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【山下智久×市原隼人】「智くん、隼人くん」と呼び合うふたりが語る、“永瀬と桐山”の特別な関係――将来ふたりが建てる不動産屋こそ「正直不動産」

  • 2026.5.26
(左から)山下智久、市原隼人 クランクイン! 写真:山田健史 width=
(左から)山下智久、市原隼人 クランクイン! 写真:山田健史

2022年にNHKで放送されたドラマ版のシーズン1から4年、ついに映画となった『正直不動産』が、現在公開中だ。ドラマ版第1話からライバルとして時には戦い、時にはサポートし合ってきたのが、山下智久演じる永瀬財地と市原隼人演じる桐山貴久。ふたりの関係は、今回の映画『正直不動産』で大きな局面を迎える。そんなふたりを演じた山下と市原に、俳優として、役としてのお互いの印象、そして映画のラストで触れられた“あのこと”について語ってもらった。(本記事には映画の内容に触れる部分があります。ご了承の上、お読みください。)

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■「友情という言葉すらチープ」――山下智久×市原隼人が語る、“永瀬と桐山”という特別な関係

――シーズン1の第1話から4年が経過しました。今振り返って、最初の頃のおふたりの印象はいかがでしたか?

山下:シーズン1で久しぶりに再会できたので、すごくうれしかったのを覚えています。「正直不動産」ってまっすぐなお話で、そして隼人くんもまっすぐな男なので。ブレないところも一人の男としてかっこいいなと思っていました。そういう俳優さんと共演できるのは幸せですし、どんなことができるのか楽しみでしたね。

市原:本当に誠実さの塊のような方で、現場のすべての人から愛されていますし、誰に対しても変わらない。包み込んで受け止めてくれて、周りを輝かせてくれる存在なんです。なかなかできないことなんですよね。いつも誠実に向き合ってくれる――それが智くんのやさしさなんですよね。現場に行くのが楽しみでした。

――4年間共演を重ねて、今回の映画が生まれました。

山下:ドラマで掘り下げてこられなかった、永瀬と桐山の深い心情にフォーカスできたのはすごくよかったですね。ライバルなのか友人なのか、ふたりの切磋琢磨できる関係性がいいですよね。僕と隼人くんも同世代で、フィールドが違うことはあっても、まっすぐに挑戦を続けていると思っているので、それが役としてもマッチしていたと思います。今時なかなかない、いい関係性を演じることができたと思いますし、隼人くんともう一度しっかり向き合うことができたというのはすごく楽しかったですね。

市原:永瀬と桐山の関係性がこの作品の肝になっていると思います。家族でもなければ友達でもない、友情という言葉すらもチープに聞こえてしまうような関係。そんなうまく表現できない気持ちがあるからこそ、永瀬と桐山はお互いを求め、理解しようとしている気がするんです。

“正直であること”って難しいじゃないですか。社会で生きるには理性や建前が必要ですし、時には相手を傷つけてしまうこともある。でも、そこに気づけるのが永瀬という男なんです。自分が持っていない人間性を持っているからこそ、桐山は永瀬を求めるんだと思います。そんなふたりの関係性が好きです。そこは「山下智久」という人物像にも一致するところで、彼が演じるからこそ「正直不動産」は成立する。そう思わせてくれる存在です。

■“顔の近さ”=“心の距離”――本気の殴り合いシーンの裏側「あれは本当にスペシャル」

――今回、市原さんとの距離、特に“顔”が物理的にかなり近かったと思うんですが、山下さんはいかがでした?(笑)


山下:あれが心の距離だと思います(笑)。

<照れ笑いする市原さん>

山下:あれは映画だからこそ成り立つところですよね。迫力が出たと思います(笑)。

今回、ふたりが本気でぶつかり合うシーンがあるんですが、実際に隼人くんからも現場でいろいろ提案してくれて。それがすごくいい形で作品に情熱を与えてくれたんです。あのシーンは本当にあってよかったなと、感謝の気持ちです。

市原:アクションについては、監督からの意図も伺いながら、あとはふたりの気持ちで作り上げていった感じです。そこはもう百戦錬磨の山下智久がいるので(笑)。胸を借りました。あのシーンは本当にスペシャルだと思います。映画ならではの新鮮さがありましたし、桐山と永瀬、ふたりが今まで抱えていたものを吐き出せたので、ぜひ注目してほしいシーンです。

――おふたりから見て、桐山と永瀬はお互いの魅力をどう感じていると思いますか?

市原:永瀬の人間臭さ、正直さだと思います。桐山は事業を進めていく中で、何かを犠牲にしてきていると思うんです。時には人を騙すようなこともあったでしょうし、仕事の枠内だけではなく、人間としての愛だったり思いやりだったり。登坂不動産から独立した理由も過去の父親のトラウマがあって、なかなか自分に素直になることができない。

でも永瀬は風が吹くことで正直になれる。その姿を見ていると、桐山はもちろん作品をご覧いただくお客様も同じ気持ちになると思うんです。これだけ素直に生きられたら、正直になれたらどんなにいいだろう…と。一見するとポップに描いているんですが、人生の糧になる姿を永瀬は何度も見せてくれるんです。

山下:長年同じオフィスで働いていた仲で、永瀬は桐山の本心に薄々気がついていたんじゃないかと思います。桐山が発するその言葉とは裏腹に何を思っているのかを、しっかり感じようとしていた。永瀬は仲間意識の強いキャラクターですし、だからこそ今回の映画では、自分をなげうってでも、どうにか桐山を救いたいと思った。きっと永瀬が思ったというより、桐山にそう思わされたんだと思います。そんな関係性ってなかなかないじゃないですか。そういう相手に出会えたことは永瀬にとって良かったと思います。もちろん桐山の頑張りも刺激になっていると思いますし、切磋琢磨できる戦友だと思います。

――おふたりを見守る登坂不動産の登坂社長も、毎回印象的な言葉を残してくれます。演じる草刈正雄さんは、現場ではどのような存在ですか?

山下:懐の深さを感じながら、ある意味、自由でいさせてもらえているというか。同時に、その佇まいからは積み重ねてきた歴史を感じさせてもらえています。社長という役で草刈さんがそこにドシッといてくださっていることに、ただただ感謝という気持ちです。

市原:まさに英雄ですよね(笑)。

山下:(笑)。

市原:(草刈さんの役は)常にブレない存在であり、同時にその基準を投げかけられるという存在でもある。すべての登場人物は登坂社長と話すと、自分が正しいのか、悪とされることなのかを気づかされるような気がします。撮影中はどうやって登坂社長と向き合えばいいのかと考えながら演じていました。

■将来ふたりが建てる不動産屋こそ、「正直不動産」

――この作品に関わって、不動産屋さんの印象は変わりましたか?

市原:最近も、コンビニで50代くらいの男性が声をかけてくださり「『正直不動産』いつも家族で見てます」って言ってくださって。

今は、不動産屋の数はコンビニの倍くらいあると言われているじゃないですか。生きる上で、必ず通らなければいけない場所ですよね。そんな不動産について、この作品は知らないこと、知識がないことがどれだけ危険かを教えてくれる作品でもあります。そういう意味でもご覧いただきたい作品ですし、それこそ家族で見る意義がある作品だと思います。ベテランの不動産屋の方がしっかり監修してくださり、地に足の着いた不動産知識を教えてくれるので、僕自身すごく勉強になります。

山下:本当に人生において切っても切れない関係ですよね、不動産屋って。住むところってやっぱり大事ですから。身をゆだねすぎてもいけないし、しっかりいろんな角度から見極めてほしいです。「正直」という内容ゆえに、不動産業界に斬り込んでいますから。最初は本当に未知の領域でしたけど、今はチャレンジして本当によかったなと思います。

――映画のラストでは、永瀬と桐山が、いつか一緒に不動産屋をやろうと。それって最高じゃないですか。おふたりはどんな不動産屋になると思いますか。

市原:正直であるということは、このご時世、すごく大事なことだと思います。何が本当で何が嘘なのかわからないこの世界で、そのすごく大事なことを、声を大にしてお客様に伝えられるのは永瀬しかいません。不動産に限らず、さまざまな立場でもがきながら悔しい思いをしている方たちに、本質といいますか、何が大切なのかを正直に言える不動産屋になってほしいなと思います。

山下:まさにこの「正直不動産」というタイトルが、将来ふたりが建てる不動産屋なんじゃないかと。お互いにいろんなことを学んで最終的にそこに行きつけばいいなと思います。永瀬と桐山がその設計図をしっかり描いて、ふたりが泥んこになって作り上げていく。そんな“心を大切にした不動産屋”を作ってくれたら素敵だなと思います。

(取材・文:稲生D 写真:山田健史)

映画『正直不動産』は公開中。

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