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70代男性の救急要請…「疑ってんのか!?」救急隊が質問をすると“怒りを露わ”にしたワケ

  • 2026.6.4
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

救急現場では、症状だけでなく、食事や薬、飲酒の有無なども確認します。
それは相手を責めるためではなく、状態を正しく判断するためです。

今回は、その確認が思わぬ反発につながった事案でした。

体調不良で入った救急要請

今回の要請は、70代男性の体調不良によるものでした。

現場に到着すると、男性は会話ができる状態でした。意識はあり、こちらの呼びかけにも反応があります。

ただ、体調不良の訴えがあり、詳しく状況を確認する必要がありました。

いつから具合が悪いのか。
どのような症状があるのか。
持病はあるのか。
普段飲んでいる薬はあるのか。

救急隊は、こうした情報を一つずつ確認していきます。その中で、飲酒の有無についても質問しました。

飲酒について聞いた瞬間に空気が変わった

こちらとしては、通常の確認の一つとして聞いたつもりでした。

しかし、その質問をした直後、男性の表情が変わりました。

「酒は飲んでるけど、酒で救急車を呼んだわけじゃねーよ」
「疑ってんのか」

強い口調で、怒りをあらわにされました。

飲酒していること自体は認めていました。

ただ、本人には「酒のせいにされている」と受け取られたように感じました。

救急隊としては、責める意図はありません。
それでも、聞かれた側の受け止め方によって、現場の空気は一気に変わることがあります。

飲酒の確認は責めるためではない

救急現場で飲酒の有無を確認するのには理由があります。

お酒を飲んでいると、意識状態や受け答え、ふらつきなどに影響することがあります。

気分不良や転倒、けがの状況にも関わる場合があります。

また、搬送先の医療機関にとっても大切な情報です。

どれくらい飲んだのか。
いつ飲んだのか。
普段から飲酒量が多いのか。

そうした情報があることで、医師や看護師が状態を判断しやすくなります。

体調不良の原因が飲酒だけとは限りません。

むしろ、飲酒しているからこそ、別の病気を見落とさないように注意する必要があります。

怒りがある中でも確認は続ける

男性は強い口調になっていましたが、必要な確認をやめるわけにはいきません。

落ち着いてもらいながら、症状や既往歴、内服薬などを確認しました。

飲酒についても、責めているわけではなく、病院へ正確に伝えるための確認であることを説明しました。

それでも、完全に納得してもらえたかは分かりません。

体調が悪い時は、不安や苛立ちも出やすくなります。

そこに「酒」という言葉が入ると、人によっては責められているように感じることもあります。

現場では、必要な質問であっても、聞き方やタイミングで受け取られ方が変わるのだと感じました。

医療機関へ必要な情報を伝えて搬送

その後、男性は体調不良として医療機関へ搬送しました。

搬送中も、意識状態や症状の変化を確認します。

医療機関には、体調不良の内容やバイタルに加えて、飲酒していることも伝えました。

本人が飲酒を認めていること。
ただ、飲酒が原因だと決めつけているわけではないこと。

現場での受け答えや反応も含めて、必要な情報として申し送りました。

無事に医療機関へ引き継ぐことができましたが、現場でのやり取りは少し緊張感のあるものでした。

必要な質問が反発につながることもある

この事案で感じたのは、救急現場では必要な質問でも、相手の受け取り方によって空気が変わることがあるということでした。

飲酒の確認は、責めるためではありません。

状態判断や、適切な医療につなげるために必要な情報です。

ただ、本人にとっては言われたくないことだったり、責められているように感じることもあります。

救急隊は、事実を確認しなければなりません。

同時に、その聞き方にも気を配る必要があります。

正確な情報を集めることと、相手の感情を受け止めながら対応すること。

その両方の難しさを感じた事案でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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