1. トップ
  2. エピソード
  3. 「アポ無しは迷惑だし自分で捌けないなら持ってくるな」土曜朝に大量の生魚を抱えてきた義母→夫の一喝で晴れた空

「アポ無しは迷惑だし自分で捌けないなら持ってくるな」土曜朝に大量の生魚を抱えてきた義母→夫の一喝で晴れた空

  • 2026.5.10

のんびりした土曜の朝に響いた突然のチャイム

その日は、結婚して初めて夫婦そろって完全オフの土曜日でした。前夜のうちに掃除も洗濯もすませてあって、寝坊して、ふたりでブランチを楽しもう。そんなふうに前の晩からゆるく計画していた、特別な朝だったのです。

カーテン越しの光がまだやわらかい時間帯、玄関のチャイムが突然ピンポーン、と鳴りました。続けて、もう一回。

心臓がぎゅっと縮む感覚を覚えながら、寝間着のまま玄関に向かってドアを開けると、そこに立っていたのは満面の笑みの義母。

「近くまで来たから」

箱の中を覗くと、氷漬けのアジとサバがびっしり。

見るからに、丸ごと一匹のままの生魚が十数尾入っていました。釣り好きな親戚から急にもらったものを、そのまま私たちのところへ運んできたらしいのです。義母はにこにこと、当然のような顔で私たちを見つめています。

正直に言えば、私は魚をきれいに捌くことができません。スーパーで切り身を選んで暮らしている世代です。

受け取ったところで、土曜の朝が一日まるごと魚処理に消えるのは確実でした。アポも何もなく、こちらの予定も聞かずに玄関先に押し付けてくる。胸の奥がじわじわと重くなって、私はとっさに笑顔の作り方を見失いました。

夫が玄関で告げた直球の一言

そのとき、寝起きのまま私の後ろに立っていた夫が、ふわっと欠伸を一つしてから、義母に向かって落ち着いた声で口を開いたのです。

「アポ無しは迷惑だし自分で捌けないなら持ってくるな」

遠慮も飾りもない、直球の一言でした。

義母は箱を抱えたまま、笑顔のかたちのまま、しばらく動きが止まってしまいました。何かを言い返そうとして、結局言葉が出てこない。私のほうも息を呑んだまま、玄関の三和土に立ち尽くしていました。

「持って帰って、捌ける親戚に渡してきて」

夫は冷静なまま、玄関先で淡々と続けました。義母は反論を諦めたのか、ぎこちなく頷いて帰りました。

振り返って顔を合わせた瞬間、私のほうから自然に笑いがこぼれました。胸の中にずっと溜まっていた小さなモヤモヤが、するっとほどけていく感覚があったのです。

リビングに戻って、夫はあらためてコーヒーを淹れてくれました。マグカップを両手で包みながら見上げた窓の外は、なんだか妙にすっきりと晴れていたのでした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる