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「もう限界」玄関で義母と【不毛な攻防戦】→妻が二世帯住宅から飛び出したいワケ

  • 2026.5.30

周りの友人たちは、義理の母親とランチや旅行を楽しみ、良好な関係を築いているように見える。それに比べて私は――。二世帯住宅の2階で暮らす主人公の沙織。1階に住む義母とは玄関を共有しており、顔を合わせるたびに子どもへお菓子を買い与える姿に、静かなストレスを募らせていました。悪気がないからこそ止められない、世代間の優しさとこだわりがすれ違う日々を描いた『すれ違う優しさと冷たい玄関』をごらんください。

理想と現実のギャップ

「今度、お義母さんと一泊で温泉旅行に行くんだ!」
「うちはこの前、一緒にホテルのランチビュッフェに行ってきたよ」

平日の午後、カフェで集まった友人たちの口から飛び出すのは、義理の母親との良好な関係を物語るエピソードばかりでした。

笑顔で相槌を打ちながらも、私の心の中は冷や汗でいっぱいでした。世の中の「お嫁さん」たちは、こんなにも義母とうまくやっているのだろうか。私の周りを見る限りでは、義母と実の親子のように親しく過ごしている子が大半を占めているように思えました。

それに引き換え、私はといえば――。
「私は、お義母さんのことがどうしても受け入れられない」

口には出せない本音を飲み込みながら、私はどんよりとした気持ちで自宅への帰路につきました。

逃げ場のない「共有玄関」

夫の拓也と話し合い、義両親との二世帯住宅を建てたのは3年前のことです。

1階が義両親の居住スペースで、2階が私たち家族の住まい。完全にプライベートな空間は分かれており、義両親がわざわざ2階へ上がってくることはまずありません。

その意味では、プライバシーは守られているはずでした。しかし、どうしても避けられない決定的な問題があったのです。それは「玄関が共有である」ということでした。

外出する時も、帰宅した時も、必ず1階の共有スペースを通り、顔を合わせなければならない構造。家を出る一歩、そして帰ってきた一瞬に、いつも緊張感が走ります。

特に、幼稚園に通う娘の結菜を連れて帰ってきた夕方は、私にとって一日の中で最も憂鬱な時間帯になっていました。

繰り返される「親切」の重み

ガチャリ、と共有の玄関ドアを開けると、待ってましたと言わんばかりに1階の居間のドアが開きます。

「おかえり! 結菜ちゃん、今日もお利口さんだったね。はい、これおばあちゃんからのプレゼント」

義母の恵子さんが笑顔で差し出すのは、決まってスナック菓子やジュースでした。これから夕飯の準備をして、しっかりご飯を食べさせたい時間帯です。

「お義母さん、いつもすみません。でも、もうすぐ夕飯なので、お菓子はまた今度にしますね」

私ができるだけ角が立たないように断っても、恵子さんは「これくらい大丈夫よ」「結菜はもっと大きくならないとね」と、私の手をすり抜けるようにして結菜に手渡してしまうのです。結菜も大喜びで受け取ってしまうため、その場で厳しく取り上げることもできず、私のモヤモヤは募る一方でした。

恵子さんに悪気がないことは分かっています。ただ孫が可愛くて、喜ばせたいという純粋な好意なのだと思います。けれど、毎日のように繰り返されるその「親切」は、育児の方針を守りたい私にとっては、どうしても受け入れがたいストレスになっていきました。

小さな一歩と、これからの選択

ある夜、私はついに耐えかねて、夫の拓也に胸の内を打ち明けました。

「もう限界かもしれない。玄関で顔を合わせるたびにお菓子をあげられるのが辛い。悪気がないのは分かるけど、やめてって言ってもやめてくれないの。同居し続けるのがつらいと思うくらいイヤだ…」

私の深刻な表情に、拓也は驚いた様子でした。実の親の行動ということもあり、最初は「悪気はないんだから、大目に見てあげてよ」と言っていましたが、私が涙を流して悩んでいる姿を見て、事の重大さに気づいてくれたようでした。

「そっか、そんなに追い詰められていたんだね。気づけなくてごめん。母さんには、俺から『夕飯前のおやつは結菜の健康のためにも控えてほしい』ってはっきり伝えるよ。二世帯だからって、沙織が我慢し続ける必要はないから」

夫が味方になってくれたことで、頑なになっていた私の心が少しだけ軽くなりました。

世間の「仲良し義実家」の基準に、無理に合わせる必要はないのかもしれません。程よい距離感を保ちながら、自分たちの家族の平穏を守ること。

劇的にすべてが解決するわけではないけれど、まずは夫を交えて話し合い、私たちの意思を伝えていくことから始めようと思っています。いつか、あの共有玄関を心地よい風が吹き抜ける日を信じて。

※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています

著者:kumasan

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