1. トップ
  2. 暮らし
  3. 「少し擦っただけなのに…」修理見積もりは20万円!?軽い傷でも高額になる“現代の車”の盲点

「少し擦っただけなのに…」修理見積もりは20万円!?軽い傷でも高額になる“現代の車”の盲点

  • 2026.6.25
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

「少し擦っただけだから、修理代は数万円程度だろう」。そう考えていたのに、修理工場から提示された見積もりを見て驚いた――そんな声が近年増えています。以前であれば比較的安価に修理できたような軽い傷でも、現在は十数万円から20万円を超える見積もりになるケースも珍しくありません。

背景には物価上昇による部品代や人件費の高騰がありますが、それだけとは言えないのが現状です。近年の車には先進安全装備や各種センサーが搭載されており、修理そのものが以前より高度で複雑になっています。

「数万円で済むと思っていた」Dさんが驚いた修理見積もり

ある日、Dさんはスーパーの駐車場で車を切り返している際、壁にフロント部分を軽く擦ってしまいました。

傷が付いたのはフロントバンパーとフェンダーの一部です。大きくへこんでいるわけでもなく、車の走行にも支障はありません。そのためDさんは、「見た目もそれほどひどくないし、修理代は数万円程度だろう」と考えていたそうです。

来社されたDさんの車を確認し、見積もりをしてみると修理金額は約20万円。Dさんは、予想を大きく上回る金額に思わず見積書を見返していました。

「以前は数万円で修理できたのに物価高だからしかたないのかな…」

そう話されたDさんですが、実は近年、同じように修理費の高さに驚くドライバーは少なくありません。

なぜ小さな傷でも修理費が高額になるのか

車の修理費が上昇している背景には、部品代や塗料代、人件費の高騰があります。

近年は原材料価格の上昇や物流コストの増加などの影響を受け、自動車部品の価格も以前より高くなっています。また、塗料や消耗品の価格も上昇傾向にあり、修理費全体を押し上げる要因となっています。

しかし、修理費が高額化している理由はそれだけではありません。

現在の車には、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、車線逸脱警報などの安全運転支援システムが数多く搭載されています。これらのシステムで使用されるレーダーやセンサーは、フロントバンパーやグリル周辺に設置されていることも珍しくありません。

そのため、バンパーの脱着や交換を行った場合、部品を取り付けて終わりではなく、センサー類が正しく作動するよう調整や校正作業が必須です。さらに、近年の塗装は色の再現性が求められるため、傷のある部分だけを塗装するのではなく、周囲のパネルとの色味を合わせるために広範囲の塗装が必要になることがあります。

こうした作業が積み重なることで、一見すると小さな傷であっても修理費が高額になることがあるのです。

修理費の高額化を前提に車の購入を検討しよう

20万円という見積もりを前に、Dさんが悩んだのは「車両保険を使うべきかどうか」でした。

車両保険を利用すれば自己負担を抑えられる可能性がありますが、その一方で翌年以降の保険料への影響も気になります。修理費が高額であれば保険を利用した方が有利な場合もありますし、逆に等級ダウンによる保険料の増加を考えると自費修理を選んだ方がよいケースもあります。

どちらが得になるかは契約内容や修理費によって異なるため、保険会社や代理店と相談しながら判断することが大切です。

車を購入する際、車両本体の価格や燃費だけでなく、「修理費がどの程度かかる可能性があるか」という視点も重要になっています。特に先進安全装備を多く搭載した車種は、万が一の際の修理費が高額になることもあるため、車両保険の加入も含めて検討しておくと安心です。

車の維持費は、税金や燃料代だけではありません。修理費も含めたトータルコストで考えることが、これからの車選びではますます大切になっていくのかもしれません。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる