1. トップ
  2. 5月なのに車内は46℃超えも…「少しだけ置きっぱなし」が危ない“意外なアイテム”

5月なのに車内は46℃超えも…「少しだけ置きっぱなし」が危ない“意外なアイテム”

  • 2026.5.24
undefined
出典元:PIXTA(画像はイメージです)

さわやかな風が心地よく、初夏の訪れを感じる季節になってきました。しかし、外の空気は快適でも、日差しを受けた車内は短時間で高温になることがあります。少しの買い物だからと、スマートフォンや荷物を置いたまま車を離れていないでしょうか。

本記事ではJAFの実験データをもとに、つい置きっぱなしにしがちなアイテムの意外なリスクや、車内温度の落とし穴を解説します。

まだ5月なのに…車内は真夏のように暑くなる

5月のよく晴れた日、窓を開けて走ると心地よい風が車内を吹き抜けます。休日のドライブや日々の買い物の途中で車を降りる際、外の空気がさわやかだと、つい油断してしまうものです。しかし、用事を済ませて駐車場に戻り、車のドアを開けた瞬間、息苦しいほどの熱気に顔を背けたくなった経験がある方も多いのではないでしょうか。

私たちが肌で感じる外の涼しさとは裏腹に、直射日光が差し込む密閉された車内では、急激に熱がこもってしまう傾向にあります。実際に、外気温が23〜24度前後という過ごしやすい日中に行われたJAFの実験でも、直射日光が当たる場所に停めた車両の車内温度は最高で46.5度に達したというデータが報告されています。

このように、「まだ真夏ではないから大丈夫」という思い込みが、思わぬ危険を引き起こしてしまうかもしれません。外が快適だからといって車内も安全だとは限らないという事実を踏まえると、私たちが普段行っている暑さ対策についても、改めて見直してみる必要がありそうです。

サンシェードや窓開けだけでは安心できない理由

暑さ対策を見直すにあたり、まず頭に浮かぶのは定番のアイテムや工夫です。駐車時に大きなサンシェードを取り付けたり、窓を数センチだけ開けて風通しをよくしたりと、日頃から愛車への配慮として気をつけている方もいらっしゃるかもしれません。

確かにこれらの対策は、直射日光を遮ったり空気の通り道を作ったりするため、何もしないよりは一定の効果が見込めます。しかし、JAFの調査データによると、真夏の条件下で窓を3センチほど開けておいても車内温度は最高45度程度まで上昇し、直射日光を受けるダッシュボードに至っては75度に達することが確認されています。一方、サンシェードを使用した場合は、直射日光を遮ることでダッシュボードの最高温度を52度に抑えられたものの、車内全体の温度を下げる効果は低く、最高50度まで上昇してしまいます。

つまり、窓開けで車内温度をわずかに下げる効果は見込めますが、表面温度を下げる効果は薄く、サンシェードは表面温度を抑える助けにはなりますが車内全体の温度上昇を防げるわけではありません。どうしても高温になってしまう環境だからこそ、車内に何を置いているかという点に目を向けることが、トラブルを防ぐための大切なポイントになります。そこで次は、つい車内に残してしまいがちなアイテムが受ける影響について見ていきましょう。

スマホに文房具まで!暑い車内でトラブルになりかねないアイテムたち

車内に置きっぱなしにしてしまう代表的なものといえば、日常的に持ち歩くスマートフォンやモバイルバッテリーです。これらは熱に弱い精密機器であり、ダッシュボードや座席に残してしまうと、本体が高温になって警告画面が表示され、一時的に操作ができなくなることがあります。さらに熱が加わり続けると、バッテリーが劣化したり故障につながったりするおそれがあるだけでなく、破裂や発火を起こし、最悪の場合は車両火災につながる危険性も報告されています。実際に、製品評価技術基盤機構(NITE)の事例でも、駐車中の車内でモバイルバッテリーが発火し、座席シートが焼損したケースが紹介されています。単なる故障では済まないリスクが潜んでいるため、取り扱いには十分な注意が必要です。

また、車内の熱による影響を受けるのは電子機器だけではありません。特に注意したいのが、100円ライターやスプレー缶などの可燃性が高い危険物です。JAFのテストによると、車内に放置していた100円ライターのプラスチックケースに亀裂が入り、そこからガスが漏れ出すという事実が確認されています。高温によってガスが漏れ出すと、引火や破裂事故につながる可能性が高まるため非常に危険です。

さらに、事故に直結しなくても、子どもが使うクレヨンがドロドロに溶けてしまったり、温度変化で色が消える仕組みのボールペンで書いた文字が熱で透明になってしまったりと、身近な日用品も大きなダメージを受ける事例が報告されています。ほかにも、飲みかけの飲料やチョコレートなどの食品、リップクリームなどの化粧品、そして常備薬なども、高温下では品質が変化してしまう可能性があるため注意しておきたいところです。

このように、車内の熱は危険物や精密機器から文房具まで、さまざまなアイテムに影響を与えますが、熱によって脅かされるのはモノだけではありません。

"少しだけ"のつもりが命取りに。子どもやペットは残さないように

モノへのダメージ以上に気をつけなければならないのが、大切な命への影響です。コンビニエンスストアで飲み物を買う少しの時間だからと、つい同乗者を車内に待たせてしまう場面があるかもしれません。

しかし、エンジンを切ってエアコンが止まった車内の温度は、ほんの数分という短時間でも急激に上昇するおそれがあります。特に、大人よりも体温調節機能が未発達な子どもや、暑さに弱いペット、そして体力に不安のある高齢者にとっては、短い時間でも非常に過酷な環境になり得ます。気持ちよく眠っているから起こすのがかわいそうだとそのままにしてしまうことも、大変危険な状態を引き起こしかねません。

「少しの間なら大丈夫」という考えは手放し、保護者や運転者は同乗者を車内に残したまま離れないように気をつけましょう。そして、大切な命を守る行動とともに、最後に日々の習慣として確認しておきたいポイントがあります。

車を降りる前の「置きっぱなしチェック」を習慣に

同乗者を車内に残さないことはもちろんですが、車を降りる前にはもう一つ、車内に忘れ物がないかを確認する作業を習慣にしてみましょう。スマートフォンやライター、買い物をした食品などの日用品をきちんと持ち出すために、最後に座席やダッシュボード、そして後部座席を振り返って確かめるひと手間が、大きな安心をもたらします。

そして、置きっぱなしを防いだうえで、用事を済ませて車に戻ってきた際にも、慌てて乗り込まないためのひと工夫を取り入れてみませんか。

暑い日に車へ乗る際は、周囲のスペースに余裕があれば、助手席側の窓を開けたうえで、運転席側のドアを数回開閉して車内の熱気を外へ逃がすことが有効です。エアコンをつけながら窓を開けて走行し、しっかりと換気を行うことも温度を下げる助けになります。また、ハンドルやシートベルトの金具、チャイルドシートなどに触れる前に、熱くなりすぎていないかを手で軽く確認するとやけどの防止につながります。

初夏であっても、晴れた日の車内は私たちが想像している以上に暑くなります。「まだ真夏ではないから」と油断することなく、今日から車を降りる前と戻ってきた時のちょっとした確認を始めてみてはいかがでしょうか。そのほんの少しの心がけが、愛車へのダメージや予期せぬトラブルを防ぎ、いつまでも快適で安全なカーライフを送ることにつながるはずです。


参考:
真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)(一般社団法人 日本自動車連盟)
5月でも車内温度は46℃以上に! 連休のドライブは熱中症にも注意!(一般社団法人 日本自動車連盟)
モバイルバッテリー「7.高温下に放置して発火2」(独立行政法人製品評価技術基盤機構)



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる