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【ネトフリ配信終了間近!】興収“初登場3位”を記録した衝撃映画「天才演技」で旋風巻き起こした『怪物女優』

  • 2026.6.6

ドラマや映画の中には、家族という身近な関係を通して、人の心の奥にある痛みを静かに突きつけてくる作品があります。今回は、そんな中から“高い完成度を誇る名作”をテーマに5本セレクトしました。本記事ではその第3弾として、映画『母性』をご紹介します。 

母と娘が同じ出来事を語っているはずなのに、記憶も受け止め方もまったく違っていく本作の魅力とはーー?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ 

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「ランコム」PRイベント 戸田恵梨香(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『母性』 (ワーナー・ブラザース映画)
  • 公開日:2022年11月23日 
  • 出演:戸田恵梨香(ルミ子 役)、永野芽郁(清佳 役)、大地真央(ルミ子の実母 役)、高畑淳子(ルミ子の義母 役)ほか 

映画『母性』は、湊かなえさんの同名小説を原作にしたミステリードラマです。物語の中心にいるのは、自分の母に愛される“娘”のままでいたいルミ子(戸田恵梨香)と、そんなルミ子から愛されたい娘・清佳(永野芽郁)です。 

本作は、女子高生が亡くなる事件からスタートします。何が起きたのかをたどる中で、母であるルミ子の記憶と、娘である清佳の記憶が少しずつ食い違っていきます。

同じ家にいて、同じ出来事を経験しているはずなのに、母娘が抱いた感情はまったく別のものになっていました。 ルミ子は、自分の母からの愛を何よりも大切にして生きてきました。

一方、清佳はそんな母に振り向いてもらいたくて、必死にいい子でいようとします。母と娘の関係を美談として描くのではなく、「愛したい人」と「愛されたい人」のズレとして見せていく点が、本作の大きな特徴です。

「愛能う限り、娘を大切に育ててきました」母の言葉が怖い

映画『母性』のすごさは、“母なら子を愛して当然”という思い込みに、正面から問いを投げかけた点にあります。原作小説は累計発行部数100万部を突破(※2022年6月6日時点)した湊かなえさんの作品です。

公開初週の土日2日間では動員6万4000人、興行収入9000万円で初登場3位となり公開初週の累計では動員17万人、興行収入は約2.3億円を記録しています。 印象的なのは、ルミ子が教会で「愛能(あた)う限り、娘を大切に育ててきました」と語る場面です。

言葉だけを見れば、母が娘に惜しみなく愛情を注いできたという告白に聞こえます。しかし物語が進むほど、その言葉と清佳の記憶の間に大きなズレがあることが分かっていきます。 

ここは、母のルミ子が神父に向かって、娘の清佳を大切に育ててきたと語る場面です。一方で、清佳は母に愛されようとして言葉や態度を選び続け、母の顔色をうかがいながら過ごしてきました。

その結果、ルミ子の“愛した記憶”と清佳の“愛されなかった記憶”がぶつかり、母娘の関係は“愛情”という言葉だけでは片づけられないものとして観客の前に突きつけられます。本作の完成度が高いのは、怖さを大きな事件だけで見せないところです。

食卓や家の中、親子の会話といった日常の中に、少しずつズレが積み重なっていきます。その静かな積み重ねが、最後に大きな衝撃として返ってくる作品です。

SNSでは「面白かった」「やば」「かなりわかる」といった感想が寄せられていました。

Netflix配信終了で惜しまれる、結末を知ってから刺さる違和感

映画『母性』は、6月14日にNetflixの配信終了予定作品。Netflixでは気軽に観られなくなってしまうことから、配信終了前に観ておきたい一作といえます。本作は、未鑑賞の方だけではなく、すでに鑑賞済みの方にもおすすめの一作です。

結末を知ったあとに見返すと、ルミ子の視線や清佳の沈黙、家族の会話の間に最初とは違う意味が見えてきます。たとえば、清佳が母に気に入られようとする場面は、初めは健気な娘の姿に見えるでしょう。

しかし物語を知ったあとに見ると、清佳が自分の感情を飲み込み、母が望む娘でいようとしていることが伝わります。ルミ子が自分の母を優先し、清佳の痛みを見落としていく場面も、再視聴ではより重く響きます。 

配信終了予定として名前が挙がると本作を見返したくなるのは、単なるミステリーとしての結末だけでなく、母娘の関係に残る違和感が長く心に残るからです。見終わったあとに「母性とは何なのか」と考え続けてしまう力が、この作品にはあります。

ぜひ、配信終了前に鑑賞してみてはいかがでしょうか?

圧巻の演技で魅せる怪物女優・戸田恵梨香

戸田恵梨香さんの名演は、『母性』の不穏さを支える大きな軸です。戸田さんは1988年8月17日生まれで、映画公開時は34歳でした。

本作では、母親でありながら、自分の母から愛される“娘”でいたいルミ子を演じています。 ルミ子は、清佳を育てる立場にいながら、心の中心にはいつも自分の母がいます。

清佳が母に近づこうとしても、ルミ子の視線は別の場所へ向いているのです。戸田さんは目線を外す、表情を固めるなどの細かい芝居で、ルミ子の危うさを見せました。

清佳へ近づく場面では、ルミ子の中で愛情と支配が混ざっていることが一気に伝わります。清佳を抱きしめるようにも、傷つけるようにも見える距離感があり、戸田さんの表情には母親らしさと少女のような依存が同時に浮かびます。

だからこそ、観客はルミ子を単純な悪人として切り捨てられません。 戸田さんは近年では、Netflixシリーズ『地獄に堕ちるわよ』で故・細木数子さん役にも挑んでいます。

同作は細木数子さんの17歳から66歳までの人生を演じる作品で、2026年4月27日から世界独占配信されています。戸田さんが、強い言葉で人を引き寄せる人物の華やかさだけでなく、孤独や満たされなさも背負って演じている点に注目です。『母性』のルミ子でも、『地獄に堕ちるわよ』の細木数子でも、戸田さんは人の心の奥にある執着や寂しさを目線と声の温度で見せる俳優です。

『母性』では、母と娘の関係をやさしい物語として包み込まず、愛情の名のもとに見落とされる痛みを描いた作品です。ルミ子は母になりきれず、清佳は娘として愛されたいまま傷ついていきます。そんなルミ子を演じた戸田恵梨香さんにSNSでは「天才演技」「見事に演じた戸田恵梨香に感動」「戸田恵梨香さん素晴らしい」といった感想が寄せられていました。 

2人の記憶が食い違うことで、家族の中にある心の断絶が浮かび上がります。 戸田恵梨香さんと永野芽郁さんが、それぞれの立場から孤独を演じ切った本作は、まさに“高い完成度を誇る名作”と呼ぶにふさわしい一作です。見終わったあとも、ルミ子が清佳に手を伸ばす場面が胸に残り、母性という言葉の意味を考え直したくなる映画です。


※記事は執筆時点の情報です

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