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2076年の未来から現代を振り返る、話題のアート展が表参道で開催

  • 2026.5.29
写真提供=GYRE GALLERY

日本を代表する現代アーティストの作品が、50年後の世界からの視座のもとに集結するアート展「SPECTRUM 2076 AD ― 来たる世界の意識体」が、表参道のGYRE GALLERYにて、2026年7月12日(日)まで開催されています。

AIなどの新技術を制作に取り入れ、ノスタルジア、ポップカルチャー、集合的記憶をテーマに多領域を横断して活躍する草野絵美さんの映像インスタレーションも。 Emi Kusano / Ego in The Shell /2025 /Multi-channel video installation /20+ vintage CRT monitors, AI Video 写真提供=GYRE GALLERY

本展の核をなす「SPECTRUM(スペクトラム)」とは、過去・現在・未来の境界が曖昧で、異質な存在が重なり合う「連続体」のこと。キュレーターの飯田高誉さんは、絶え間ない大洪水により人間不在の物質世界へと変貌した2076年を本展の時空に設定しました。

もはや人間が「主体者」ではないかもしれない50年後の世界。そのなかで、未来の意識体はどのような「美」を見出すのかを本展は問いかけ、アートを橋渡しにして「現在」という地点を未来からの遡及的な光で照らし出します。

参加アーティストは、森万里子さん、池田謙さん、山田晋也さん、名和晃平さん、牧田愛さん、草野絵美さん、熊谷亜莉沙さんといった、日本国内のみならず世界を舞台に活躍する方々。

森万里子さんによる垂直に立つクリスタルの彫刻作品は、テクノロジーによる身体拡張の果てに、人間が再び万物と分かちがたく融合した「根源的な全一性」へと回帰していくプロセスを体現。 Mariko Mori/Peace Crystal Model, 2016-24, Acrylic, metal base, 13.8 x 13.8 x 11.6 cm 写真提供=GYRE GALLERY

各作家は物理的な光の分布としてのスペクトラムのみならず、20世紀後半の思想界に絶大な影響を与えた哲学者ジャック・デリダが提唱した「憑存在(ハントロジー)」(過去の思想や失われた未来が亡霊のように何度も現在に回帰し、影響を与え続ける状態を指す思想的・哲学的な概念)における亡霊(スペクター)の多義性を探求。

会場を訪れた人は、池田謙さんによる身体感覚をかく乱する音響や、各作家が提示する重層的な視覚体験を通り抜けることで、自らが「未来から現在へと送り込まれた亡霊(スペクター)」であることを自覚する実存的な転移を経験するはず。

写真提供=GYRE GALLERY



熊谷亜莉沙さんの作品には常にメメント・モリの思想が横たわり、個人のアイデンティティとその拠り所を問い続けています。 Arisa Kumagai/Say yest to me/2025/oil on canvas/97×195cm×2 写真提供=GYRE GALLERY


表参道の中心で展開されるこの壮大な思想的ドキュメントは、この夏、アートファンならマストで訪れたい展覧会です。

「SPECTRUM 2076 AD ― 来たる世界の意識体」

会期:~2026年7月12日(日)
会場:GYRE GALLERY
東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
tel : 0570-05-6990(ナビダイヤル 11時~18時)
入場無料

※この記事は、2026年5月28日時点の内容です。

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