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出産直前にモラハラ夫の浮気が発覚! 離婚すべきか再構築か。臨月のサレ妻が下す“命がけ”の決断とは?【書評】

  • 2026.5.4

【漫画】本編を読む

『臨月で浮気されました』(シク:漫画、毒島麗子:原作/KADOKAWA)は、出産を目前に控えた女性が夫の裏切りを知るという、あまりにも過酷な現実を描いた実録コミックエッセイだ。タイトルの衝撃そのままに、人生の大きな節目で起きた裏切りと、その後の夫婦関係の葛藤が赤裸々に描かれている。

主人公の毒島麗子は、2歳年下の夫と結婚して5年。待望の第1子を授かり、数週間後には出産を控えていた。幸せな家庭がようやく形になり始めた矢先、夫の浮気が発覚する。しかもその時期は、妻が臨月を迎え命がけの出産を控えている最中だった。モラハラ気質の夫は、見知らぬ女性と関係を持っていたのである。

妊娠中の妻は体調も精神も揺らぎやすく、本来ならパートナーの支えが最も必要な時期でもある。その最中に起きる夫の裏切りは、読み手に強い怒りとやるせなさを抱かせる。しかも、臨月という心身ともにかなり不安定な時期に裏切りを受けるという状況はさらに残酷だ。

しかし本作は「サレ妻の復讐劇」ではない。麗子は怒りや絶望を抱えながらも、出産という現実と向き合わなければならない。子を産み、その後夫とどう向き合うのか、そして家族という関係をどう築くのか。復讐よりも深刻な人生の大きな選択を迫られるのである。浮気発覚後の夫婦の衝突や葛藤、そして離婚か再構築か、麗子の「決断」をじっくり追っていく物語なのだ。

「なぜそんな男と夫婦を続けるのか」「もし自分だったらどうするのか」。ページをめくりながら何度も問いかけられることになるだろう。裏切りを許すか、断ち切るか。その選択は簡単に白黒つけられるものではない。麗子の決断に共感したり、反対したりと心が揺さぶられるだろう。

出産という人生最大級の出来事と、夫の裏切りという最悪の出来事が同時に訪れる。本作は、そんな極限状況の中で揺れる女性の感情を生々しく描いた壮絶な物語である。

文=ヒルダ・フランクリン

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