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ジャパニーズ・ビューティブランド注目6選。美の力で地方創生!

  • 2026.4.30
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人口減少や高齢化による担い手不足、増える耕作放棄地……。都市への一極集中が進むなか、日本の地方が現在進行形で抱える問題について、見聞きしたことがある人も多いはず。

いま、こうした地方の停滞に対し、寄附や原材料の買い付けといった支援にとどまらず、事業そのものを地域再生の仕組みとして設計するビューティブランドが増えている。捨てられる運命だった資源を活用したり、地域に雇用とコミュニティを生み出したり、さらにはまちづくりにまで関わったりと、地域ごとの課題に沿って、その規模もアプローチもさまざま。

日々のスキンケアタイムが、巡り巡って遠く離れた誰かの居場所や、数十年後の森を育む。そんなポジティブな循環を目指す日本のビューティブランドと、そのアイコン製品をご紹介。

明日 わたしは柿の木にのぼる

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廃棄予定の“柿の皮”で、地域と女性をエンパワー

「もともと私は、前職で東日本大震災からの復興支援に関わっていました。福島に通うなかで、この土地の美しさや、人のあたたかさ、そしてここで暮らし働く方々の粘り強さに、何度も心を動かされました」

そう語るのは、「陽と人(ひとびと)」の代表であり、2020年にデリケートゾーンケアブランド「明日 わたしは柿の木にのぼる」を立ち上げた小林味愛さん。ユニークなブランド名にもある通り、製品には、福島県国見町の特産品、“あんぽ柿(通常よりも水気を多く残した、半生のような食感が楽しめる干し柿)”の製造工程で廃棄される柿の皮を独自原料として活用。女性の健康に向き合うアイテムを展開しながら、地元農家に新たな収入源ももたらしている。

東京出身だった小林さんが、縁もゆかりもない国見町で事業を始めたのは、前述の復興支援がきっかけ。

「地域には本当に良いものがたくさんあるのに、その価値が伝わっていなかったり、担い手不足や販路の課題などによって、継続が難しくなっていたりする現実も知りました。“支援する”“応援する”という立場ではなく、自分自身が地域の中に入り、事業として力になりたい。そう思うようになったことが、国見町で挑戦を始めたきっかけです」

代表の小林味愛さん Hearst Owned

「陽と人」では「明日 わたしは柿の木にのぼる」の運営のほかにも、見た目や規格の問題で流通しづらい果実の販売や加工、商品開発も行っている。これも、地域の農産物や未活用資源に新しい価値を生み出し、生産者が少しでも報われる形をつくりたいという想いから。こうした試みは多方面から注目を浴び、2024年にはふくしま経済・産業・ものづくり賞で最高賞となる知事賞を、2026年には全国の地方新聞と共同通信が主催する地域再生大賞も受賞している。

福島にも拠点を置きながら、地域の“当事者”として事業を進めてきた小林さん。いちばん嬉しいのは、「地元の人々が自分の仕事に対して改めて誇りを持ってくれること」なのだそう。

「地域のなかにある文化や知恵、丁寧な仕事は、本当はとても尊いものなのに、その価値が見えにくくなってしまうことがあります。そうしたものを磨き上げて伝えることで、地域の方自身がその価値を再発見してくださるのは、とても大きな喜びです」

あんぽ柿の生産風景 Hearst Owned

最近では、県内外出身の社員が増え、地域の人々と一緒に働きながら育っていく姿にも、希望を感じているのだとか。

「これからも、地域にある価値を“懐かしいもの”“守るべきもの”としてだけでなく、次の世代が希望を持てる仕事として育てていきたいです。福島の魅力を、もっと多くの方に、やさしく、でも確かに届けていけたらと思っています」

アイコン製品はこれ!
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フェミニン オイル30ml ¥4,400
人には相談しづらいデリケートゾーンのムズムズ感・不快感に寄り添う、ブランド内でも人気のフェムケアオイル。柿の皮から抽出されたうるおい成分配合で、乾燥しやすいデリケートゾーンを保湿できるだけでなく、洗浄アイテムとしても使用可能。さらっとしたテクスチャーも魅力。

問い合わせ先/陽と人 info@hito-bito.jp

Itoguchi(イトグチ)

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“消滅可能性都市”の伝統を継ぐ、シルクコスメ

シルク由来の美容成分を使ったスキンケアやボディケアアイテムで人気を集める「Itoguchi(イトグチ)」。京都に次ぐ着物の産地としても知られる新潟県十日町市で、2022年に誕生したブランドだ。運営するのは、1978年に呉服卸業から事業をスタートした地元企業「きものブレイン」。全国で初めてクリーニングや修繕といった“着物のアフターケア事業”を始めた企業としても知られている。

着物事業から、意外にも思えるコスメブランドが誕生したきっかけは、消滅可能性都市(※)に認定されるほど深刻な十日町市の人口減少や高齢化。かつては養蚕業も盛んだったものの、若者の市外流出や後継者不足により、伝統の灯が消えかけていたのだそう。

そんななか、「若者が結婚・子育てをしながらも働き続けられる環境をつくりたい」、さらには「新たなシルク産業を生み、養蚕業を復活させたい」という地元企業としての使命感から、化粧品の開発・販売がスタートした。

新潟県十日町市の「きものブレイン」本社 Hearst Owned

「シルクの製糸に携わる職人は、水仕事が多いのに手が綺麗」――そんなふうに言い伝えられるほど、十日町ではシルクの“美肌力”が経験的に知られていたことも、シルクコスメの事業が選ばれた理由のひとつ。なかでも「Itoguchi」がこだわったのは、野生の蚕に近い特徴を持つ“みどりまゆ”由来のシルク成分。一般的な白色のまゆより、セリシン、フィブロイン、フラボノイドといった美容成分の含有量が多いという。

育てるのが非常に難しいと言われるみどりまゆの安定的な生産を実現するため、さらには新たな養蚕の形で十日町やシルク産業を盛り上げるため、「きものブレイン」では約3年の歳月をかけて、世界初の大型無菌工場を完備。現在は、みどりまゆからシルク成分を抽出し、製品に配合するところまで、十日町市の自社で一貫して行っている。

絹糸用に生産されるまゆとは異なり、みどりまゆは黄緑色 Hearst Owned

そんな希少なシルク成分を贅沢に生かしたコスメは、美容好きからも注目の存在に。広報を担当する澤口さんは、「ブランドをきっかけに十日町市の存在を知って、実際にお越しいただく方が増えていると地元の観光協会からも評価をいただいています。また、着物業界や養蚕への興味を持ってお問い合わせいただく方も増えています」と語る。地域ブランドとしても認知を広げており、市で開催されるイベントなどにも出展・提供を行うなど、地元に愛されるブランドとして成長している。

同社はまた、着物修繕の職人育成のために全国の芸大・美大から新入社員を積極的に採用し、移住者の増加にも貢献。十日町市の人口約4万5000人に対し、「きものブレイン」の従業員数は252名(2026年3月31日現在)と、市内の中小企業として最大規模の雇用を創出している。

「Itoguchi」という新たな挑戦とともに、伝統文化の継承や雇用を創出する取り組みは、地域に新たな人の流れを生んでいると言えそうだ。

アイコン製品はこれ!
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みどりまゆBODY&HAIRモイストシャンプー 400ml ¥3,960
髪・顔・体を1本で洗うことができる全身シルクシャンプー。みどりまゆシルクの保湿力を最大限に生かしただけでなく、肌や髪に効果的にうるおいを残せる処方に。シャンプー後のヘアトリートメントや、ボディクリームさえも不要のしっとり感。

問い合わせ先/きものブレイン tel. 0120-611-240

※ 20~39歳の若年女性人口が2040年(もしくは2050年)までに半減し、将来的に存続が危ぶまれる地方自治体

SHIRO(シロ)

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“ペイフォワード”をモットーに、多様なしあわせを届ける

フレグランスやスキンケアで人気の「SHIRO(シロ)」も、地域活性化に積極的に取り組むビューティブランドのひとつ。その代表的な例が、2023年4月、北海道砂川市にオープンした「みんなの工場」(写真上)。砂川市は、「SHIRO」の前身ブランドである「ローレル」が誕生した町だ。

旧工場の移転先を探していた当初は、本社オフィスに近い関東周辺の候補地も検討していたものの、「ブランドを育ててくれた土地に恩返しがしたい」との想いから、砂川に新工場をつくる計画がスタート。住民や子どもが主役のまちづくりを目指し、「みんなのすながわプロジェクト」を立ち上げ、プランニングの時点から市民参加型のワークショップや座談会を重ねてきた。

完成した工場には、オリジナルのフェイスミストがつくれる「ブレンダーラボ」や、北海道の食材を使ったカフェといった人を呼び込む施設のほか、子どもたちが遊べるジャングルネット付きキッズスペース、誰もが自由に使えるラウンジエリアやライブラリーなどを併設。砂川に暮らす人と訪れる人、両方の居場所を創出している。

愛別町に自生するヨモギ。樹木を健やかに育てるために刈り取られる、いわば森の“副産物” Hearst Owned

北海道内の別の地域では、異なるアプローチでの取り組みもスタートしている。「SHIRO」は2025年8月に、北海道上川郡愛別町と「愛別町森林(もり)づくりと活用に関する協定」を締結。そのきっかけは、2024年、愛別町のヨモギを使った旬シリーズのスキンケアを発売したこと。採用されたのは、栽培されたヨモギではなく、森のトドマツやエゾマツの幼木に日光を当てるための“下刈り”作業で採取された、自生のヨモギだった。

このような森の循環を守るため、「SHIRO」は愛別町に協定期間である5年間、企業版ふるさと納税(※)を寄附。あわせてヨモギを素材に使った製品をふるさと納税返礼品として提供する。愛別町は、寄附によって得た税収を森林づくりに役立てていくのだそう。

同様の取り組みは、徳島県那賀町でも行われている。同町は、ブランドのアイコンのひとつである「ゆず」シリーズに使われている木頭ゆずの産地。その安定した需要と供給のバランスを保ち、互いに支え合うために、2025年7月に那賀町と「地域農業活性化包括連携協定」を締結。愛別町と同様に、企業版ふるさと納税を寄附するほか、ふるさと納税の返礼品提供を行っている。また、通常は廃棄にお金がかかってしまう果汁を絞ったあとのゆず果皮や種子などを使用し、精油や蒸留水を抽出しているのだとか。

「SHIRO」では、徳島県那賀町の木頭ゆずを使った製品の研究開発を2015年から行っている Hearst Owned

こうした一連の取り組みの背景には、「SHIRO」がこれまで大切にしてきた“ペイフォワード”という考え方がある。「これは、受け取った好意を誰かへ手渡していくという考え方。循環型社会を実現するためにも自然素材でものづくりをし、そこから生まれた利益を再び地域や次世代へ渡していく、そんな循環を大切にしています」と、ブランドのPR担当者は語る。

現在は、「みんなの工場」の最寄り駅、JR砂川駅前にある「砂川パークホテル」のリニューアルプロジェクトが進行中。2027年1月には、複合施設「PARK SHIRO(パーク シロ)」としてオープン予定だ。ここには、訪れる人の目的によって空間のかたちを変える多目的スペース 「ホール」や、サウナ付き温浴施設、レストランを備えた宿泊施設のほか、サービス付き高齢者向け住宅も併設されるそう。“ビューティ”の枠を超えた「SHIRO」の取り組みに、これからも目が離せない。

アイコン製品はこれ!
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左から、ヨモギオイルインウォーター 120ml ¥5,280、ゆずフェイスミスト 120ml ¥5,500
愛別町のヨモギを生かした「ヨモギオイルインウォーター」は、2024年の処方からヤマヨモギ葉エキス(保湿成分)を1.3倍に増量し、よりリッチな保湿感と香り立ちを楽しめるアイテムとなって定番化。那賀町の木頭ゆずを生かした「ゆずフェイスミスト」は、全身に使用可能。ゆずのフレッシュな香りとともに、使うたびキメの整ったもっちり肌に。

問い合わせ先/シロ カスタマーサポート info@shiro-shiro.jp

※ 国が認定した地域再生計画に位置付けられる地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税から税額控除する仕組み

naure(ナウレ)

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離島の住人たちをつなぐ、テリハボクの木の恵み

沖縄県・宮古島の北に位置する小さな離島、池間島。2019年にスタートした「naure(ナウレ)」は、この島の在来樹種、テリハボクの木の種から抽出した“タマヌオイル”を使ったスキンケアブランドだ。タマヌオイルは、太平洋地域で古くから火傷や傷の治療に使われるなど、炎症を抑える効果が高いことで知られており、美容業界でも”万能オイル”として支持を集めている。

ブランド創立者であり、その母体である「ヤラブの木」の代表を務める三輪智子さんは、神奈川県出身。2012年に池間島に移住し、地元のNPOにて島おこし事業に従事してきた。そこで地域づくりの仕事に取り組むなか、さまざまな“島の課題”に直面。

「島の誇りである豊かな海や自然環境が持続的でないこと、誰ひとり取り残さない地域社会を実現するための具体的な仕組みが存在しないこと、未来を担う子どもたちが広い視野と自らの足元を学ぶ機会が不足していること――これらの課題に向き合い、島の自然を豊かに、島の暮らしを元気にしていく仕組みをつくりたいと考え、2018年に『ヤラブの木』を立ち上げました」

島のおばあたちによる、殻割り作業の風景 Hearst Owned

働き世代が島外へ流出し、過疎高齢化が進む地域に必要なのは、特産品をつくる大きな工場や数百人単位で訪れるマス・ツーリズムではなく、いつでもどこでも自分のペースでできるたくさんの「小さな仕事」だと考えた三輪さんたち。タマヌオイルのもととなるテリハボクの種の収穫や殻割りなどの仕事を、島の人々に依頼している。

「足腰が弱って畑に出ることができなくなったおばあや、体力に自信のない人、家に引きこもりがちなおじい、海が時化て漁に出られない漁師の方。それぞれのペースや体力に合わせて取り組んでくださっています」

「この小さな仕事は、もちろん収入になること(対価)も大切ですが、人とつながる接点、自分がまだまだ仕事ができるという自信や充実感、周りの評価など、その人が元気でいられる要素がたくさん詰まっていると感じます」

殻を割ったテリハボクの種は、太陽と風の力で数カ月間乾燥させる Hearst Owned

テリハボクの実は、自然落下した種子を拾うにとどめ、既存の資源に負荷をかけないよう配慮。その後、人の手で殻を割り、一粒一粒ハンドピッキングで選別された種は、太陽と風の力で自然乾燥させている。なるべく機械や乾燥機に頼らない生産方法で、CO2排出量の削減も目指しているのだそう。

また「ヤラブの木」では、長く放置されていた海岸沿いの共有地において、「ヤラブの森」づくりにも力を注いでいる。ちなみに“ヤラブ”とは、宮古島でのテリハボクの呼称。タマヌオイルをもたらすだけでなく、古くから優れた防風・防潮林になる木として、大切に育てられてきた。さらに、豊かな海岸林は、陸域の栄養塩類の海域への流出をコントロールし、海洋環境のバランスを保つ役割を持っている。

健やかな海を育む海岸林の再生と、種子の共同採取地としての里山の再生。その両方を目指すこの取り組みは、島の循環型の未来を見据えたもの。将来的には、有機JAS認証の取得なども視野に、この森と続く農場の整備も計画しているのだそう。

アイコン製品はこれ!
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左からナウレ タマヌオイル100%ピュア 20ml ¥4,290、ナウレ タマヌボディオイル 100ml ¥5,720
コールドプレス製法で抽出した池間島産タマヌオイルを使用。ピュアなタマヌオイル100%の美容オイルは、化粧水のあとに使うのはもちろん、洗顔後のブースターとしてもおすすめ。乾燥やごわつきが気になる肌の角質層に、すっとうるおいを届けてくれる。池間島産パッションフルーツオイルなどを配合したボディオイルは、軽やかなテクスチャーで、全身のマッサージにぴったり。

問い合わせ先/ヤラブの木 tel. 0980-75-2501

nifu(ニフ)

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源流に関わる“当事者”として目指す、吉野の森の再生

ふわふわのヒノキパウダーで体を温める、女性専用の温浴サロン「発酵温浴nifu(ニフ)」。電気・ガスを使わず発酵熱のみを利用した施設で、現在都内を中心に10店舗を展開している。その運営会社である「テーブルカンパニー」が取り組むのは、日本屈指の林業地帯として知られる奈良・吉野の森の再生と地域の活性化だ。

「2013年に発酵温浴事業を立ち上げたことが、すべての始まりでした。高品質な発酵資材である吉野ヒノキのおがくずを仕入れるため現地に通うなか、その素材を手に入れること自体の難しさに直面しました」

そう語るのは、「テーブルカンパニー」代表の片山裕介さん。背景にあったのは、林業・製材業の衰退。かつて日本有数の林業地として栄えた吉野では、産業構造の変化とともに山の手入れが行き届かなくなり、放置林の増加、人口減少、コミュニティの衰退が進んでいたのだそう。

「そんな状況を目の当たりにし、単に原料を仕入れる“消費者”でいるのではなく、源流に関わる“当事者”として向き合う必要があると感じました」

放置林の増加が問題となっていた吉野の森 Hearst Owned

こうして現地で放置林の整備に取り組むことを決めた「nifu」チーム。具体的には、吉野の山に捨て置かれた林地残材、端材を回収・加工し、ヒノキパウダーなどの新たな資源として活用。これにより、荒れて人が立ち入りにくくなっていた山の手入れも同時に進め、森林の健全な循環を取り戻すことを目指している。

また、2022年には吉野で廃業していた製材所を購入・再生し、地域内で原料の生産から加工までを担うことができる体制を構築。さらに、地域住民とともに「吉野町放置林整備推進会」を設立し、居住地に近い里山林の整備も開始した。

森林の整備のみならず、地元農家と連携した耕作放棄地の活用、地元酒造「美吉野醸造」との協業による商品開発、地域活性の活動を共にする仲間と結成した「YOSHINO VILLAGE NETWORK」を通じたコミュニティ形成など、その活動は多岐にわたる。

再生した吉野の製材所。取り組みを深めるため、現地法人「株式会社ニフ」も設立している Hearst Owned

こうした取り組みを続けるうちに、地域には少しずつ変化が生まれてきているそう。

「地元の方々から空き家の利活用や山林管理に関するご相談をいただく機会が増えてきました。これは、外部の事業者としてではなく、地域の担い手として信頼していただける関係性が築かれてきた証だと感じています」

「また、製材所の再生や森林整備の取り組みは、関係人口の増加にもつながっています――特に印象的なのは、立場や所属を超えて“個人”として関わる人たちのつながりが活発になってきたことです。役場、地元企業、移住者などがフラットに関わり合うことで、小さな共創が次々と生まれ、地域に新しい活気が生まれています」

社会や地域が抱える課題を、事業開発の力で価値に変えるという取り組みが評価され、「テーブルカンパニー」は2025年にB Corp認証を取得。今後は、「これらの流れをさらに発展させ、より“攻めの姿勢”で地域資源の活用と保全を進めていきたい」と考えているのだそう。

「100年、200年先を見据えたネイチャーポジティブな里山のモデルを実装し、観光と産業の両面から価値を生み出す拠点として、地域に還元していくことが目標です」

アイコン製品はこれ!
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Hinoki Knot アロマロールオン 8ml ¥2,750
温浴サロンで使うヒノキパウダー以外に、オリジナルプロダクトブランドの「nifu」でも、吉野の林地残材を生かしたアイテムを展開。こちらのロールオン美容オイルには、保湿力の高いホホバ種子油に、高樹齢ヒノキの“節(Knot)”から抽出した希少な精油をブレンド。森の中にいるような癒しの香りで気分をリフレッシュできる。

問い合わせ先/テーブルカンパニー tel. 03-6434-0556

采茶~SAICHA(サイチャ)

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耕作放棄地から生まれる、“四方良し”なプロダクト

日本各地で問題となっている耕作放棄地。農業従事者の高齢化や担い手不足により、放置される農地が年々増えていると言われている。「采茶~SAICHA(サイチャ)」は、静岡で耕作放棄された茶畑に眠る未利用資源、“茶の実”に光を当てたブランドだ。

通常の茶畑では、茶葉に栄養を行きわたらせるため、実が育つ前に摘んでしまうのが一般的。しかし、茶葉を育てることをやめた土地では当然茶の実が育つ。これが土に落ちると、雑草のように増え、場合によっては病害虫の発生や鳥獣被害の増加など、さまざまな問題を引き起こす原因にもなってしまう。

1988年の創業以来、環境や社会への配慮を模索しながら美容事業を展開してきた「ピー・エス・インターナショナル」は、この未利用資源に着目。茶の実から採れるオイルは栄養たっぷりで、人の肌の脂肪酸組成に近く、角質層へのなじみも抜群と、高い美容価値を秘めていた。

耕作放棄地となった茶畑で育つ茶の実 Hearst Owned

一方で、同社が開発を進めるうちに、耕作放棄地の増加や担い手不足といった地域課題にも直面。美しい茶畑の景観を未来へ残したいという想いも重なって、地域の活性化を視野に入れたプロジェクトへと育っていった。

耕作放棄地から茶の実を収穫することは、農地の再活用と農家の新たな収入源の創出につながるだけでなく、消費者の“お茶ばなれ”に苦しむ日本茶産業に、新たな可能性をもたらしている。また、収穫した茶の実の選別作業は福祉施設に委託することで、就労機会の創出に貢献。製品の充填も静岡県内の製造工場に委託している。そして、耕作放棄地で育った茶の実は、当然無農薬。農家、地域の雇用、日本茶産業、消費者にとってメリットのあるこのオイルを、「采茶~SAICHA」は“四方良し”な商品と表現する。

現在は、静岡県静岡市のふるさと納税返礼品にもなっているほか、静岡県内のホテルでアメニティとして採用されるなど、地域内外の接点も広がっているのだそう。

茶の実の選定作業。ひと瓶20mlのために、約400粒の実が必要 Hearst Owned

ブランドのPR担当者は、「自然と調和しながら価値を深めるブランドとして、持続可能な形での成長を目指したい」と語る。主原料である茶の実は、気候変動の影響により収穫量が限られる貴重な資源。そのため、今後は大量流通を追わずに数量限定販売へと移行し、一滴一滴の価値と品質を守りながら届けていく。

「茶の実という未活用資源の製品開発を通じて、日本茶産業に新たな価値と広がりをもたらし、その認知向上に貢献することも目標のひとつです。また、既存製品に加え、新たなラインナップの開発も進めながら、年齢や性別を問わずに使える本質的なケアを提案したいと考えています」

アイコン製品はこれ!
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CHフェイシャルオイル 20ml ¥5,940
べたつかないのに高い保湿力を誇り、乾燥による小ジワを目立たなくしてくれるスキンケアオイル(効能評価試験済み)。天然の茶の実オイル100%だからこそのナッツのような香ばしい香りは、スキンケアのたびに心落ち着く時間を届けてくれるはず。(2026年5月22日(金)より数量限定発売)

問い合わせ先/ピー・エス・インターナショナル tel. 0120-171-543

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