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「助けるのが役目だろう?」「えっ」ボランティアの私を絶句させた、高齢男性の『耳を疑う一言』

  • 2026.5.19

手話サポーターとして、高齢男性に親身に寄り添っていた私。しかし、善意はいつしか「個人的な好意」と履き違えられてしまって……? 私生活にまで踏み込む無神経な男性の言動に対し、私が放った一言とは? 友人が体験談を語ってくれました。

画像: 「助けるのが役目だろう?」「えっ」ボランティアの私を絶句させた、高齢男性の『耳を疑う一言』

寄り添う心が仇に?

地域の手話サポーターとして、またボランティアサークルの運営として、私は「聞こえ」に悩む方々に寄り添ってきました。

最近手話サークルに入会した、高齢の中途失聴の男性Aさんもその一人。

中途失聴の方は発話が明瞭なことが多く、「本当は聞こえているのでは?」と誤解を受けがちです。

その孤独や大変さを知っていた私は、Aさんが孤立しないよう、誰よりも丁寧に、親身に話を聞くよう心がけていました。

しかし、私の「歩み寄り」は、いつしか彼の中で「何を言ってもいい相手」という甘えに変換されてしまったようでした。

凍りついた、役割を履き違えた一言

ある日のこと。

Aさんが「美術館に行きたいから、一緒に行こう」と言い出しました。

私は冷静に、丁寧に断りました。しかし、Aさんはしつこく食い下がります。

「交通費も出すし、飯も奢るから。僕を助けるのが、君の役目だろう?」

その言葉に、背筋が凍るような思いがしました。

私がボランティアとして費やしてきた時間や専門性、そして寄り添っていた心。

それらはすべて「公的な善意」であり、個人的な好意ではありません。
自分への個人的な好意だと誤解し、不躾に距離を詰めようとしたのです。

土足で踏み込む相手にズバッと

執拗な勧誘はエスカレートし、ついには私生活にまで干渉するように。

ボランティアという善意が、土足で踏み荒らされる切なさを感じました。

私は「これ以上は、お互いのためにならない」と確信し、毅然とした態度で告げました。

「Aさん、誤解しないでください。私があなたに丁寧なのは、あくまでサークルの運営としての役割です。個人的なお付き合いは望んでいませんし、これ以上の干渉は活動の妨げになります。ルールを守っていただけないなら、運営として厳正に対処いたします」

Aさんは「小娘が何言ってんだ!」と吐き捨てて、去っていきました。

「困っている人を助けたい」という気持ちは、相手との対等な敬意があってこそ成り立つもの。

失礼な振る舞いに振り回され、自分をすり減らすくらいなら、私は冷たいと思われても仕方がないと思っています。

それは、ボランティアという活動の質を保つための「責任ある行動」でもあります。

自分の心を守る境界線を引くことの大切さを、身をもって学んだ出来事でした。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2026年4月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。

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