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【ネトフリ独占配信】約60年前の日本で“実際に起きた裁判”を題材にした映画に高評価「絶対観るべき」「号泣した」 

  • 2026.7.7
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錦戸亮 (C)SANKEI

高度経済成長に沸く1960年代の日本で、ひとりの女性が法廷に立った。彼女が問われたのは罪ではなく、自らの存在そのものだった。実際に起きた"ブルーボーイ事件"を題材に、性別適合手術の合法性をめぐる裁判と、その渦中を生きた人々の尊厳を描いた社会派映画『ブルーボーイ事件』。

2026年5月14日よりNetflixでの見放題独占配信がスタートすると、日本週間TOP10(映画)で第3位にランクイン。「すごい見応え」「絶対観るべき」「号泣した」などSNSでも感想が多く上がり、日本の知られざる性的マイノリティの歴史が、改めて多くの人の目に触れることになった。

高度経済成長期の東京が舞台、実話を基にした社会派ドラマ

『フタリノセカイ』『世界は僕らに気づかない』など、トランスジェンダー男性というアイデンティティを反映した作品で国内外から注目を集める飯塚花笑監督が、実際の事件に衝撃を受け映画化を決意した一作。主演のサチ役には、トランスジェンダー女性を対象としたオーディションを経て抜擢された中川未悠。弁護士・狩野役を錦戸亮、医師・赤城役を山中崇が演じ、中村中、渋川清彦、前原滉ら実力派が脇を固める。第20回アジアンポップアップシネマ長編部門グランプリ、第39回高崎映画祭クロージング作品に選出されるなど、国内外で高い評価を受けた。

1965年、オリンピック景気に沸く東京。国際化に向けて売春の取り締まりを強化していた警察は、性別適合手術(当時の呼称は性転換手術)を受け女性として生きる「ブルーボーイ」たちの存在に頭を悩ませていた。戸籍が男性のままである彼女たちは現行の売春防止法では摘発対象にならない。そこで警察が目をつけたのが性別適合手術だった。生殖を不能にする手術が「優生保護法」に違反するとして、手術を施した医師・赤城(山中崇)が逮捕され、裁判にかけられる。

同じ頃、東京の喫茶店でウェイトレスとして働くサチ(中川未悠)は、恋人の若村(前原滉)からプロポーズを受け、幸せを噛み締めていた。そんなある日、赤城の弁護を担当する弁護士・狩野(錦戸亮)がサチのもとを訪れる。実はサチは、かつて赤城のもとで性別適合手術を受けた患者のひとりだった。法廷に証人として立つことは、自らの過去を社会にさらすことを意味する。それでもサチは、出廷を決意する。

全てを失って立った証言台での涙の訴え

サチは、友人の無念の死を受け、証言台に立つことを決心した。しかし、裁判について週刊誌が報道したことで、サチは職場から解雇され、若村の母親からも「肩身の狭い思いをさせないでほしい」と遠回しに別れるよう説得される。若村から北海道で再出発をしようと提案されたサチだったが、自身のせいで若村が職場で苦労していることを察し、別れを切り出して家を出ていく。

職場も愛する者も失ったサチが、証言台で語った言葉が印象的だ。それは、「私に女性としての居場所はどこにもなかったんです」という率直な言葉だ。手術を受ければ女性として生きていけると信じていた。しかし検事も週刊誌も世間も、誰ひとりサチを女性として認めてくれなかったのだ。

続けてサチは「誰かが決めた"女"というものに私はなれませんでした」と語る。そうしようとすることで次第に自分が自分ではなくなっていき、男性であることから逃れられないと悟ったのだ。サチは涙を浮かべながら「私は男でも女でもどちらでもありません。私は私です」と訴えた。

最後に、裁判長から「あなたは今、幸せですか?」という質問を受けたサチは、幸せだと言いつつも、「きっと、皆さんが思うような幸せではありません」と答えたのだ。その力強い瞳の奥には、決して当事者以外にはわからないだろうという想いと、この世が変わってほしいという心の底からの願いが込められているように感じられた。SNSではサチを演じた中川の演技に「素晴らしい」や「説得力がすごい」など絶賛の声も多数上がっている。

性的マイノリティへの認識が今ほど広まっていなかった時代、当事者が社会の中で抱えていた孤独と疎外感は、想像をはるかに超えるものだったはずだ。「私は私です」。その言葉の重さを、この映画は静かに、しかし確かに伝えてくる。


出典:日活・KDDI『ブルーボーイ事件』公式HPより

ライター:山田あゆみ
Web媒体を中心に映画コラム、インタビュー記事執筆やオフィシャルライターとして活動。X:@AyumiSand

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