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混迷の時代に、ファッションは何を語るのか。2026-27年秋冬パリ・ファッションウィークリポート【前編】

  • 2026.5.13
LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT

今季のパリ・ファッションウィークは、イスラエルとアメリカによるイラン攻撃という緊迫したニュースが世界を覆った数日後に幕を開けた。ヨーロッパでも政治的緊張が高まり、連日各国首脳の対応が報じられるなか、街にはどこか落ち着かない空気が漂っていた。スクリーンに流れてくる空爆の映像と、目の前に広がる華やかなファッションの祭典。そのあまりに大きな隔たりは、今この時代にファッションが何を語り、何を示せるのかをあらためて問いかけていた。

だからこそ今季は、ノスタルジーや手仕事に宿る安心感、女性の芯の力強さ、未来へと前進するためのユーモア、そして日常に小さな喜びを取り戻す遊び心といった価値が、例年以上に鮮明に浮かび上がった。ファッションは人の心を鼓舞し、明日へ向かう気持ちを取り戻させることができるのか――。ランウェイに託されたそれぞれの答えを、デザイナーたちの肉声とともに読み解いていきたい。

サンローラン

アンソニー・ヴァカレロが今季の軸に据えたのは、ちょうど60年前に創業者イヴ・サンローランが生み出した伝説の”ル・スモーキング”だった。女性のためのタキシードとしてファッション史を書き換えたこのアイコンを、彼は現代的な厳格さと静かな官能をまとわせながら再構築。シングル、ダブル、鋭い肩、絞られたウエスト——黒のスーツ群は、力強さと誘惑を同時に宿していた。

Umberto Fratini
Umberto Fratini

続いて登場したのは、透明なレースのランジェリーやスリップドレス。しかしその繊細な素材はシリコンでコーティングされ、柔らかさよりもむしろテーラリングのような構築性を帯びている。脆さが強さへ、親密さが権威へと転化される瞬間だった。一方で、誇張されたシアリングやフェイクファーのコートは、身体を包み込む防具のようでもあり、都市に生きる女性の孤独と官能を同時に映し出していた。

Umberto Fratini
Umberto Fratini

今季は、メゾンが長年まとってきたコードを繰り返し呼び起こしながら、その語彙(ごい)を更新し、継承していく真摯(しんし)な姿勢が際立っていた。時代がどれほど移ろっても、女性を強く、美しく、少し危険に見せるというこのメゾンの本質は変わらない。ヴァカレロは今季もまた、その永遠性を確かに証明してみせた。

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ロエベ

ジャック・マッコロー&ラザロ・ヘルナンデスによる新生「ロエベ」は、セカンドシーズンとなる今季が本格的な幕開けだ。各国のジャーナリストが押し寄せたバックステージでふたりは、「デビューシーズンを経て私たちは今、恋に落ちていくような感覚を感じています」と話し始めた。「デザイナーとして自分たち自身を再発見しているし、自分たちが何を語りたいのかも改めて見つめ直している。まさに新章の始まりのようだ。私たちの仕事は、世界をつくること。宇宙をつくること」

Courtesy of Loewe
Courtesy of Loewe

会場に満ちていたのは、彼らが語る通りの“再生”のエネルギーだった。そしてそのエネルギーが向かう先にあったのが、「ロエベ」にとっての核心ともいえる“クラフト”の再定義である。メゾンの歴史に深く根差すクラフツマンシップを、現在進行形の伝統として捉え直すこと。「手仕事にテクノロジーを融合させ、昨日までは作れず、今日だからこそ作れるものを生み出したい」と強く語ったふたり。

Courtesy of Loewe
Courtesy of Loewe

その思想は、ランウェイの至るところで具現化された。空気を注入したレザーのポケットやフード、裏地が膨らんで横へせり出し、風船かのような浮遊感を生み出しているコート。重さを足さずにボリュームを生むため、「空気より軽いものはない」と彼らは言う。つまりふたりがメゾンにもたらそうとしているのは、手仕事とテクノロジーを融合させることで、新しい“クラフト”の可能性を押し広げることだと、ルックそのもので端的に示している。ユーモアと機能、技術と夢想が同居するコレクションには、まるでゼリーのように揺れるラテックス素材のドレスや、トリミングを終えたばかりのプードルのようなシアリングジャケットまで登場した。

Courtesy of Loewe
Courtesy of Loewe / LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT

さらに、会場にはアーティスト、コジマ・フォン・ボニンの巨大な海洋生物や犬たちの造形作品が並び、ショー全体をどこか童心的でシュールな世界へと導いた。「クラフトとは作る喜びであり、今の世界にはもっと喜びと遊び心が必要だ」と話す二人に、反対する者はおそらくいないだろう。ジャック&ラザロによる「ロエベ」の物語はまだ序章にすぎない。けれどそこはすでに、軽やかで、自由で、少し風変わりで、あらがいがたい魅力で輝き始めている。

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ドリス ヴァン ノッテン

ジュリアン・クロスナー率いる「ドリス ヴァン ノッテン」は、“ノスタルジー”がキーワードとして浮上した今季のムードを象徴する存在の一つである。舞台となったのはパリの高校。クロスナーが半年前に会場を訪れた際、ベルとともに生徒たちがなだれ込む光景を目にし、「学生時代を思い返す感覚は、とても普遍的なものだ」と感じたという。そこを出発点に、制服と個性がせめぎ合う「自己が形づくられていく過程」を、青春という誰もが通過する時間を通して描き出した。

Luca Sorrentino / LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
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ブレザー、クレスト付きブルゾン、ネクタイ、チェック柄、ダッフルコート。規律を象徴するこれらの服は、同時に着る者が“自分らしさ”を書き込むキャンバスでもある。クロスナーは「制服は世界共通の存在であり、人はそこに小さな個性を加えていく」と語る。一方で、色あせたデニムや幼少期を思わせるニット、大ぶりのパデッドジャケットは、大人へと成長してゆく若者が服に求める安心感の象徴として提示された。「身体を包み込むドレープや、羽毛布団のように心強い服を作りたかった」という言葉どおり、感情の揺らぎに寄り添う衣服が並ぶ。

Luca Sorrentino / LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
Luca Sorrentino / LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT

さらに、17世紀ベルギーで隆盛を極めたフランドル静物画から着想した花や果実のプリントは、ピクセルへと変換された。遠目には鮮明に映りながら、近づくと色の四角形へと分解されていくその表現は、世界をまだ完全には理解できないティーンエージャーの混乱そのもの。加えて、ブランドの拠点であるアントワープを「隠れた特別なものが詰まった宝箱」と表現する彼は、その街の多文化的な記憶やそれぞれのルーツの断片を重ねるように、装飾やジュエリーにも異なる時代や土地のエッセンスをちりばめた。未完成で不安定、それでも鮮やかに輝く青春。その矛盾ごと抱きしめながら、大人へと向かうためのワードローブを提示した。

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アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッド

荒れ果てたこの世界のために、ファッションは何ができるのか? 影響力あるビッグメゾンのデザイナーたちがそんな難題に向き合うなか、アンドレアス・クロンターラーは自身の経験をも重ねながら、なお明るい未来へと歩み続ける意思をショーに率直に託した。彼は、「世界はひどく困難な状態にある。でも立ち止まることはできない。立ち止まってはいけないのです。私は決して忘れられない喪失を抱えながらも、なお前に進み、楽しみ続けたい」と語る。ヴィヴィアン・ウエストウッド亡き後3年、その言葉にはブランドを継承する者としての覚悟がにじんでいた。

LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
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これまで以上にユーモアにあふれた、今季の着想源は三つ。まずはオーストリアの伝説的女優、ロミー・シュナイダー。モデルたちのきらめくメイクにも投影された多面的な顔と、大胆な選択を恐れない生き方に、クロンターラーは「彼女はとても力強く、リスクを恐れなかった」と敬意を示す。その精神は、切りっぱなしの縫い目や不規則に身体へ絡みつくドレープ、感情の揺らぎを映すようなシルエットとなって現れた。

LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
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ニつ目は、映画『カンタベリー物語』の作者ジェフリー・チョーサーが持つ、ユーモアを伴った現実的な感覚。チェックのカーコート、タキシードジャケット、ストライプ、ランジェリー、ガーターベルト、ストッキング。メンズとウィメンズ、上品さとわいざつさ、伝統と反逆が、少しずつズレながら混ざり合う。

LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
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そして三つ目は、映画『カンタベリー物語』で衣装を手がけたデザイナ、ダニーロ・ドナーティの世界。ラストを飾ったブライダルルックには、その影響が色濃い。布を巻きつけ、端を切りっぱなしのまま垂らしたアイボリーのスーツに、古代世界を思わせる巨大なヘッドピース。荒々しさと神聖さ、パンクとロマンスが同居する、いかにもウエストウッドらしい花嫁像だった。クロンターラーは最後に、「情熱を注ぎ込めるなら、自分のやることは正当化できる」とも話した。今季のコレクションはまさにその証明だろう。悲しみを抱えたまま、なお笑い、着飾り、人生を続けること。ブランドは今も、服を通して生きる勇気を語っているのだ。

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クレージュ

今季の「クレージュ」は、ニコラス・デ・フェリーチェによる最後のショーとなった。5年半にわたりメゾンを率い、ミニマルで未来的なアーカイブに現代的な官能を注ぎ込んできた彼は、ショー後に退任が発表された。タイトルは、クレージュ ウーマンの24時間。その名のとおり、一人の女性の24時間を追うワードローブとして構成された。

Courtesy of Courrèges / LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
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ランウェイはパリの路地を思わせる細い通路。朝を告げる目覚まし時計の招待状から始まり、会場はコーヒーを淹れる音、鍵を開ける音、メトロのざわめきへとサウンドが移ろう。白いサテンのドレスはベッドシーツをまとったように現れ、やがてシャープなコート、膨らんだファネルネック、端正なシャツドレスへと続く。日常のスピードと現実感が、「クレージュ」らしい幾何学性のなかに溶け込んでいた。彼は「余計なディテールは多くない。本当に必要なものだけ。それが私にとっての『クレージュ』の本質」と語っている。装飾をそぎ落としながらも、シルエットと素材、身体との距離感によって女性を美しく見せること。その思想こそ、彼がこの5年半でメゾンにもたらした最も現代的なアップデートだった。

Courtesy of Courrèges / LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
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ルックが終盤に差し掛かると夜の気配が漂い始める。光沢あるビニール、鋭いカットアウト、身体をなぞるチューブドレス、透ける素材のタートルネック。さらに、パリのメトロ切符やクローク札をオーガンザに刺しゅうしたスカートやドレスは、都市生活の断片をクチュールへと昇華する遊び心に満ちていた。新作バッグ“シャドウ”も、入れた荷物の輪郭が表面に浮かび上がるユニークなデザインで、日常をアクセサリーへ転換したウィットなアイデアだ。

Courtesy of Courrèges / LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
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そしてフィナーレでは、全ルックが純白へと置き換えられて再登場する。ニコラスは、「『クレージュ』といえば白。光であり、純粋さであり、平和をも象徴する」と語った。それは新たな章のための白紙であり、自身の退任に寄せた余韻でもあった。都会的でセンシュアルな「クレージュ」像を提示した5年半は、メゾンの未来に確かな方向性を残した。そして次のシーズン、そのバトンは新アーティスティック・ディレクター、ドリュー・ヘンリーへと受け継がれる。

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ジュンヤ ワタナベ

体力も精神力も限界まで削られていくパリ・ファッションウィークのただ中で、ときに魂を揺さぶるようなショーに出会うと、不思議とまた前へ進む力が湧いてくる。今季、その存在となったのが「ジュンヤ ワタナベ」だった。タイトルは「The Art of Assemblage Couture」。アイデアの核にあるのは、捨てられたもの、使い古されたもの、そして忘れ去られたものに、もう一度価値と美しさを見いだすこと。昨季から継続するテーマではあるが、今季はそれを、確かな威厳をたたえたクチュールの幻影へと昇華させた。

LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
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舞台は架空のタンゴクラブ。モデルたちは激情的な身振りで歩き、視線を投げ、コートを床へ落とし、まるで無声映画の女優のようにドラマを演じた。演出を手がけたのはコレオグラファーのパット・ボグスワフスキ。ジョン・ガリアーノ時代の「メゾン マルジェラ」のショーの振り付けで広く注目を集めた人物であり、その身体表現の美学が今回もランウェイに濃密な緊張感をもたらした。

LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
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フォトフレーム、イブニングバッグ、ナンバープレート、ぬいぐるみ、カーテン、緊急用ブランケット、そしてバイク用ヘルメットやプロテクター。通常なら廃棄される素材たちは、コルセットやケープ、トレーン付きドレス、誇張されたショルダーやシルエットへと変貌する。レザーグローブは袖となり、ヒール靴は背中を飾り、硬質なプラスチックは未来的なペプラムを形づくった。ガラクタの寄せ集めでも皮肉に見えないのは、デザイナー渡辺がそれらを素材ではなく“記憶”として扱っているからだろう。ラグジュアリーとは新品であることなのか、美しさとは高価であることなのか。「ジュンヤ ワタナベで示された答えは明快だ。捨てられたものからでも、夢見るような美は生まれる。そんな希望を示した、壮麗な美のロマンスだった。

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セシリー バンセン

「ユニクロ」との初コラボレーション発表でも大きな話題を呼んでいる「セシリー バンセン」。フェミニンで夢想的な世界観を、より広い層へ届ける新章の幕開けとも言えるなか、今季はその人気の理由でもあるブランドの本質をあらためて示してみせた。タイトルは”Practice”。セシリー・バンセンは「“Practice”とは何か大きなものへの準備ではない。反復、情熱、そしてクラフトを磨き続ける行為そのもの」と語る。

Alessandro Viero / LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
Alessandro Viero / LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT

今季、ランウェイは従来のショーではなく、ダンスのリハーサルスタジオへと変貌した。マルト・ジョルジアディ率いるダンサー集団が、ストレッチし、跳び、回転しながら服とともに空間を横切る。衣服は静止したオブジェではなく、身体とともに呼吸し、動きのなかで完成されるものだと物語っていた。

MOON_INTERNATIONAL

ブランドの代名詞であるパステルカラー、花びらのようなテクスチャー、ふくらみのあるシルエットは健在だが、今季はより成熟した印象だ。バイアスカットのシルクサテンは身体に寄り添い、そこからふわりと解き放たれる。さらにフリース、リサイクルナイロン、アノラック、パファーなど実用的な要素が重なり、ロマンチックな世界観に現実味が宿る。

Alessandro Viero / LAUNCHMETRICS SPOTLIGHT
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なかでも注目は、継続する「ザ・ノース・フェイス」との第4章コラボレーション。アウトドア由来の機能服に、刺しゅうや花のディテールを重ねることで、詩情と実用性が自然に交差する。甘さだけでは終わらない、現代を生きる女性のためのクチュール。「セシリー バンセン」は今、夢見る服を躍動感に満ちたデイリーウエアへと進化させている。

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マメ クロゴウチ

ファッションにオリジナリティーが宿るとするなら、それはデザイナー自身のアイデンティティーが投影されてこそ生まれるものだ。繊細な感性で、日々の暮らしを美しい衣服へと変えてしまう「マメ クロゴウチ」は、まさにその好例だろう。今季は、黒河内真衣子デザイナーの都市と自然、東京と故郷・長野の山々を往来する現在の暮らしから生まれた。「前回が子どもの頃のノスタルジーだとすると、今回は今の私自身の記憶に近い」と、彼女はその制作背景を振り返る。深い霧に包まれる稜線(りょうせん)、突然ホワイトアウトする山の景色、グラスの結露越しに揺らぐ視界――そうした体験が、今季のテーマである“透明な景色”として衣服へと昇華された。

Courtesy of MAME KUROGOUCHI
Courtesy of MAME KUROGOUCHI

極細のナイロンスパーク糸で織られたファブリックは湯気のように揺らぎ、アシンメトリーなドレスやブラウスとなって身体を包む。黒河内デザイナーは、「霧って触れられないもの。それをどういう起毛や織りで表現できるか考えた」と明かした。和紙に描かれた山野草を手捺染(なっせん)したフーデッドコートやフィールドジャケット、氷漬けの草花を思わせるシアーなアノラックやケープも登場し、ブランドのクラフト的言語とアウトドアの機能性が静かに交差した。深いグリーンのパレットも、新緑や濃霧の奥に沈む木々、和ガラスのエメラルドグリーンを想起させる。

Courtesy of MAME KUROGOUCHI
Courtesy of MAME KUROGOUCHI

さらに、創業60年を超える「土屋鞄」との協業によるレザーグッズも初披露された。ランドセルづくりで培われた軽さと耐久性が、繭型バッグやレザーベスト、小物へと転換。完成度の高いレザーグッズについて彼女は、「私が本当に使いたいと思うアイテムをデザインしました」と続ける。「私自身がブランドのお客さんでもある。着こなしや日々使うアイテムに向き合い、実際に着て感じた心地よさや気づきを、どのようにデザインへと還元していくかが、ものづくりにおける重要な軸になっています」。自身の生活実感を起点に、日常に寄り添う美しさを追求する姿勢こそ、「マメ クロゴウチ」が支持される続ける理由である。

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