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望海風斗&和希そら、宝塚退団後も躍進止まらず ファン待望の初共演を前に互いの印象告白

  • 2026.5.24
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(左から)和希そら、望海風斗 クランクイン! 写真:上野留加

元宝塚歌劇団雪組トップスターで、退団後は菊田一夫演劇賞、読売演劇大賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞するなど、破竹の勢いで活躍を続ける望海風斗。元宝塚歌劇団雪組男役スターで、退団後は『SIX』『SPY×FAMILY』『ジキル&ハイド』とさまざまな作品でさらなる輝きを放つ和希そら。表現力あふれる歌声で観る者の心を鷲づかみにする2人が、ミュージカル『神経衰弱ぎりぎりの女たち』で本格初共演を果たす。稽古が始まったばかりの望海と和希に、本作に込める思いとお互いの印象を語ってもらった。(4月に取材を実施)

【写真】ファン待望の初共演! 望海風斗&和希そら密着2ショット

◆演出の上田一豪に絶大な信頼!

本作は1988年に公開され、ヴェネツィア国際映画祭で脚本賞を受賞した、スペイン映画界の名匠ペドロ・アルモドバルによる同名映画を舞台化したラテンミュージカルコメディー。望海とは何作かタッグを組んだ演出家の上田一豪が「望海風斗主演に最もふさわしい作品」として強く推薦し、待望の日本初演となる今回の演出を務める。秋山菜津子、長井短、高嶋政宏ら実力と個性を兼ね備えたキャストが顔をそろえることでも話題の作品だ。

主演の望海は、恋人イバン(高嶋)から電話で突然別れを切り出されパニックになる女優のペパを、和希は、恋人がテロリストとして指名手配されたことで混乱し親友のペパを訪ねるカンデラを演じる。

――日本初演となる本作。出演のお話を聞かれた時の印象はいかがでしたか?

望海:お話をいただいて、どんな作品なんだろう?と映画を観たのですが、他人事じゃないけど、どこか客観的に楽しめる、その塩梅がすごく面白くて! これがミュージカルになるとどうなるんだろう?と興味を持ちましたし、女たちの1人になれることがうれしいなと思いました。

和希:私はブロードウェイ版の翻訳台本を読ませていただいてすごく面白いなと思いました。演出が上田一豪さんだとお聞きして、一豪さんの作品にはぜひ出させていただきたいという思いがあったのでとてもうれしかったです。

――望海さんは『next to normal』で、和希さんは『9 to 5』で上田一豪さんとタッグを組まれています。上田さんの演出の魅力はどんなところにあるのでしょうか。

望海:役者側の心の流れみたいなものを、ものすごく汲み取ってくださる演出家さんだなと感じます。でも、こういう風に運びたい、お客さんから見た印象をこういう風にしたいというこだわりも持ってらっしゃるので、お互いに話し合いながら創り上げていけるところがすごく素敵だなと思います。

あとはいつもテンションが独特だったりして(笑)、一豪さんが来ると稽古場がパッと明るくなるんです。どんなに大変でシリアスな作品でも、一豪さんがいると安心だなという不思議な雰囲気があります。

和希:率先して面白いことをしてくださるイメージがあるので、今日も一豪さんの言動に大変笑わせていただきました(笑)。

役をもっとこうしてほしいということも、すごくポジティブな気持ちで次に挑戦できるような伝え方をしてくださるんです。前向きに日々お稽古していた記憶があるので、今回も同じような気持ちで挑戦していきたいなと思っています。

――作品全体にラテン系の色といいますか、スペインってきっとこんな感じなんだろうなと感じる匂いに満ちた印象があります。お二人はスペインにはどんな印象をお持ちですか?

望海:私、スペインがすごく好きなんです。と言っても1回しか行ったことないんですけど(笑)。特に南に行けば行くほどキリスト教とイスラム教の文化が混ざっている感じで、1つの文化じゃなくいろいろなものが混ざっている中で芯のようなものを持っている。そこがすごく面白いなと思います。

『ドン・ジュアン』でお世話になったフラメンコの先生にお会いするだけでも、スペインに行ったような気持ちにさせてくれるんです。すべてに対してすごく純粋で、でも明るいパワーだけじゃなく、何かに対してどこか憂うものがあるからこそ、明るくそれをパワーに変えているというか。憂うものをただ憂うのではなく、それをパワーに変えていく。明日を生きるための力に変えるのが、フラメンコなのかなと感じたりしました。

和希:私はスペインに行ったことはないんですけど、昔よくスペインバルに通っていてご飯が美味しかった記憶があります(笑)。

◆ペパの心をかき乱すイバン「皆さん心持って行かれると思います」


――今回ペパとカンデラを演じるにあたり、大切にしたいところはどこでしょう。

望海:自分が想像するキャラクターの枠に収まりたくないなと思っています。ペパは、登場するキャラクターの中で比較的まともだと見られる人に見えますが、そんな彼女が何かぎりぎりのところで、取り乱しながらも前に進もうとするところが、このペパのキャラクターの味かなと思うんです。私はどうしてもキャラクターをまとめ過ぎちゃう傾向があるので、今回はまったく知らないところにたどり着きたいですね。ペパは周りに振り回される役どころなので、そんな自分でもコントロールしきれない領域にいたいなと思います。

――カンデラはいかがですか?

和希:心のままに生きるというか、誰かの目を気にしたり人の気持ちを気にして自分を抑えることをしない人ですね。でもただ周りの目を気にしない人ではなく、全力で愛を捧げる人なんです。本当に100%純粋な人なので、ぎりぎりで本当にヤバい状態でも「私はこうしたいんだ!」「この人に愛を捧げたくなったんだ!」と全力で思いを前面に出していけたらと感じています。

――ペパとカンデラに共感する点はどんなところでしょうか。

望海:いろいろあるのですが、まず年齢が共通しているので、言葉の重みを自分の中で作り込まなくていいところがあります。

あとは、何かあった時にやっぱりまだ諦めきれないというか、ちゃんと前を見て、自分を投げやりにしないところ。どうにかしてこの現状を良くしたいと頑張るところは共通点ですね。

和希:カンデラは恋人がテロリストだということですごく焦って、「どうしよう、どうしよう」となっているんですけど、その合間にペパがイバンに送った絵はがきを読んだりとか、その場をちょっと楽しんでいたりする。その切り替えの早さみたいなものは、ちょっとわかるかも!って感じました。

――親友同士の関係性をどう作り上げていきたいですか?

望海:親友と言ってもすごくベタベタした感じではなく、どこか似てる部分がある人たちなんだろうなって感じています。人に対しての興味の持ち方がドライだったり、でもそこが分かり合えたり。二人でならではの距離感を作れるのではないかと本読みをしていても感じました。

和希:5対5で支え合っている親友じゃなくて、8対2みたいなパワーバランスでちょうどピタっと1つになれる感じがあるので、私はもう全力で助けを求めて、ペパを呼び続けたいと思います(笑)。

――ペパを振り回す最重要人物が高嶋政宏さんが演じられるイバンです。望海さんはイバンのような男性はどう思われますか?

望海:今日読み合わせをしていて、これはもうしょうがないと思いました。あんな目で、100%の熱量で、愛を語られてしまったら、理屈抜きでしょうがないんだなって(笑)。単なる今好きになる気持ちというか、軽い好きではなく、「私、この人といると違うフェーズに行けるかも!」「自分を高めてくれる人なのかも!」っていう気持ちにさせてくれるんだなって、今日高嶋さんを見て思いました。

秋山菜津子さんが演じられるイバンの元妻ルシアが、こういう人生を歩んできたと半生を語るのを聞いても、どうやってイバンとそうなるんだろう?と思っていました。だけど、あの人にかかっちゃったらもうしょうがないんだなって思わせてくれるのがイバンなんです。説得力がありすぎて、役作りで引っかかるところがなくなるほどの、とんでもないプレゼンを受けました(笑)。

和希:私も今日見ていて、本当に素敵だなと思いました。高嶋さんが途中、関係ない私のほうを向いてセリフを言った時には、カンデラもイバンの新しい女になっちゃう!みたいな感じで、うわー!!ってなりました(笑)。

望海:もうとにかくすごいです。皆さんイバンに心持って行かれると思います。

◆さまざまな作品に引っ張りだこな2人 お互いの活躍の印象は?


――宝塚在団中は雪組ですれ違いでしたが、お互いにどのような印象をお持ちでしたか?

和希:舞台を拝見しても毎回素晴らしくていつも圧倒されていましたし、劇団でお会いしても「あ、望海風斗さんだ!」と憧れの眼差しで見ていました。

望海:すごくセンスのいい人だなと思っていました。どんなことにも器用に対応される部分とか、なにより嗅覚が鋭い。今自分が何をやったらいいのかちゃんと読める、読んでそれを実際に表現できる人なんだろうなと思っていたので、今回共演ができるのはすごくうれしいです。

――退団後もさまざまな作品に引っ張りだこのお二人ですが、活躍ぶりはどのようにご覧になられていますか?

望海:すごくうれしいですね。特に『SIX』は発表された時に、「和希そらちゃんのこと、よろしくね!」って出演する友達に連絡したりしました。そのころ全然知り合いじゃないのに(笑)。

和希:ありがとうございます(笑)。

――和希さんは、望海さんの無双ぶりはどのようにご覧になられていますか?

和希:ファンの皆さんももちろん喜ばれていると思いますが、私たちも古巣が同じというだけで勝手に自分が誇らしい気持ちになりますし、本当にすごいなと尊敬の念が絶えません。

――お二人の共演が発表された時に、SNSでは「なんと耳が幸せな作品になるんだろう」という声がありましたが、お互いの歌声に関してはどんな印象をお持ちでしたか。

望海:男役の時もそうでしたけど、退団してからも声に変な力みがないというか、無理のない自然な声で歌っているのが羨ましいなと思っていつも聴いています。

和希:いやいや、とんでもないです。望海さんと歌稽古が一緒になるといつも最高の歌声に酔いしれています。本当にありがたいです。耳が幸せです。

――望海さんも和希さんも雪組に組替えされたという共通点がありますが、雪組に異動になって驚いた「雪組あるある」は何かありますか?

望海:いっぱいありますが、やっぱりみんなマイ袴、マイ羽織を持っていることには驚きました。

和希:皆さん普通に持ってるんですよね。娘役さんはかんざしとかもいっぱい持っていて。

望海:そうそう! 袴も持っているのが当然という空気で、すぐに羨ましくなって私も買った記憶があります。

和希:「羽織りの紐どうやって結ぶんだっけなぁ」と一瞬迷った時も、「こうやってやるんやで!」とすぐに教えてくださったり。

望海:職人が多いよね。

――最後に、タイトルに絡めて「あれは“ぎりぎり”だったな」という思い出を教えてください。

望海:最近だとやっぱり『マスタークラス』の稽古中は毎日ぎりぎりでした。セリフは全く覚えられないし、そのうち自分が何も考えられなくなっちゃうぐらい、あの時は結構ぎりぎりだったなと思います。

それまでミュージカルへの出演が続いていたので、歌詞は覚えるのですが、セリフを喋ることがあまりないので台詞をどうやって覚えたらいいのかもわからないし、やっと覚えられたと思ってもテンポが遅い、もっと早くと言われて…。実感がないからだと言われても台本全部に実感を持たせるにはどうしたらいいんだろうと。そんな戦いが続いて…。

――『マスタークラス』、ぜひまた観たいと思っていたんですけど、言えない雰囲気になってきました(笑)。

望海:(笑)。もう自分でも信じられないぐらいで、「どうやってあの舞台をやったんだろう?」って今でも思います。

――和希さんはいかがですか?

和希:新幹線などに乗るのがぎりぎりになることが多くて。最近ももうぎりぎりなのになと思いながら、ついついカフェのテイクアウトに挑戦してしまったりして(笑)。今回の作品でも地方公演があるので、ご迷惑をおかけしないように気をつけたいと思います。

(取材・文:田中ハルマ 写真:上野留加)

ミュージカル『神経衰弱ぎりぎりの女たち』は、東京・日本青年館ホールにて6月7日~21日、福岡・博多座にて6月26日~28日、大阪・SkyシアターMBSにて7月2日~6日、愛知・御園座にて7月10日~12日上演。

※高嶋政宏の「高」は「はしごだか」が正式表記

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