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“コンビニの奥”で倒れていた50代男性…狭い通路で搬送が難しい中、駆けつけた救急隊がとった対応とは…?

  • 2026.6.20
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

救急現場では、傷病者の状態だけでなく、倒れている場所によって活動のしやすさが大きく変わることがあります。

今回の要請は、コンビニ店内で50代男性が倒れているというものでした。

現場に到着すると、男性は店の奥の通路付近で倒れており、意識はありました。

ただ、右半身の麻痺とろれつが回りにくい様子があり、脳卒中を疑う事案です。

店内の奥で男性が倒れていた

救急隊が到着すると、店員がすぐに案内してくれました。

男性はコンビニの奥の通路付近に倒れていました。

意識はあり、呼びかけにも反応があります。

しかし、話し方ははっきりせず、ろれつが回りにくい状態です。

右半身にも力が入りにくい様子があり、脳卒中の可能性が頭に浮かびました。

意識があるから大丈夫、という場面ではありません。

発症時刻や普段との違い、麻痺の程度を確認しながら、できるだけ早く搬送につなげたいところでした。

狭い通路では思うように動けない

ただ、男性が倒れていた場所は、商品棚に囲まれた通路付近です。

コンビニの通路は、買い物をするには問題なくても、救急隊が活動するには狭く感じることがあります。

血圧を測る。
酸素の値を確認する。
麻痺の状態を見る。
発症時刻を聞き取る。

どれも必要な観察ですが、資器材を広げる場所には限りがあります。

隊員の立ち位置も取りづらく、少し動くだけでも棚や商品に気を使いました。

まずは店員に協力してもらい、周囲の人に少し離れてもらいながら、活動できるスペースを作っていきます。

こうした場所では、処置の前に「どこで安全に動けるか」を考えることも大切になります。

ストレッチャーを近くまで入れにくい

次に迷ったのは、ストレッチャーをどこまで入れるかでした。

入口のレイアウトや商品棚の配置によっては、店の奥までまっすぐ入れないことがあります。

今回も、男性のすぐ横までストレッチャーを付けるのは難しそうでした。

脳卒中が疑われる所見がある以上、無駄に時間をかけたくありません。

一方で、焦って動けば商品棚にぶつかったり、周囲の人と接触したりする恐れもあります。

どこで観察を続けるか。どのタイミングで搬送へ移るか。

短い時間の中で、その場に合った動きを考える必要がありました。

店員の協力で搬送経路を確保した

救急車へ移動する時も、店内の狭さは大きな問題になります。

通路が狭いと、ストレッチャーの向きや隊員の立ち位置にも制限が出ます。

必要な資器材を持ちながら移動するため、普段以上に周囲への注意が必要です。

今回は店員に声をかけながら、入口までの動線を空けてもらいました。

倒れていた場所から救急車までの距離は、決して長くありません。

それでも、店内の構造によって搬送の難しさは大きく変わります。

心配して近くにいたい気持ちは自然です。

ただ、救急隊が動ける通路を空けてもらえるだけで、活動はかなりしやすくなります。

場所によって救急活動は変わる

この事案で感じたのは、病態の判断と同じくらい、場所に合わせた動きが大切だということでした。

脳卒中が疑われる場合は、時間も大切です。

ただ、狭い店内では、観察や搬送を思い通りに進められるとは限りません。

商品棚、通路、入口の配置、周囲の人の動き。

そうした条件を見ながら、安全に救急車まで運ぶ方法を考えていきます。

コンビニなどの狭い店舗では、活動スペースと搬送経路の確保がとても大切です。

店員や周囲の人の協力があるだけで、救急隊の動きは大きく変わります。

今回のように急ぐ必要がある事案ほど、焦らず安全に動ける環境を整えることが重要でした。

救急活動は、病状だけでなく、倒れている場所にも左右される。

そのことを改めて感じた事案です。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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