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両親の遺産として残されたのは数千円。それでも「これでよかった」と穏やかでいられるワケ

  • 2026.5.19

筆者の友人・K美は、ここ数年で立て続けに両親を亡くしました。寂しい気持ちを抱えながら、穏やかに事後処理にあたったK美と妹。しかし、K美の義実家ではまったく異なる『争族』が発生したそうです。

画像: 両親の遺産として残されたのは数千円。それでも「これでよかった」と穏やかでいられるワケ

遺産がない

私はここ数年で立て続けに親を亡くしました。
2人とも持病があったため、ある程度は覚悟していましたが、私と妹は寂しい気持ちでいっぱい……。
亡くなった後の手続きも多く、しばらくの間は忙しい毎日を送っていました。

両親には貯金があるわけでもなく、入院代・葬儀・納骨など、すべての支払いが終わった時点で残ったお金は、なんと数千円でした。
借金があったわけでもなく、残してあったお金をすべて使い切ったような状態だった両親。
私は妹と一緒に「お父さんとお母さんらしいね。相続する遺産がないよ」と笑っていたのです。

義祖母の死

昨年、夫の祖母が亡くなりました。
義父が長男ということもあり、晩年は義両親が同居して介護をしていたのですが、認知症を発症してしまったため、近所にある施設へ入所。
若い頃は折り合いが悪かったという義母が、それでも義務感や優しさから身の回りの世話をずっと続けていました。

義父には妹が2人います。
2人は地方に住んでいることを理由に、自分たちの母親の面倒は兄である義父に任せっぱなし。
施設へ入所してもお見舞いには全く来ていませんでした。
しかし、亡くなった時に一番乗りでやってきたのはこの妹2人。
長年支えてきた義母をそっちのけで葬儀を取り仕切り、その間はずっと義実家に宿泊していたのです。

ありえない親族

なぜこの2人が前のめりだったのかというと、目的は遺産。
義父に「どれぐらい残ってるの?」「3人で分けるのよね?」など、葬儀の打ち合わせ前から人目もはばからずにお金の話ばかりしていました。

面白くなかったのは義母です。
自分の母親を介護してくれた感謝の言葉もなく、蚊帳の外へ追いやられた状態。
義母に対し「あなたは他人だから」という2人を見て、私はありえないと感じてしまいました。
「お葬式なんて最低限で良いんじゃない?」「お金を残すべきよ」など、故人を悼む気持ちよりも損得勘定が透けて見える様子は、悲しいほどでした。

まさに争族

葬儀後も義実家は大騒ぎ。
義母からは毎日のように割り切れない思いを聞かされました。

私たちの両親はお金をほとんど残しませんでした。
おかげで争族になることもなく、妹や親族との関係性も良好です。
お金がないと知った時は正直驚きましたが、大切なのは残された金額の多寡ではなく、後に残る人たちが納得感を持って見送れるかどうか。
相続なんてなくて良かったのかもしれないと思えるほど、今の穏やかな関係に感謝しています。

【体験者:50代女性・会社員、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:RIE.K
国文科を卒業し、教員免許を取得。OLをしていたが、父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄、多くの『ちょっと訳あり』な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。シングルマザーとして子どもを養うために、さまざまな仕事の経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地・職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。

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