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「冷蔵庫が瓶詰だらけ…」を解決! フードライター・白央篤司さんが実践する「どんどん溜まる瓶詰」と上手に付き合うルーティーン

  • 2026.5.21

外食が続いて栄養バランスが乱れてしまった、冷蔵庫の余り食材や消費期限が迫る調味料の使い方がわからない……体や台所をすっきりさせる“食の帳尻あわせ”のヒントを、フードライター・白央篤司さんが日々の食体験とともに綴ります。


「とにかく増える瓶詰」とのストレスフリーな付き合い方

冷蔵庫の奥まったところや扉裏スペース、パントリーや引き出し内……気づけばあらゆるところに瓶詰や缶詰が。写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート

「キッチンや冷蔵庫に常備している“とっておき”、ありますか?」

こんな質問を定期的に受ける。そしてわりとこれ、困ってしまうのだ。というのも正直それほど……常備している特別なものがないから。

ごく基本的な調味料と油類のほかは、オイスターソースとナンプラー、白だし、寿司酢ぐらい。食材なら雑穀、漬物2種程度。冷凍庫にきのこ、油揚げ、練りもの(さつまあげとか、ちくわとか)、ちりめんじゃこ、冷凍うどんと蕎麦、ぐらいのものである。

「常備できたら便利だろうな」と思うものはたくさんある。ひとたらしでおいしさアップのハーブオイル、あるいはスパイスミックスソルト、XO醤的なもの。どこそこのおいしい缶詰、ジャムやペースト、ピューレに各種冷凍食品……といった物々をリサーチして試すのは大好きなのだ。しかしこの手の類はいただく機会も多く、また旅ごとにあれこれと買い込んでしまって、とかく増えやすい。

一時は常時このぐらいの瓶詰が冷蔵庫にあった。いつ入れたか思い出せないものも……(怖)。

棚にぎっしりと各地のユニークなものが並んでいるのを楽しく思えた時期もあったのだが、数年前から「自分が日常、本当に定期的に使うものは何か」を考えて、常備品をしぼっていった。

「ミニマムな暮らしに憧れた」というのでもなく、極力「普段づかいしてるものだけ」にすると、出先で気になるものと出合えたとき、ためらうことなくどーんと買い込めるのがケアフリーで気持ちいい、と気づいたから。

「買うならば、置けるスペースを作ってから」というのを意識するようになってから、なんとなく精神的な呼吸がしやすくなったように思う。前々回のこのコラムで「(気持ちにまかせて食べたいものを買いまくっていると)冷蔵庫は常に過剰在庫状態になって、余裕がなくなる。冷蔵庫の余裕というのは、使い手の気持ちにダイレクトリンクすることも多い」といったことを書いた。

それはパントリースペースやキッチンの引き出し内も同じこと。余りにパンパンだと、「早く食べなきゃ」と気が重くなったり、「きっとアレとアレ、賞味期限過ぎてるな……」なんて後ろめたい思いにもなったり。買ったはいいものの、手つかずのものがギッシリ詰まっていると、使い手の息も詰まりやすい。

ある時期の私は、「日常使っているものの予備を置くところ」に「食べてみたいもの」「気になって買ったもの」を置き過ぎて、何がなんだか分からなくなっていた。おいしそう、と思って買うのは楽しいけれど、ほどほどが肝心……と反省。

まず2カ月に1度ぐらい、「使ってないものを一気に試す日」を設けるようにした。そして料理好きの友人に「開けてない瓶詰や缶詰、持ち寄って食べるイベントやらない?」なんて声掛けして、一気におおぜいで消費する会を開いたことも。

楽しみながら消費しつつ、ストックのスペースを作る。わりと空間ができてきたら、また何かしら気になるものを買ってリサーチ。「買うならば、置く場所を作ってから」という当然のことができるようになったのは、ついこの2年ぐらいのことである。

“半常備”ぐらいのものを使い回すほうが快適に暮らせる

鶏むね肉をゆでたものとサニーレタスの朝用サンド。

さて、きょうの朝ごはん。

常備ではないけれど、ゆで鶏を作って週のうち3~4日は冷蔵庫に入れている。これをサンドイッチにするのが好きなのだ。タカキベーカリー(わりとあちこちのスーパーで見かけるメーカー、なかなかおいしい)の「石窯イギリスパン 8枚切り」を軽くトーストして、サニーレタスとマヨではさむ。

このパンは薄さ、大きさ、味と値段のバランスが私にとってベストなので、月に3回は買うだろうか(使い切れないときは冷凍庫へ)。

サニーレタスは冷水につけてからスピナーでしっかり水切りし、食べやすい大きさにちぎってポリ袋に入れて冷蔵しておく。こうすると食感シャキシャキ、その音が朝の寝ぼけた体に響くうち、だんだんと体も目覚めてくる。下処理したサニーレタス、サラダにいいのはもちろん、肉のつけあわせにもいいし、お皿にたっぷり敷いて炒めものや揚げものをのせる、なんて使い方もいい。下処理してポリ袋に入れたサニーレタス、週のうち半分ぐらいは冷蔵庫にいるだろうか。

白央さんがたんぱく質とカルシウムのサプリ的に飲んでいる無脂肪乳。

さあ食後は牛乳を。

タカナシの無脂肪乳をコップに1杯、朝飲むのが習慣だ。これはほぼ常備品で、たんぱく質とカルシウムのサプリ的に飲んでいる。サプリよりも手軽でナチュラル、何より日本の酪農も応援したくて。成分無調整の牛乳のほうがリッチなおいしさだけれど、それはたまにミルクティーを楽しみたいときだけで私はいい。

常備まではいかないけれど、“半常備”ぐらいのものをあれこれと使い回すほうが、私は快適に暮らせるようだ。冷蔵庫やストックが半分ぐらい空いていれば、拭きたいときにすぐ拭けるのも気持ちがいい。などと言いつつ、さっきチェックしてみると賞味期限切れのインスタントラーメンが3袋も……! 台所の帳尻合わせ、いつまでもなっかなか上達しない。

「……というわけでこの日のお昼はインスタントラーメンを消費。野菜とたんぱく質もとりたいので、豚肉と野菜(もやし、小松菜、にら)を蒸し焼きにしてたっぷりのせました」(白央さん)

白央篤司(はくおう あつし)

フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)、『はじめての胃もたれ 食とココロの更新記』(太田出版)がある。
Instagram @hakuo416

文・撮影=白央篤司

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