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「ロンシャン」×アート! KYOTOGRAPHIE 2026で語られた“女性と自分らしさ”

  • 2026.5.8
©Longchamp

1948年にパリで創業し、“オーセンティシティとエナジーの融合”をコンセプトに、ラグジュアリーなハンドバッグやトラベルアクセサリー、プレタポルテを通じて、世界中の人々を魅了し続けてきた「ロンシャン」。メゾン初の試みとして、現在開催中の「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2026」にて、以前からサポートするケニア人女性アーティスト、タンディウェ・ムリウの代表作〈Camo〉を、江戸時代中期から続く帯屋「誉田屋源兵衛 竹院の間」に特別展示。

「ロンシャン」のクリエイティブ・ディレクター、ソフィ・ドゥラフォンテーヌ(左)と、アーティストのタンディウェ・ムリウ(右)。 ©Longchamp

写真家のタンディウェは、アフリカの“ワックス・プリント”と呼ばれる色鮮やかなテキスタイルを女性モデルの衣装や背景に使用し、イリュージョンのように一体化した唯一無二のポートレートを創作。まだまだジェンダー格差のあるケニア女性に対するエンパワーメントを表現している。京都に降り立った、インパクトある作品を前に、来日した「ロンシャン」のクリエイティブ・ディレクター、ソフィ・ドゥラフォンテーヌと、タンディウェ・ムリウが、創作を通じて共鳴すること、女性への思いなどを語った。

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鮮烈なインパクトで圧倒するタンディウェのアート

<em>The Queen’s Speech</em>, 2023 © Thandiwe Muriu, Courtesy 193 Gallery

ソフィ 5年ほど前にパリで行われていた展覧会でタンディウェの作品を初めて見ました。自信に満ちあふれ、生き生きとした女性の美しさやエナジーに圧倒され、引き込まれずにいられませんでした。私も自分が作るものを通して、女性に自信を持ってもらいたい、人生の日々が彩りあふれるものになってほしいと思いながら制作をしてきたので、タンディウェの作品に共感し、心打たれたのです。

タンディウェ 「ロンシャン」と私の創作は、色や喜びにあふれているというところが共通点だと思います。今回展示している〈Camo〉シリーズは、女性であること、“女性性”を再定義するような思いで表現したものです。私はケニアの広告写真の分野でほぼ初めての女性写真家で、男性社会のなかでキャリアを積み、型にはまらない人生を歩んできました。なので、女性に対する見方はひとつではない、女性に向けられた社会的なバイアスに挑む気持ちもあります。

©Longchamp
©Longchamp

ソフィ 今回、KYOTOGRAPHIEで展示を行った老舗帯屋「誉田屋源兵衛」は、長い歴史と家族でサヴォアフェールの伝統を守ってきた場所で、それはまさにファミリーメゾンとして代々受け継いでいる「ロンシャン」と重なる部分があります。こういった空間にタンディウェのエナジーにあふれ、見るだけで心に喜びが生まれるような作品を展示する、そのコントラストに観客は刺激されると思います。

タンディウェ 日本の伝統と文化が生まれ、受け継がれてきたこの特別な場所で展示できたことを、心から誇りに思っています。

家族やチームの絆をベースに創作すること

<em>The Space Between Love and Comfort</em>, 2025 © Thandiwe Muriu, Courtesy 193 Gallery

タンディウェ 私の作品はケニアにある普通のスタジオで撮影しています。“ワックス・プリント”を背景にして、同じ柄で私がデザインし、地元の仕立て屋で作ってもらった洋服をモデルに着せ、アフリカの伝統的なヘアスタイルを髪結い師に再現してもらっています。自分のコミュニティやローカルの専門家の力を借りて、みんなで意見を出し合いながら制作を進めています。アフリカには「太鼓はひとつの指じゃ叩けない」というようなことわざがあって、ひとりの人の後ろには多くの人がいる、ひとりでできることには限度があるけれど、みんなで互いに信頼して成し遂げられることがあると思います。

ソフィ 「ロンシャン」は家族経営のブランドなので、“家族”は大切なキーワードですが、社員や職人、みんなで同じストーリーを思い描いて、夢を見ながら進んでいくという絆が一番大事です。私自身、得意不得意がありますから、みんなで手を取り合ってブランドを作り上げている部分は、タンディウェのチームワークとまさに同じです。

©Longchamp

タンディウェ 私が活躍することによって、ケニアの自分のコミュニティに対しても希望を与えられていたらうれしいです。自分の型破りな部分、自分らしさを大事にする部分、そこに共感してくれた人たちとまた新たなコミュニティを作って世界が広がりましたし、それを支援してくれる人たちにもつながることができました。

ソフィ 「ロンシャン」ではこれまで、さまざまな国やバックグラウンドのある女性アーティストとコラボレーションや支援を行ってきました。私が女性アーティストに興味を持った背景には祖母の影響があると思っています。祖母はアートはもちろんのこと、アーティストその人自身に興味があり、直接会って会話したり、交流を大切にしてきました。私もその姿勢に共鳴していますし、受け継いでいるところがあるのかもしれません。今回のタンディウェもそうですが、一歩踏み出す勇気がある人、新しい道を切り開こうと挑戦できるようなアーティストに深く共感しています。

自分らしさを表現することは、社会を映す鏡でもある

©Longchamp

ソフィ 作品においても、日常においても、自分らしさを表現することは大切でありながらとても難しいことだと思います。でも、フランス女性の場合、もともと自分が思ったことや感じたことを、自由に話す、発言できる社会に暮らしてきたので、友達同士であっても政治の話をしたり、特になんの制限なくいろんな話をしてきたことは、“自分らしくいる”ということに直結しているのかもしれません。

タンディウェ ケニアでは、都市部では少しは進歩してきていますが、昔ながらの部族などが残る地域では、そもそも女性は会議などに参加できないですし、参加できたとしても発言権はない。だからこそ、“ワックス・プリント”を使って、自分の着方によって女性たちは自分のメッセージを伝える、自分を主張する文化があるんだと思います。逆にフランスなどでは、なんでも発言できる自由があるからこそ、エフォートレスなファッションでも自分を表現することができるのではないかと。

ソフィ 実はそのエフォートレスに見える裏には、たゆまぬ努力があるのです(笑)。

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Thandiwe Muriu(タンディウェ・ムリウ)

1990年生まれ。アイデンティティ、コネクション、エンパワーメントといったテーマを作品を通して探求するケニア出身のアーティスト。ムリウの作品は、主にワックス・プリントや東アフリカのカンガ布といったテキスタイルの物語から着想を得ており、それらの布をキャンバスとして再定義し、讃え、記憶するために作品に用いている。現在もケニアを拠点に活動中。https://www.instagram.com/thandiwe_muriu/?hl=ja

Sophie Delafontaine(ソフィ・ドゥラフォンテーヌ)

ロンシャン創業家の3代目。クリエイティブ・ディレクターとして、フランスならではの暮らしの美学に独自のひねりを加えて再解釈し、“joie de vivre(生きる歓び)”に満ちた現代のパリジェンヌを彷彿とさせるロンシャン・ウーマンのスタイルを発信し続けている。2026年、ロンシャンはB Corp(TM)認証を取得し、社会や環境へのコミットメントを表明するとともに、厳格かつ責任ある行動を誓っている。

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「Camo Presented by LONGCHAMP」
(「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2026」)

会期:~5月17日(日)
会場:誉田屋源兵衛 竹院の間(京都府京都市中京区室町通三条下ル烏帽子屋町489)
営業時間:10:00〜18:00(無休、入場は閉館の30分前まで)

※チケットの詳細はKYOTOGRAPHIE公式ホームページにてチェック。

お問い合わせ/ロンシャン・ジャパン 0120-150-116 https://www.longchamp.com/jp/ja/

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