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佐久間朱莉のスイングを徹底解説!ミスなく飛ばす秘けつを大公開

  • 2026.5.24

2026年の女子ツアーが開幕!昨季も大勢のヒロインが誕生したが、年間女王候補の1番手にあがるのは、やはり昨季4勝をあげた佐久間朱莉だろう。

彼女のショット力を支えるポイントや見どころを解説!

JLPGA STATS

2025シーズン各部門データ
●メルセデスランク:1位
●トップ10入り:19/36回(1位)
●平均ストローク:1位
●バーディ数:1位

アドレス

特徴は少しだけボールが体の中心寄りにセットされていること。右肩が下がるのを抑えられるので、下からの「あおり打ち」を予防する効果があります。

グリップは左手のナックルがひとつしか見えないので、ややウィーク。右手の親指はグリップの左側面に添えられており、あえて指の力があまり入らない場所にセットされている。これらは持ち球であるフェードを打ちやすくし、ピッカケやフックのミスを絶対に出さない工夫になります。

バックスイング

佐久間朱莉のスイングを徹底解説!ミスなく飛ばす秘けつを大公開
Point:頭が右足の上まで移動してくる(右)

軸回転というよりも、体全体が右側の股関節に折り込まれていくようなバックスイングです。頭の位置が大きく動き、トップの直前では右足の上に頭があります。帽子のツバも斜め45度くらい右を向いていますので、肩が深く回っている。バックスイングで先に体の横回転を深く行なうタイプの選手は、クラブをあとから上昇させるため、その勢いで腰が少し反る傾向があります。

そして、再度よく見てもらいたいのが右手の親指。右の手の平にクラブが横たわっていて、親指にはほとんど負荷がかかっていないのがわかります。

神ワザPoint

右手の親指がグリップの左側面に添えられており、クラブに余計な指の力をかけられないようにしています。佐久間選手は身長が155センチと小柄。基本的にスイング軌道もフラットになる傾向があり、ドロー系の球筋になりやすい。フェードヒッターの佐久間選手は、そういった自身の身体的特徴をふまえて、このような工夫で打球のつかまりすぎを抑えているのでしょう。

2025年クラブセッティング

1W:ピン G430 MAX10K(レジオフォーミュラB+S55)
3・5W:ピン G430 MAX(レジオフォーミュラM+555/65S)
4・5U:ピン G430(N.S.PROG.O.S.Tプロトタイプ)
5I:ピンi240(N.S.PROMODUS3 HYBRID G.O.S.T HL)
6I~PW:ピンBLUEPRINT S(N.S.PROプロトS)
50・54・58度:ピン S159(N.S.PRO 950GH neoS)
PT:ピン スコッツデールDS72
※()内はシャフト。試合によってセッティング変更がある

アッキー永井の独り言1

使用クラブは契約している「ピン」一色で、シャフトも「日本シャフト」のみ。統一感のあるスッキリとしたセッティングに見えますが、ドライバーとFW(フェアウェイウッド)でシャフトのタイプを変えている点が特徴的。

「レジオフォーミュラB+」は元調子なのに対して「M+」は中調子ですから、弾道が変わってきます。ティーアップして打つドライバーはつかまりとスピン量を抑えたい、地面から打つFWはややダウンブローにインパクトしたときでもしっかりボールを拾いたい、という意図が感じられますね。

トップ

シャフトが地面と平行ではなく、斜め上を向いている。女子選手にしてはややコンパクトな形といっていいでしょう。しかし、決して柔軟性が低いわけではありません。

シャフトをよく見ると、この時点ですでにしなりはじまっているのがわかります。トップのポジションにクラブがくる少し前のタイミングから、切り返し方向へかけた体幹の力がヘッドの勢いと拮抗。その負荷がシャフトにかかることでしなりが発生しているのです。

切り返し

佐久間朱莉のスイングを徹底解説!ミスなく飛ばす秘けつを大公開
Point:右側の股関節の位置が変わらない

股関節の右側の位置はそのままに、骨盤が一気に正面を向きます。切り返しからインパクトにかけ、体がターゲット方向にズレないタイプなので、そもそもアドレスでボールポジションを左足寄りにセットしなくてもいいのです。こ

の写真で右ヒジが見えるということは、右側の肩関節はある程度外旋しています。いわゆる「ヒジが絞られた」状態でクラブは背中側にあるので、タメが強いということです。

ダウンスイング

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Point:上半身の軸が傾かない(左)Point:シャフトが構えたときよりもアンダーに入らない(右)

インパクト直前では左足が地面を強く蹴っており、この蹴りによって腕が加速します。右ヒジ、手首ともにまだリリースされておらず、左手グローブのロゴがハッキリと正面を向いていることから、フェースは閉じていないことがわかります。これも「左に曲げないスイング」の特徴です。

右足のカカトが上がっているので腰の右側が下がらない、つまり上体の軸が傾かないのでインサイドからあおり打ってしまうのも予防されています。

神ワザPoint

動画で見るとよくわかりますが、佐久間選手のスイングは切り返しからダウンスイングまでのスピードがとても速い。そのため切り返しでシャフトにかかる負荷はかなり大きく。しなりが強く出ます。このしなりが小柄でも大きく飛距離を出せるパワーの源泉となっており、体幹部分の強さも見てとれます。

アッキー永井の独り言2

佐久間選手をはじめ、古江彩佳選手、山下美夢有選手、西村優菜選手など、ここのところ身長155センチ前後の小柄な選手の活躍がとても目立つように感じます。一般的には身長が高いほうが飛距離やクラブ軌道の管理には有利ですが、それをしのぐクラブコントロール能力の高さを佐久間選手はもっています。上の写真のラインはアドレス時のシャフトプレーンですが、これほどダウンスイングでタメを作ってもクラブがインサイドに落ちないのは、さすがのひと言です。

年間女王はクラブについても“職人肌”

佐久間選手はクラブへのこだわりが強いそうで、ユーティリティについてはシャフトだけでなく、ヘッドの個体差を見極めながら試行錯誤を繰り返して完成させたのだとか。また、ウエッジのグリップは自身のモチベーションアップのため、それぞれ異なる好きな色を装着している。実益と感性を両方とも満たすクラブセッティングで、今年もスーパージョットが多く見られそうだ。

インパクト

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Point:お尻の左側が後方へ移動し手の通り道を確保(右)

インパクトの瞬間でも右ヒジには少しゆとりがあるので、フェースが真っすぐ動く時間をとても長くとることができます。後方のアングルから見ると、左足を蹴り込んだことでヒザが伸びていますが、骨盤もしっかりと回転している。左サイドが開いているので、気持ちよく振り抜けるスペースが確保されています。

このとき骨盤の回転をロックしてしまうと、体の回転が詰まって急激なフェースローテーションが起こり、ヒッカケやフックのミスが出やすい。ここでも佐久間選手の「左のミスへのケア」が見てとれます。

フォロースルー

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Point:ヘッドのトゥ側が斜め上を指している(右)

シャフトが地面と平行になったときに、まだ左手がほとんど見えていません。つまり、腕のローテーションがとても少ないのがわかります。

後方アングルからの写真を見ると、ヘッドのトゥ側が空を指している。腕のローテーションが強い選手はフェースが完全に地面を向きますので、これも佐久間選手のフェースローテーションが極めて少ないことを示す証拠です。

フィニッシュ

収まりのいい、キレイなフィニッシュです。そして、ここにもやはりフェードヒッターの特徴があります。それは股関節の左側がターゲットから離れ、逆に設関節の右側が飛球線方向へ動いている点です。骨盤が目標方向を通り越して90度以上回転しているのでバックスイング以上にフォローの回転が深く、フェード回転をかけやすい動きをしたあとのフィニッシュになっています。

神ワザPoint

どの選手も左のツマ先はスイング中に動くことが多いですが、佐久間選手の場合はダウンスイングでツマ先が開くのではなく、カカトが入り込むタイプ。股関節に対して左足が外旋していることを意味するので、骨盤の回旋にブレーキがかからないフットワークの使い方です。

アッキー永井の独り言3

佐久間選手のスイングにおける、体の使い方とその強さなどについて解説しましたが、彼女はハードなウエイトトレーニングはあまりしないそうです。それよりも脳の反応速度アップや、効率的に体を動かせるようになるエクササイズを積極的に取り入れているとのこと。あまりジムに通う習慣のないアマチュアは、そういった家でもできるトレーニングが合っているのかもしれないですね。

いかがでしたか? 年間女王のスイングを参考に練習してみましょう!

佐久間朱莉
●さくま・しゅり/2002年生まれ、埼玉県出身。155cm。2021年にプロ入り。デビュー以降、着々と実力をつけ、今期は4勝をあげて国内ツアーを席巻。メルセデスランキングでトップに立ち、年間女王に輝いた。大東建託所属。

2025年シーズン4勝!
KKT杯バンテリンレディスオープン、プリヂストンレディスオープン、アース・モンダミンカップ、NOBUTA GROUPマスターズGCレディース

解説=アッキー永井
●ながい・あきふみ(永井研史)/1987年生まれ、神奈川県出身。”アッキー”の愛称で親しまれている人気コーチ。人体解剖学や物理学の視点を取り入れたわかりやすいレッスンに定評がある。

写真=小林司、渡辺義孝、高木昭彦

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