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今や"国民的大ヒット”…元エンジニア社長が“予算100万円”で『チョコレート』を約19億本売上につなげた“秘策”

  • 2026.6.22
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(C)The Solutions

ポッドキャスト番組『The Solutions』は、思わず「その手があったか!」と言いたくなるような、古今東西の鮮やかな発想を集めて紹介する“アイデア図鑑メディア”です。進行は、株式会社GOの代表でクリエイティブディレクターの三浦崇宏さんと、編集の石川みくさんが務めます。

2026年5月17日の配信回に登場したのは、有楽製菓株式会社の3代目社長・河合辰信さん。マーケティング未経験で入社した河合さんが、どのように「ブラックサンダー」の大ヒットを生んできたのか。その発想の裏側を深掘りします。

元エンジニアがマーケ部を立ち上げ「消費者インサイト」と出会う

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河合さんは新卒ですぐ有楽製菓に入社したわけではありません。大学院卒業後は、しばらく大手コンピュータネットワーク機器開発会社・シスコシステムズでエンジニアとして働いていました。

そんな経緯もあり、有楽製菓に入社した時点ではマーケティングはまったくの未経験。当時社長だったお父さまの「そろそろマーケティングをやらなきゃいかん」という言葉に背中を押され、社内の勉強会などで一生懸命学びを深めました。

そして、約半年の勉強期間を経て、河合さんともう一人の社員で「マーケティング部」を立ち上げることに。

そこで、河合さんたちはマーケティング部の顧問として招いた先生から「消費者インサイト」という考え方を叩き込まれることとなります。「消費者インサイト」とは、表面的なニーズではなく、「お客様自身もまだ言葉にできていない心の奥の欲望」のこと。マーケティングでは非常に重要な発想です。

「ブラックサンダーがなぜ愛されているのか」「ブラックサンダーは、なぜ売れたのか」を消費者インサイトの考え方を用いてとことん分析・理解することから、河合さんたちマーケティング部の仕事はスタートしました。

売上の伸びない2月に気づいた「義理チョコ」というアイデア

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ある日、売り上げの数字を見ていた河合さんは「おかしなこと」に気づきます。それは、「2月の売上が高くない」こと。ブラックサンダーはチョコレート菓子ですから、チョコレートの祭典であるバレンタインの時期に売り上げが伸びていても不思議ではありません。それなのに、数字が伸び悩んでいるのです。

売り上げが伸びない理由は、調べてみると単純なことでした。バレンタインに何もイベントを打ち出していなかったのです!「だったら、やればいい」ということで、企画が動き出しました。

ここで光ったのが「消費者インサイト」の考え方。高価な本命チョコがもてはやされる一方、消費者の中には「気を使わず渡せるリーズナブルなチョコが欲しい」という隠れた本音があることに気づいたのです。

そこで河合さんは、潔く「義理」と打ち出すことに。気軽に渡せて、お返しもブラックサンダーでいい…そんな気負いのない新しい関係性を消費者に提案しました。三浦さんも、これには「マーケティングのお手本みたい」と唸っていました。

大ヒット企画を自ら「反省」!時代の変化に合わせた方向転換

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ところが数年後、河合さんはこの大ヒット企画を自ら反省します。きっかけは時代の変化。2020年頃にかけて、義理チョコへの風当たりが急激に強まったのです。ジェンダーやサステナビリティの観点から、「義理」と言うだけで批判されかねない空気になっていきました。

そこで河合さんは「義理」を前面に打ち出すことを一旦やめ、「バレンタインをもっと自由に」という路線へ転換。子供の頃のあのそわそわする楽しさを取り戻そう!という方向へ舵を切ることにしました。

その想いをブラックサンダーらしく表したのが、なんと「ブラックサンダー付きの下駄箱」の販売!コロナ禍のオンライン企画で、結果は2台売れたそうです。お菓子メーカーが下駄箱を売る発想、なんともユニークですね。

「お金をかけずに面白く」社内フリー素材社長の発想

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こうした有楽製菓のユニークな企画の数々。その原点には「お金が使えなかった」という事情がありました。マーケ部の立ち上げ当時、予算が100万円を超えると怒られたのだとか。1個100円未満の商品ですから、当然といえば当然。だからこそ「お金をかけずに面白いことをやる」DNAが育ったのですね。

もうひとつの軸が口コミです。メーカーが一方的に出すメッセージより、お客様が広めてくれる言葉のほうが強い。だから「いかに口コミを生むか」を考え抜いてきました。

その一環として、3代目社長である河合さん自身も積極的にメディアに露出。社内では「フリー素材」と呼ばれ、「お金がかからないのに、そこそこ数字がとれるキャスト」として引っ張りだこなのだそうです。

本当のヒーローへ!「みんなでワクワク」というブランド哲学

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ユーモアたっぷりの企画だけではありません。有楽製菓は「スマイルカカオプロジェクト」として、カカオ産地に残る児童労働の問題にも向き合っています。子供を笑顔にするお菓子の原料が、子供の笑顔を奪っていてはいけない!その矛盾を解消したい!という思いからの取り組みです。

河合さんは、「みんながワクワクして働くことで、お客さんにワクワクしてもらえる」ことが理想だと語ります。誰かの喜びが、別の誰かの犠牲の上に成り立つものであってはならない、という考え方ですね。

三浦さんも、この話におおいに共感。「ヒーローみたいな名前のブラックサンダーが、本当のヒーローになろうとしている」と頷いていました。

「制約」も「変化」も、面白がった者が強い

予算の制約も、時代の変化も、嘆くのではなく面白がる。有楽製菓の強さは、ここに尽きるのかもしれません。つくり手がワクワクして働くからこそ、お客さんにもワクワクが伝わっていく…その良い連鎖が、19億本のヒットを支えていたのですね。

「なんでも面白がる」「みんなで楽しむ」という、人生において大切な考え方を教えてくれるお話でした。


The Solutions
「売れるワケない(笑)」→約20億個の国民的大ヒット。マーケ未経験の元エンジニアが「ブラックサンダー」で大逆転するまで

[配信日時]2026年5月17日
[出演者]三浦崇宏(GO 代表)、石川みく(編集)、河合辰信(有楽製菓株式会社 代表取締役社長)
[番組URL]https://open.spotify.com/episode/1LxBCtRyDDWREhNyUTKOSs?si=scaIyCCkSxeoshZP3J2Xfg

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