか、そんなことをニンゲンが異形の飼い主に飼われる異色のマンガから実感させられるとは思わなかった。

そのマンガとは、『ニンゲンの飼い方』(ぴえ太/KADOKAWA)。魔獣や魔人だけが住む世界に現れたニンゲンを、魔人が試行錯誤しながらペットとして育てていく、飼育レポートコミックだ。

まだニンゲンを飼い始めて日が浅い飼い主は、一体ニンゲンとどう接すればいいのか分からずにいる。ニンゲンの様子をそっと覗くが、彼は物陰に隠れ、警戒を解こうとしない。この世界では人間は、ちょっとした気温の変化ですぐに体調を崩し、小さな段差でも怪我をしてしまうひ弱な生き物として知られているらしい。ペットとして飼う者はレア。そのため、情報は限られているが、飼い主は一生懸命、ニンゲンのためになることを考え、行動にうつす。

「君を拾ったからには ちゃんと責任持って最期までお世話したいな…」「少しずつでも 君と仲良くなれるよう頑張るよ」――飼い主のそんな台詞にどうしてこんなにも心揺さぶられるのだろう。それは、その台詞が、ペットを飼い始めた時の私たち人間の思いとまるで同じに思えるからだ。人間が“飼われる側”になるという奇妙な設定でありながら、描かれているのは、生き物と向き合ううえでの大切な姿勢。かわいらしさと不気味さが同居する世界の中に、相手を思いやる優しさがそっとにじみ、私たちの心にじんわりと染み渡ってくるのだ。

文=アサトーミナミ

元記事で読む
の記事をもっとみる