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「まったく見えていなかった」20代男性が左折時に自転車と接触…“歩行者優先”の意識が招いた落とし穴

  • 2026.5.24
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

交差点で左折する際、「歩行者ばかり気にしていた」「後ろまでは確認できなかった」という経験はありませんか?

特に自転車やバイクは車の死角に入りやすく、ドライバーが気づかないまま接触事故につながるケースも少なくありません。左折時の巻き込み事故は、「相手が急に来た」と感じやすい一方で、実際には車側の過失が大きくなりやすい事故のひとつです。

「歩行者ばかり見ていた…」左折時に起きた接触事故

GWに交差点で左折時に事故を起こした20代男性のIさんが来社されました。

事故当日は、久しぶりに実家へ帰省していたそうです。普段より人通りが多く、「歩行者に気をつけなければ」と感じながら運転していたといいます。当然ながら、交差点でも横断歩道付近の歩行者を確認しながら左折しようとしていました。

ところが、そのまま左折した瞬間、左後方から直進してきた自転車と接触してしまったのです。Iさんは事故直後、

「急に自転車が来たように感じた。まったく見えていなかった…」

と慌てたそうです。しかし、こうした左折時の巻き込み事故では、車側の責任が重く判断される事例も散見されます。

左折車には巻き込み防止の安全確認義務がある

左折時の事故で重要になるのが、巻き込み確認です。

道路交通法では、左折する際にはあらかじめできる限り道路の左側端に寄り、周囲の安全を確認しながら徐行することが求められています。なかでも、注意が必要なのが自転車やバイクの存在です。

車から見ると、「後ろにいたはずの自転車が急に現れた」と感じることがあります。しかし実際には、自転車側は左側をそのまま直進していただけというケースも少なくありません。自転車やバイクは車体が小さいため、サイドミラーだけでは確認しづらく、死角に入りやすいものです。また、実家や職場などの周辺は通り慣れた道で、「いつも通れるから大丈夫」という感覚が生まれやすく、確認が無意識に甘くなることがあります。慣れによる油断が、死角の見落としにつながることもめずらしくありません。

そのため、左折車には「見えていなかった」では済まされないレベルの安全確認が求められます。

「急に来た」と感じても車側が不利になりやすい理由

左折時の巻き込み事故では、保険実務上も車側の過失が大きくなるケースが多くあります。

これは、進路を変える車側には強い安全確認義務があると考えられているためです。事故後は、左折前に十分な減速をしていたか、左後方の確認を行っていたか、自転車やバイクの存在を予測した運転だったか、さらに左側へ適切に寄せた状態で左折していたかなど、細かな運転状況が確認されます。

そのため、「歩行者を見ていたから大丈夫だと思った」「横断歩道しか気にしていなかった」という場合でも、自転車やバイクへの注意が不足していたと判断されれば、車側に大きな過失が認定されることがあります。

実際にIさんも、後からドライブレコーダー映像を確認した際、

「歩行者ばかり気にしていて、自転車への意識が抜けていた。確認したつもりでも足りていなかった」

と、振り返っていました。

左折時は、歩行者だけでなく左後方から近づく自転車やバイクにも注意を向ける必要があります。自分では急に来たと感じたとしても、実際には確認できる状況だったと判断されるケースも少なくないのです。

左折時の事故を防ぐためにできること

左折時の巻き込み事故を防ぐためには、「歩行者だけ見ればよい」という意識を変えることが大切です。

特に次のような点は意識したいところです。

・ミラーだけでなく目視確認を徹底する
・左折前は十分に減速する
・歩行者だけでなく自転車やバイクの動きも意識する
・左後方に“見えていない車両がいるかもしれない”前提で動く

交差点では、ほんの一瞬の確認不足が大きな事故につながることがあります。「見えていなかった」では済まされない場面があるからこそ、左折時はいつも以上に慎重な確認を行うよう心がけましょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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