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ツイッギーというひとりの魅力的な女性の生きざまに惹きつけられる1本

  • 2026.4.26
ツイッギーというひとりの魅力的な女性の生きざまに惹きつけられる1本
『ツイッギー』 (C) Copyright Soho Talent Limited 2024 All Rights Reserved.

「背が低いし細すぎる」少女が60年代を象徴するトップモデルに

【週末シネマ】60年代を代表するファッションアイコンといえばやはりこの人だろう。まつ毛を強調したアイメイク、ブロンドのショートカット、小枝のように華奢なスレンダーボディがトレードマークのツイッギーである。口を半開きにして大きな目でまっすぐこちらを見据える彼女のポートレートは、誰もが一度は目にしたことがあるに違いない。そんな彼女のドキュメンタリー映画『ツイッギー』が、全国順次公開中だ。

階級社会のイギリスでは何かというと出身階級が取りざたされるが、彼女がデビューした当時はモデルと言えば上流階級の女の子がなる職業だった。だが、ロンドンの下町訛り“コックニー”で話す労働者階級出身のレズリー・ホーンビーという女子高生が、瞬く間にトップモデルへの階段を駆け上がって時代に新風を吹き込むことになる。

レズリーにはモデルになりたいという夢があったが、ボーイフレンドの紹介で会った編集者からは「モデルになるには背が低いし細すぎる」と酷評されてしまう。「でも顔は良い」ということで、テストシューティングをしてもらえることになった。撮影に向けて美容室で髪をバッサリショートにしたところ、その写真が新聞社や編集者の目に留まってツイッギーという名で「時代の顔」としてメディアに取り上げられ、一躍時の人となる。

それまでの、上品ではあるがどこか気取ったところのあるモデルたちと違って、よく笑い親しみやすくユーモアのセンスもあるツイッギーに、多くの人が惹き付けられた。そして、当初は欠点とされた凹凸の少ないスレンダーな体型が、新時代の美の基準としてもてはやされたのである。対談したウッディ・アレンから、「可愛い女の子は賢くない」という勝手な先入観で意地悪な質問を投げかけられるシーンは予告編にも使われているが、機転の利いた切り返しで逆にウッディ・アレンをやり込める様子からは、彼女の賢さが窺える。見る者の気持ちをスカッとさせる小気味よい一幕だ。

人気絶頂期にモデルを引退

トップモデルやファッションアイコンとしてのイメージが強いツイッギーだが、実は女優、歌手、アパレルデザインなどマルチな才能を発揮して今も精力的に活動を続けていることは意外と知られていないのではないだろうか。16歳でデビューして人気絶頂期にモデル業を引退し、22歳の時には活動の場を演劇界へとシフトしていく。「モデルとしては一流だけど果たしてまともに演技ができるのか?」といった世間の思惑とは裏腹に、彼女は演技もダンスも歌も器用にこなしてしっかり結果を出していくのだから大したものである。

いつの間にか彼女の魅力に夢中に

ツイッギーは現在76歳。モデルとしての活動期間はわずか数年であり、ファッションアイコンとしてよりエンターテイナーとしてのキャリアの方がずっと長い。『ツイッギー』では、ファッションアイコン時代のみならずその後のキャリアについてもしっかりとスポットを当てていく。

「ショートカットのキュートな女の子ツイッギー」に惹かれてファッション感覚で映画を見始めたとしても、いつの間にか「ひとりの魅力的な女性の生きざま」に魅せられていることに気づく。そんな作品だ。過去の映像、知人や家族のインタビュー、良き伴侶である現在の夫に出会うまでの恋愛遍歴なども織り交ぜながら、ツイッギーの魅力を存分に伝えてくれる。(文:羽野ハノン/ライター)

『ツイッギー』は、2026年4月24日より全国順次公開中。

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