1. トップ
  2. エンタメ
  3. 「3日間だけ手伝う」つもりが気づけば店主に!? 和歌山・御坊のソウルフード“せち焼き”を女性3代で守り続けるローカル名店に密着!

「3日間だけ手伝う」つもりが気づけば店主に!? 和歌山・御坊のソウルフード“せち焼き”を女性3代で守り続けるローカル名店に密着!

  • 2026.6.5
©ABCテレビ

街のおいしい店に潜入し、店主の人柄からにじみ出る人気の秘密を発見するシリーズ「実録!人情食堂」。今回は、和歌山県御坊市で創業からおよそ70年、地元のソウルフード「せち焼き」を女性3代で守り続ける店を取材しました。

©ABCテレビ

JR御坊駅から歩いて13分ほどの場所にある「せち焼き やました」。テーブル席の鉄板で焼いて食べる名物「せち焼き」は、見た目はお好み焼きのようですが、さにあらず。焼きそばを、小麦粉を使わずに卵だけで固め、お好み焼き状にまとめたこの店オリジナルのメニューです。

©ABCテレビ

シンプルな具材1種入りのせち焼きは、イカ、豚、肉(牛)、エビの4つで、それぞれ1000円。具材全部入りのミックスは1100円。「粉が入っていないぶん、全然もたれないので何枚でも食べられる」とお客さんに大人気です。

せち焼きの名前の由来になっている「せちがう」とは、御坊の方言で「めちゃくちゃにする」「混ぜ合わせる」という意味。「やました」の初代店主・山下夏子さんが65年ほど前に始めたメニューで、もとはお好み焼きを提供していましたが、お客さんから「時間ないから卵だけでせちごうて」と頼まれたことがきっかけで誕生したそうです。

©ABCテレビ
©ABCテレビ

そんなせち焼きを受け継いでいるのが、夏子さんの孫にあたる「やました」の3代目店主・尾井実紀さん。2代目を務めた母・西谷礼子さんと母娘でお店を切り盛りしています。

©ABCテレビ
©ABCテレビ
©ABCテレビ

変わらぬ味を守るため、麺は地元・和歌山産。ソースは開店当初から使っていたものが生産中止になったため、試行錯誤の末、和歌山産の別のソースと県外産のソースをブレンドして昔ながらの味を再現しているそう。その日の天気によって配分を変えるなど、味にはこだわり抜いています。

【動画】大量に使うキャベツをはじめ、肉、海鮮、卵など食材は値上がりしていますが、せち焼きの値段は2年ほど前から「据え置き」でがんばっています。

「やました」のオープンは午前11時。開店と同時にお客さんが続々と入ってきます。各テーブルを忙しく回りながら「せちがいますね〜」と元気にせち焼きを焼く実紀さん。伊勢から片道4時間かけてバイクでやってきた男性をはじめ遠方からのツーリング客が多いのは、mixiなどのSNS黎明期にいち早く店のホームページを作った実紀さんの“先見の明”の賜物です。

©ABCテレビ

およそ70年前に創業した「やました」。2代目の礼子さんは県外に嫁いでいましたが、30年前、父の死をきっかけに御坊に戻り、母・夏子さんを手伝ううちに「仕方なく」お店を継ぐことになったといいます。

©ABCテレビ
©ABCテレビ

一方、実紀さんも店を継ぐ気はまったくなかったそう。御坊を離れて大阪でバスガイドとして働いていましたが、22年前、区画整理による新装オープンを機に「3日間だけ手伝う」つもりで帰郷したところ、そのまま3代目になってしまいました。

©ABCテレビ

「そっからもう22年目。捕まってしまって」と笑う実紀さん。母娘とも「仕方なく」継ぐことになりましたが、実紀さんの二男で小学生の秀輔くんは、働くお母さんの姿に「かっこいい」とあこがれていて、お店で働きたいそう。高校生の長男もいて、「やました」の将来は安泰のようです。

大阪からのツーリング客や、礼子さんとの世間話に花を咲かせる地元の女性など、この日もたくさんのお客さんがやってきた「やました」。午後3時に閉店すると、実紀さんが鉄板についた油をヘラで丁寧に削って掃除をします。

長年使い込むうちに、よく使うところがへこんできた鉄板は「せち焼きの長い歴史の証人ですね」と実紀さん。今や御坊のソウルフードとして人気のせち焼きですが、お店を大きくする気はないそうで「できる限り、御坊で咲いていこうかなと思っています」と笑顔で話してくれました。

©ABCテレビ

「実録!人情食堂」は、5月11日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

『newsおかえり』YouTubeチャンネルで配信中

元記事で読む
の記事をもっとみる